コ ー プ ス・リ バ イ バ ー
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「ゴメーン!彼氏と夏最後の思い出に旅行行くのー!お土産期待しといてね」
「実は私も…♡来月のこの日なら空いてるんだけどどう?」
「なまえの事大好きだからまた今度イチャイチャしよ♡」
「え、まってめっちゃなまえ可愛すぎ!この間女子会お泊まりしたのにもうウチらが欲しくなっちゃったの…?くっそー!彼氏が邪魔だって思っちゃったわ笑」
「こらこら!あんたウチらの純粋な天使にマジでやめなさい!」
◇◇◇
「(そっか…そうだよね…皆、彼氏と過ごすよね…)」
もうそろそろ夏休みが終わり新学期を迎える時期ーーなまえだって花の現役女子高生だ。友人と過ごす時間と比較をすれば、勉学やクラブチーム(お嬢様であっても)自身の為に家事全般、生活にとって身につけなければならない事に対して真面目に取り組んで過ごした割合が多かった夏休み。やはり最後には友人と思い出を作りたかった。故にメッセージアプリで遊びにお誘いするも仲良しの女の子グループは皆、最後の夏は彼氏と過ごす、との理由で指定日程は都合が中々付かずに居たのだ。
幸せそうだな…素敵だなぁ、から始まって、皆の言う男性との御付き合いってどんな感じなのだろう、彼氏ってどんな感じなのだろう?どうやって一緒に過ごすのだろう。彼氏ともなれば、きっと自身が知る様な2人の幼なじみ、異性である友人との関係とは全く違うんだろうな…等、クラブチームの練習が終わった帰り道で、自身にとって未知なる世界を思考してはぽふん、と頬を染めた。そして最後にふと感じてしまう事もあった。あれ…?気がついたら私だけ彼氏居ないんだ、と云うこと。なまえは寂しくなって落ち込み、つい一人で俯いて仕舞うのだった。
「ーーなまえちゃん!」
今の現実を目の当たりにし、ぽやぽやっとしているなまえの背後から同じクラブチームの男性がなまえに声を掛けて来て、良かった、一緒に帰らない?と隣に寄ってきた。彼は大学生であり大学バレーサークルの他にも此のクラブチームにも所属している様で、偶然なのかそれでもなまえが参加する際には必ず彼も居てなまえを気に掛け、他の人と比較すれば彼と話す回数は必然的に多くなっていた。やはり同じクラブチームの仲間であるのもありチーム内での交流も大切なので初めのうちはなまえも嬉しく有難い存在だった。然しながら徐々に自身に対してだけに向けられる視線が何となく違和感があり、時には例のバレー部の3年生から受けた様な嫌な感覚も覚えて居たので正直何となく引っ掛かる気持ちがあった。中でも不自然なボディタッチも多々あったりもしたが、でもそれはきっと自身の勘違いである可能性も有り得るし、何よりも自分が発端で些細な事や小さな揉め事でも絶対に起こしたくなかった。
「(身体を少し触られたくらいで気にしちゃいけない…!それに…はじめちゃんと徹くんと堅ちゃんにはもっと触れられてる…!でも…触れられた時の私の心が何だか……ううん、私が先輩を気にしなければ済む…っ)」
触れられる相手により心持ちが変わるのは人間誰しもあって仕方のない事ではあるとは思うのだが、なまえは我慢し気にしないようにしていた。
「ーー先輩、お疲れ様です。今日も色々と教えて下さってありがとうございました」
「いいよいいよ!なまえちゃんが居ると俺もやる気でてさ、傍に居てくれるだけで嬉しいというかーーその…」
「…?」
「なまえちゃんは本当に頑張り屋さんだよね。凄いよ!俺も見習わなきゃ…」
「いえそんな…サークルもクラブチームも両方頑張ってらっしゃる先輩の方が凄いです。それなのに私の事も気に掛けて下さって…あっ、凄いなんて先輩に対して烏滸がましい事言ってしまって…」
言葉の意図は分からないが、なまえは誰に対しても常に丁寧を心掛け大学生に御礼を言いきちんと接すれば、彼の表情や目の色が今がチャンスだ、と言う様に熱を帯び変わっていった。
「…俺、なまえちゃんがクラブチームに参加した日から気になってて…それから接していくうちにどんどん好きになっていってる。今も、可愛すぎるなまえちゃんを目の前にしたらもう気持ちが抑えられなくて…俺と付き合って貰えませんか…!?」
「…ぇ…あ…あの…それは…っ」
「…はァっ…可愛い…!…なまえちゃんを誰よりも可愛がって愛でる自信はあります…!嘘じゃないよ?絶対になまえちゃんをーー「ハイハーイ。なまえにはそういう役目の男は十分間に合ってるのでゴメンなさーい」
大学生からキュゥっ、と両手を包み込み握られてまさかの告白をされたなまえは、嫌悪感に近い気持ちを抱えながらどう返して良いのか分からず居ると、なまえの手を握る大学生の腕をギリッ、と掴んではなまえの肩に優しく手を回しいつもの華やかな及川が登場した。なまえは、大学生からは鼻息を荒くされ手を握られるだけでもゾッ…とする感覚に強く襲われたが、及川に触れられれば瞬時に安心し落ち着く自身を再度確認し、やっぱり同じ男性だって全然違うんだ、と強く理解する。
「ーーなっ!誰だよ…!」
「何れは…特に先輩がバレーを続けてれば分かる事かと思います。ーー強いて言うなら彼氏でーす、ウチのなまえがお世話になりましたー」
表面はお得意のキラキラスマイルだったが目は全く笑って居らず、牽制と威嚇が生じて尚且つ身長も高い及川に対し、大学生はついビクッ…と怯んで仕舞いなまえから手を離した瞬間、なまえのみを連れてその場から離れて行く。
ーーー
ーー
ー
「あの…徹くん、ありがとう…」
「どういたしまして。俺もなまえと時間的にも若しかしたら会えるかなー、って思ってたんだけど結果会えて良かった。なまえ、何だか困ってそうだったからさ…」
「…あの…うん…。とても良くしてくれる先輩なんだけどね?あの…勘違いかもしれないんだけど、ちょっとだけ違和感を感じていて…結構前から我慢してた部分はあったの…」
「ーー嫌なら嫌ってキチンと言いなさい。なまえの違和感や気持ちを我慢する事なんてない。それと前から言ってるケドさ、特にああいう奴の前でぽやぽやっとしちゃ駄目!また触られたり言葉で言われたりしてなまえが悲しい思いしたらどうするの?俺や岩ちゃんは居ないんだよ?」
「…そうだよね…ごめんなさい…」
「ーー分かれば宜しい。あ、でもなまえの彼氏って嘘ついちゃったね。ごめんね?」
「ううん、そんな…!寧ろ私なんかが申し訳無い…!気を使わせてごめんね…っ」
「…何でそんな謙遜すんのさ。やめてくんない?」
「で、でも…徹くんと私なんか釣り合わないの分かってるから」
「ーーだから、何でそんな言い方するんだよ。コッチの気も知らないで…!」
なまえからの言葉に対してピクっ、と及川の肩が揺れて、なまえの肩をクイッと少しだけ力を込め自身の方へ向かせる様に掴むと、なまえは普段の雰囲気と全く異なる彼を不安げに見つめ瞳をゆらゆらと揺らす。彼が如何してそんな事を言うのか理由が分からないで居た。もしかして余計な事言って怒らせた…?そうだったら、どうしよう、となまえは徐々に不安で心がいっぱいになる。及川に嫌われたら自分はきっと崩れてしまう。それ程、なまえにとって及川は心の支えの人であるのだから。
「ーー日本を離れて海外に住める?やっとの思いで手に入れたなら絶対に離れるつもりなんかないし絶対に離さない。箍が外れる自信しか無いから死んでも俺の傍に繋いで嫌って言っても絶対に逃がしてやらない。昔から今までずっと次から次へと色んな葛藤に襲われて堪え続けて我慢しーー…」
「…あの…徹くん…?ごめんなさい…何の話…?」
「ーーナンデモナイ」
「…?えっと…怒ってない…?」
「ハイ」
怒涛の如くなまえに言葉を当て付けたと思えば、ある瞬間に我に返った及川は瞬時に顔を真っ赤に染め上げて、ぼふっ、と湯気をあげ、及川の発言の意味が分からないなまえは不思議な顔をして及川に問うが片言で遮られて話は終了する。取り敢えず、及川が怒ってない事に安堵したなまえは「良かった…。彼氏がずっと出来ない事よりも徹くんに嫌われる方が嫌だもん…」とポツリ、と呟いた。
「ーー何?どういう事」
「…私の女の子のお友達は皆、彼氏が居てね?お恥ずかしながら私だけ居ないの。さっきふと寂しくなって落ち込んじゃったんだけど…でもそんな事より徹くんに嫌われた方が寂しくて嫌だから…っ」
「(なまえに彼氏なんか作らせるわけないじゃん。…って事はフタクチくんは彼氏じゃ無いわけねあー良かったクソざまぁ)なまえの事は何があっても嫌いになんてならないケドさ…なまえがもし…ずっと彼氏が出来なかった時は俺がなまえの彼氏になるから安心してよ。そしたら念願の彼氏も出来て、嫌われる事もないでしょ?ーーあ、でもその時は全てを受け入れる覚悟で俺んトコ来てね」
「?…ありがとう…!ふふっ、そうだよね。徹くんの彼女になるんだもん。それくらいの心は必要だよね」
「…ソーダヨ」
少しずつ秋が近付いてきて日が暮れるのが早くなっていく感覚を覚えるこの頃。それでも未だ半袖で居られる気温である為、筋肉凄いなぁ…なんて思いながら、半袖から見える及川の頼れる腕になまえの小さな指をそっと触れさせれば、擽ったい感触に気がついた及川はなまえの小さな指を取り自身の指を離したくない、と確りと絡める。ーーああ、小さいな。小学校までなんかは、この小さな手を握る事なんか息を吸って吐くのと同じ位に当たり前だった。そして自分が一生、護るんだって信じて疑わなかった。ーー今は、ドク、ドク、と心臓が痛くなる。彼女と向き合うのは簡単じゃない。其れでいて、いつだって真剣である。ーーバレーボールとみょうじなまえは、及川徹にとって人生そのものなのだ。
「実は私も…♡来月のこの日なら空いてるんだけどどう?」
「なまえの事大好きだからまた今度イチャイチャしよ♡」
「え、まってめっちゃなまえ可愛すぎ!この間女子会お泊まりしたのにもうウチらが欲しくなっちゃったの…?くっそー!彼氏が邪魔だって思っちゃったわ笑」
「こらこら!あんたウチらの純粋な天使にマジでやめなさい!」
◇◇◇
「(そっか…そうだよね…皆、彼氏と過ごすよね…)」
もうそろそろ夏休みが終わり新学期を迎える時期ーーなまえだって花の現役女子高生だ。友人と過ごす時間と比較をすれば、勉学やクラブチーム(お嬢様であっても)自身の為に家事全般、生活にとって身につけなければならない事に対して真面目に取り組んで過ごした割合が多かった夏休み。やはり最後には友人と思い出を作りたかった。故にメッセージアプリで遊びにお誘いするも仲良しの女の子グループは皆、最後の夏は彼氏と過ごす、との理由で指定日程は都合が中々付かずに居たのだ。
幸せそうだな…素敵だなぁ、から始まって、皆の言う男性との御付き合いってどんな感じなのだろう、彼氏ってどんな感じなのだろう?どうやって一緒に過ごすのだろう。彼氏ともなれば、きっと自身が知る様な2人の幼なじみ、異性である友人との関係とは全く違うんだろうな…等、クラブチームの練習が終わった帰り道で、自身にとって未知なる世界を思考してはぽふん、と頬を染めた。そして最後にふと感じてしまう事もあった。あれ…?気がついたら私だけ彼氏居ないんだ、と云うこと。なまえは寂しくなって落ち込み、つい一人で俯いて仕舞うのだった。
「ーーなまえちゃん!」
今の現実を目の当たりにし、ぽやぽやっとしているなまえの背後から同じクラブチームの男性がなまえに声を掛けて来て、良かった、一緒に帰らない?と隣に寄ってきた。彼は大学生であり大学バレーサークルの他にも此のクラブチームにも所属している様で、偶然なのかそれでもなまえが参加する際には必ず彼も居てなまえを気に掛け、他の人と比較すれば彼と話す回数は必然的に多くなっていた。やはり同じクラブチームの仲間であるのもありチーム内での交流も大切なので初めのうちはなまえも嬉しく有難い存在だった。然しながら徐々に自身に対してだけに向けられる視線が何となく違和感があり、時には例のバレー部の3年生から受けた様な嫌な感覚も覚えて居たので正直何となく引っ掛かる気持ちがあった。中でも不自然なボディタッチも多々あったりもしたが、でもそれはきっと自身の勘違いである可能性も有り得るし、何よりも自分が発端で些細な事や小さな揉め事でも絶対に起こしたくなかった。
「(身体を少し触られたくらいで気にしちゃいけない…!それに…はじめちゃんと徹くんと堅ちゃんにはもっと触れられてる…!でも…触れられた時の私の心が何だか……ううん、私が先輩を気にしなければ済む…っ)」
触れられる相手により心持ちが変わるのは人間誰しもあって仕方のない事ではあるとは思うのだが、なまえは我慢し気にしないようにしていた。
「ーー先輩、お疲れ様です。今日も色々と教えて下さってありがとうございました」
「いいよいいよ!なまえちゃんが居ると俺もやる気でてさ、傍に居てくれるだけで嬉しいというかーーその…」
「…?」
「なまえちゃんは本当に頑張り屋さんだよね。凄いよ!俺も見習わなきゃ…」
「いえそんな…サークルもクラブチームも両方頑張ってらっしゃる先輩の方が凄いです。それなのに私の事も気に掛けて下さって…あっ、凄いなんて先輩に対して烏滸がましい事言ってしまって…」
言葉の意図は分からないが、なまえは誰に対しても常に丁寧を心掛け大学生に御礼を言いきちんと接すれば、彼の表情や目の色が今がチャンスだ、と言う様に熱を帯び変わっていった。
「…俺、なまえちゃんがクラブチームに参加した日から気になってて…それから接していくうちにどんどん好きになっていってる。今も、可愛すぎるなまえちゃんを目の前にしたらもう気持ちが抑えられなくて…俺と付き合って貰えませんか…!?」
「…ぇ…あ…あの…それは…っ」
「…はァっ…可愛い…!…なまえちゃんを誰よりも可愛がって愛でる自信はあります…!嘘じゃないよ?絶対になまえちゃんをーー「ハイハーイ。なまえにはそういう役目の男は十分間に合ってるのでゴメンなさーい」
大学生からキュゥっ、と両手を包み込み握られてまさかの告白をされたなまえは、嫌悪感に近い気持ちを抱えながらどう返して良いのか分からず居ると、なまえの手を握る大学生の腕をギリッ、と掴んではなまえの肩に優しく手を回しいつもの華やかな及川が登場した。なまえは、大学生からは鼻息を荒くされ手を握られるだけでもゾッ…とする感覚に強く襲われたが、及川に触れられれば瞬時に安心し落ち着く自身を再度確認し、やっぱり同じ男性だって全然違うんだ、と強く理解する。
「ーーなっ!誰だよ…!」
「何れは…特に先輩がバレーを続けてれば分かる事かと思います。ーー強いて言うなら彼氏でーす、ウチのなまえがお世話になりましたー」
表面はお得意のキラキラスマイルだったが目は全く笑って居らず、牽制と威嚇が生じて尚且つ身長も高い及川に対し、大学生はついビクッ…と怯んで仕舞いなまえから手を離した瞬間、なまえのみを連れてその場から離れて行く。
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「あの…徹くん、ありがとう…」
「どういたしまして。俺もなまえと時間的にも若しかしたら会えるかなー、って思ってたんだけど結果会えて良かった。なまえ、何だか困ってそうだったからさ…」
「…あの…うん…。とても良くしてくれる先輩なんだけどね?あの…勘違いかもしれないんだけど、ちょっとだけ違和感を感じていて…結構前から我慢してた部分はあったの…」
「ーー嫌なら嫌ってキチンと言いなさい。なまえの違和感や気持ちを我慢する事なんてない。それと前から言ってるケドさ、特にああいう奴の前でぽやぽやっとしちゃ駄目!また触られたり言葉で言われたりしてなまえが悲しい思いしたらどうするの?俺や岩ちゃんは居ないんだよ?」
「…そうだよね…ごめんなさい…」
「ーー分かれば宜しい。あ、でもなまえの彼氏って嘘ついちゃったね。ごめんね?」
「ううん、そんな…!寧ろ私なんかが申し訳無い…!気を使わせてごめんね…っ」
「…何でそんな謙遜すんのさ。やめてくんない?」
「で、でも…徹くんと私なんか釣り合わないの分かってるから」
「ーーだから、何でそんな言い方するんだよ。コッチの気も知らないで…!」
なまえからの言葉に対してピクっ、と及川の肩が揺れて、なまえの肩をクイッと少しだけ力を込め自身の方へ向かせる様に掴むと、なまえは普段の雰囲気と全く異なる彼を不安げに見つめ瞳をゆらゆらと揺らす。彼が如何してそんな事を言うのか理由が分からないで居た。もしかして余計な事言って怒らせた…?そうだったら、どうしよう、となまえは徐々に不安で心がいっぱいになる。及川に嫌われたら自分はきっと崩れてしまう。それ程、なまえにとって及川は心の支えの人であるのだから。
「ーー日本を離れて海外に住める?やっとの思いで手に入れたなら絶対に離れるつもりなんかないし絶対に離さない。箍が外れる自信しか無いから死んでも俺の傍に繋いで嫌って言っても絶対に逃がしてやらない。昔から今までずっと次から次へと色んな葛藤に襲われて堪え続けて我慢しーー…」
「…あの…徹くん…?ごめんなさい…何の話…?」
「ーーナンデモナイ」
「…?えっと…怒ってない…?」
「ハイ」
怒涛の如くなまえに言葉を当て付けたと思えば、ある瞬間に我に返った及川は瞬時に顔を真っ赤に染め上げて、ぼふっ、と湯気をあげ、及川の発言の意味が分からないなまえは不思議な顔をして及川に問うが片言で遮られて話は終了する。取り敢えず、及川が怒ってない事に安堵したなまえは「良かった…。彼氏がずっと出来ない事よりも徹くんに嫌われる方が嫌だもん…」とポツリ、と呟いた。
「ーー何?どういう事」
「…私の女の子のお友達は皆、彼氏が居てね?お恥ずかしながら私だけ居ないの。さっきふと寂しくなって落ち込んじゃったんだけど…でもそんな事より徹くんに嫌われた方が寂しくて嫌だから…っ」
「(なまえに彼氏なんか作らせるわけないじゃん。…って事はフタクチくんは彼氏じゃ無いわけねあー良かったクソざまぁ)なまえの事は何があっても嫌いになんてならないケドさ…なまえがもし…ずっと彼氏が出来なかった時は俺がなまえの彼氏になるから安心してよ。そしたら念願の彼氏も出来て、嫌われる事もないでしょ?ーーあ、でもその時は全てを受け入れる覚悟で俺んトコ来てね」
「?…ありがとう…!ふふっ、そうだよね。徹くんの彼女になるんだもん。それくらいの心は必要だよね」
「…ソーダヨ」
少しずつ秋が近付いてきて日が暮れるのが早くなっていく感覚を覚えるこの頃。それでも未だ半袖で居られる気温である為、筋肉凄いなぁ…なんて思いながら、半袖から見える及川の頼れる腕になまえの小さな指をそっと触れさせれば、擽ったい感触に気がついた及川はなまえの小さな指を取り自身の指を離したくない、と確りと絡める。ーーああ、小さいな。小学校までなんかは、この小さな手を握る事なんか息を吸って吐くのと同じ位に当たり前だった。そして自分が一生、護るんだって信じて疑わなかった。ーー今は、ドク、ドク、と心臓が痛くなる。彼女と向き合うのは簡単じゃない。其れでいて、いつだって真剣である。ーーバレーボールとみょうじなまえは、及川徹にとって人生そのものなのだ。