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(#二口堅治と息子)(二口くんも息子も高校生)(二口くんコープス初期(高一)辺り)(タイムスリップ⚠︎)
「ーー鬩合いなのに覚束無ぇな」
先ずは現在、自身の置かれる妙に非現実的である状況に於いて状況把握整理及び理解が未だに最中であり尚更、虫の居所も悪かったのもある。一呼吸置いた後に考えれば、他にも穏やかなる適切な対処方法はあったのにも拘わらず普段ならば通常である冷静な対応が出来なかったのは今回の反省点であった。心内では誇りであり自己紹介文ではチャームポイントとしている”母特有の目の輝き、そして目尻の垂れ具合”からの”ふとした口調と堅実なる強き瞳の核は父親譲り”へと瞬時にシフトチェンジさせ厭な様子に調合を更に加えるワン・カウント。いや、此方の意見としては気怠く執拗い不快な絡みを数分間もニコニコスマイル良い子ちゃん(※当社比)演じて黙って真っ向に受け留めたのだから無論、相応の代償を払って貰うべく”此処から先は正当防衛だから文句言うな”でツー・カウント。ならばその手段を成立させるに辺り、全ての都合良く完膚無きまで正当にさせるには…と自身の知識と頭脳をフルに駆使し計算と結果をゼロ コンマ レーイチで算出算定(それでも自称平和の象徴代表)相手を上手く蹴散らせる最大の目的の為に、発端となった男子高校生相手の腕を捻りギリッ、と捻り掴み牽制した次の瞬間、常音(つね)にピリ付く尊敬と不慥かなる心地好さに確信が自身の細胞の共鳴に音域の速さで触れ包まれた、までがスリーカウント。ーーそんな具合ではあったが結局、発端を布いた相手方の肩を掴み怯むこと無く容易に割り入り遮っては、その場に居る登場人物を冷静に着席させる如く仕立て上げ強制的に試合終了のゴングを鳴らしたのは、まさかの在の人物であったのだ。
「二口!~~ッ、聞けよこの他校のスカしクソ野郎が…ッ!!」
「俺からしてみたらお前だって他校のスカした野郎よ?どうせくだらねェウザ絡みしてたんだろ。そのデカい態度で伊達工の周り彷徨いてんじゃねぇよ。お前、次やったら(学校や周囲にバレない様に)もれなく俺直々に絞め落とすぞ?」
「~~い、いやちょっ…だ、だってこの辺りの女子高のオンナノコ達、可愛い子多いから徘徊すんの仕方なくね?それにノッて俺のイイトコ見せてアワヨクバ…シてえよ!頼みの綱のお前はオンナ紹介してくれねぇし最近まで侍らせてたオンナ達も一掃してるしよ!?」
「あのな、だからモテないんだよ」
今では生意気にも懐う実家の一室に飾られて居る数々の写真や思い出のアルバムで見慣れた当時の姿見である筈が、現に目の前に立ち居り動き声を発して居る。当時の彼が自身の知り得る彼と正に同一人物であるという事柄を脳が認識したからこそ、今身に起こっている全ての状況や判断等の全てを瞬時に自分自身に理解させ納得させた。
「(風貌や発言は見事に期待を裏切らないよね。というか、何より俺の想像通り模範解答でイキっているといいますか…)」
ーーというか最早、この人が自身の前に姿を現して仕舞えば不本意にも自身が陥っているであろうこの状況下が睡眠時間内である夢であっても非現実的である幻でも、今流行りの異世界転生小説である様な説明がつかない出来事が此の身に生じてたとしても目の前の現実を認めざるを得ないのだ。
「相手も悪い、荷が重い、分が悪いの三拍子ハイ・ハイ☆だーかーらー、態々止めて未然に防いだ俺にも我慢してくれた相手に対しても、お前から言葉が発せられるのならば感謝しか望まない」
「~~(悔しいけど顔イイから)ナンパ要因として俺がせっかくコイツ選んで声掛けてやったのに…ッ」
「御託はいい。反省が無いならせめて黙って今すぐに退け」
全てをとっぱらって正直言うと、今はどんな事よりも夜空に満月を掲げ銃口を向ける独眼と万華鏡を映し穿く瞳の輝きは、今この瞬間(現代の彼にとっては云わば当時やあの頃は…の認識)でさえも全くイマと変わらないのだ、と純粋に彼に対して抱く憧れな感情から生じる自然な笑みを引き金にして自身がたっぷりと満たされる、と同時に迸る身震いと熱情を喉奥の深淵から痛く感じた。きっと周囲が彼故に頭が下がる理由としては、唯、その辺に転がる石ころの様なイキりなヤンチャくんな訳では無いのが故にこの人で在るワケで。
「悪かったな。一応聞くけど、怪我は?」
「いえ。此方こそ」
全ての結果として(双方にとっても)助太刀に入った彼に苛まれながら、自身に強く掴まれた腕を振り払い退場していく残念な引き立て役の落ち込んだ男子高校生の背中を目線で軽く追い確認し逸らしつつ呆れた短い息を一つ吐いた後、やっと正に本来の意味合いで視線を確り混じり合わせ侠客の面影を背負う鋭さと対面しては、精神的にも体感としても必然的に生命の重圧を感じた。この重圧を自身も確実に授かり受け継いで産まれて来たのは非常に喜ばしく目の前の彼に心より感謝を申し上げたい。然しながら眼球を抉られる様な感覚に陥る程に独眼の銃声の兆しで覗かれては正直その立場に転換された場合は、たまったもんじゃない。
「ーー……」
「(写真で見るよりも現実だと尚更、端正なお顔立ちなことで)」
” 「例えば、今の俺が過去にタイムスリップ出来たとしたら、父さんにも及川さんにも"上には上が居るんだよ"って上手く丁寧に教えてあげたいよね。…んで母さんは即、俺が頂戴するかな?」”
普段は親子間の甘え故に軽口を叩いていただけだったと初めてこの立場に成ってみて鮮明に理解した。例えば、大した事も無い自分自身の自尊心の為に強気で言い直したとしても今の自身と今目の前に居る同世代で在る筈の彼ーー…云わば、高校生である”二口堅治”だとしても未だ敵わない、と改めて心に刻む。まぁ其れでも、きっといつかは越えたその先の男に成りたい。
「初対面でつかぬ事を聞くけど、姉ちゃんとか妹とかそういうの居る?見た目ぽやぽやした花みたいな感じの」
「ーーまだ幼く手のかかる年齢の妹が一人」
「そっか。…いや、目元がな、その…俺の知り合いに似てるな、って思って」
「俺と、その花のような知り合いの方が?」
「花…知り合い…知り、合い?花……まぁ、あー…ウン、そうだな。」
「ぽやぽや?」
「ぽやぽや…って小っ恥ずかしい擬音語を二回も言わすな!花っつー俺に似合わない発言ワードだけでも後悔してんのによ!何が聞きたいんだよ!」
ああ、成程。まぁそりゃ似てるよね、なんてつい含み笑いを零して仕舞う。…ふふっ、姉ちゃんや妹の類、ねぇ?そして例えが花ときた。俗に言うツンデレな彼の赤面な顔は相変わらず…いや更に同性でも構いたくなる、なんて同時に惹き付けられる魅了に乗じてはーー
「はは、!問われた際には怪我してないって言ったけど今の遣り取りで見事に火傷したかな。さて、どう出ます?」
「はァ?揶揄うなよ生意気な。それともお前は変な奴って事でOK?」
「父親譲りなんでね」
「なんか分からねぇけど無性に腹立つの何で」
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