コ ー プ ス・リ バ イ バ ー
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「(…なんで…?)」
なまえは自分でも今の自身の行動に対して理解出来ないで居た。只、分かる事は3人に対して失礼な対応だった事、これ以上、二口と滑津の関係性を見て居られずあの場に居たくない、と云う事だった。歩きながらも先程のあの2人の情景が再度脳裏を巡れば、なまえはじわり、と涙を滲ませる。ただ何故、自然と涙が滲むのか、こんな風になって仕舞っている理由が本当に分からなかった。きっと、生理前の不安定な心の所為だ、と思い失礼な対応をした事を戻ってきちんと謝らなきゃ、と足を止めるが、如何しても戻れなかった。
「ーーなまえ!」
後ろからはぁっ、とした息遣いと聞き慣れた声がしてなまえはピクッ、と肩を跳ねさせる。振り向かなくても声で誰かなんて直ぐに理解した。態々、追いかけて来てくれたんだ…とのジィン…と心を打つが、やはりどの様な顔をして接すれば良いのか分からないと云う気持ち、この視界がゆらゆらと揺らめく状態では不審がられるだけなので到底、相手の方を振り返れないでいた。兎に角、逸早く涙を乾かさなければ…!との思いでなまえは少しだけ足を早めて時間を稼ぐ為にも気付かない振りをする。でもそんな事、きっと相手…彼には通用しないんだろうなーー…
「…捕まえた」
逃がすかよ、なんて言葉を紡がれて彼の制汗剤の香りと汗の匂いを感じれば、とくん、となまえの心臓が鳴った。身長差がある彼ーー…二口がなまえの肩と胸の辺りに片腕を回して、背後からギュッと強く抱き締めなまえの頭のてっぺんに顔を乗せる。
「…あ"ーっ…走らせやがって…暑…!ーーお前さ、何だよさっきの。青根とは仲良く2人でアイス食いながら喋ってた癖に何で俺と滑津が来た途端に直ぐに離れンだよ。納得いくように説明しろコラ」
「…!?んぅっ…だめ…っ…離してっ…」
「はァ?ヤダ。やっと捕まえたのに」
離して、と言われて流石にムッ、とした二口は更になまえを強く抱き締めては彼女の髪の毛の甘い香りをスゥッ…と吸い込み、乾ききった身体が水を求めてやっと潤えると求める如く華奢な身体を押さえ込んで密着する。彼女の甘い香りと体温を間近で感じて、身体の中の血液が沸騰して全身を駆け巡る様な感覚に少しだけクラクラした。偶然に人通りは少ないし別に今は周りから何て思われようが構わない。何よりもなまえを手放したくない。拒否されたくない。
「やだぁ…っ…ふぁ…触んないで…っ」
「ーー誰に向かって言ってんだよ」
「…堅ちゃん…っ自分の手…見て…!」
手?手ねぇ…あー、そういやめちゃくちゃ気持ちいい…柔らかい…可愛い…ん?柔らかい!?二口は指摘されなまえを抱き締めてる手に意識を向けた瞬間、何となまえの豊満な胸を無意識に鷲掴みしていたのだ。
「ゲッ…!?」
わーいラッキー☆(ダブピ舌ペロ)な自分と、いやいや待て待て拙いだろ…!と焦る自分が居て、二口は真っ赤に頬を染めて湯気をボフン、と吹き出し、無言で両手を上げなまえから身体を離した。
「…っ…」
「あーー…なまえ…ちゃん…?今のは誓ってわざとじゃない…デス…」
「ーーもぅっ…!わかったから着いてこないで…!」
「何なんだよ…今日は一段と可愛くねェな?」
「!?そんな事、言われなくてもわかってる…!滑津さんと比べないでっ!」
「ーー?なんで…そこで滑津が出てくる…っあ!だからお前は言い逃げすんな!」
◇◇◇
「~~うぁぁん…!はじめちゃん、お腹痛いよ…!どうしよう…この間、お友達に酷い事言っちゃったよぉ…ひっく…全部、私が悪いんだよ…ほんとにどうしよう…!」
「(あー…今月は特に重症だな…)よしよしなまえ。いつものピルケース貸してみろ(うわっ、もうこれだけかよ…)まぁアレだな、友人の件は、お前の体調良くなったら謝りゃイイだろ?如何してもの時は俺が一緒に着いてって、なまえと喧嘩出来て幸運じゃねェかって言ってやっからよ」
「はじめちゃん、だいすきっ…!」
「(ピキっ)ーー岩ちゃんが一緒だと逆に相手の子が怖がって逃げちゃって逆効果じゃない?」
夏休みが本格的に始まり、なまえは及川と一緒に岩泉の部屋に居た。そしてなまえは、とうとう女の子の日が始まり腹痛と共に精神的にもグダグダになっており様々な思いを吐き出し泣きながら岩泉に縋り抱き着く。岩泉はなまえが生理なのを直ぐに悟り、まぁ今回は仕方ない、となまえに手を回しとことん甘やかす。なまえが友達と喧嘩なんて珍しい…というか今回が初めてなのでは無いか?俺と及川以外には或る意味、優等生で良い子ぶりっ子ちゃんだから、なんて思いながら、なまえの愛用している痛み止めのピルケースを確認すれば、買ったばかりの薬ももう残り僅かなので「用法用量は守れよ…」と口頭では言いながら相当辛いんだろうな…となまえの背中をぽんぽんと優しく撫でてやるのだ。
「食い物や飲み物、俺が欲しいモンと薬買いに行ってくるから、なまえは此処で待ってろよ。ーーんじゃ行くぞ、及川」
「!?だめっ…!ひとりにしないで…」
「あららー☆って事で俺も此処で待ってるから岩ちゃんヨロシク~♪」
「……及川、分かってると思うが何もすんなよ」
「えーヤダなー?信用無いなんて及川さん悲しいー」
岩泉は、むぎゅっと抱き着くなまえを自身からぺりっ、と離して買い物の支度をし及川に言葉を投げかけるが、なまえが1人で残るのは嫌と首を横に振り今度は及川のお腹にギュッ、と手を回しべったりとくっつく。ウンウン、なまえはいつも可愛いね、と頭を撫でてやり岩泉に「行ってらっしゃい」と手を振っては、ベッドに2人で腰を掛けるのだ。
「なんでお腹痛くなっちゃったの?お腹出して寝てた?アイス食べ過ぎた?」
「…ええっ…違うよ…!でも、内緒…」
「?ーーなまえ、俺に何して欲しい?何でも言ってごらん」
「…わ、嬉しい。貴重な時間!…じゃぁ、お薬飲む…」
「(いやいや何時でもそうだけどサ)ウン、わかったーー飲ませてあげるからお口あけて?はい、あーん」
「…んっ…」
及川は砂糖菓子の如くとことんなまえを甘やかし、そして自分も良い思いをする。そう、彼は侮れないのだ。なまえが望む事をする為に、ピルケースから口腔内崩壊錠を1錠掴む自身の指をなまえの桜桃の様な唇に運んでやれば、ぱくっ、と指が唇に挟まりぷにゅ、とした柔らかい感触を味わった。体調の優れないなまえには申し訳無いと思いながらも背中がゾクリとする程、興奮した。そんななまえの腹痛の理由は分からないしなまえも言わないが、甘やかしてくれるなら今は存分に甘えたい、と云う気持ちだけは十分に伝わってくる。及川にとって、なまえは世界で1番可愛いのだ。
「ありがとう…」
「おいで、なまえ。眠かったら寝ても良いよ」
「うん…」
及川はなまえの頭や頬を優しく撫で、及川の優しさは心地よく気持ちよくウトウト…する程だった。そんななまえの不安定な気持ちに更に追い討ちを掛けるのは昨日の出来事である。二口と喧嘩し(なまえも一方的に自分が悪いという事はきちんと解っている)仲直りせずに離れてそれっきりな為(メッセージも電話も来るがどうして良いのか分からず返す事も出来ずに居る)精神的にも精一杯であり今は処理しきれなかった。
「ーー徹くん」
「うん?」
「……もし、徹くんと仲良しの女の子が…徹くん以外の男の子と仲良くくっついてたら…頬っぺ引っ張ったり髪の毛撫でてたりしたら嫌…?寂しい…?」
「ーーー」
こてん、と及川の腕に寄り掛かり、質問の途中でそのまますやすや…と眠りに入ってしまったなまえを切なげに見る及川は、なまえをゆっくりベッドに寝かせてはわざと組み敷く体勢になった。ギシッ…と2人を支えるベッドが切なく鳴って、及川は「ーー嫌に決まってんじゃん、胸が張り裂けそうだよ。本当は岩ちゃんにだって触られたく無いしーー…怖いのは、なまえを知らない奴に掻っ攫われる事だよ…」となまえの額と頬、鼻筋にリップ音と共に唇を落とした。
「ーー脚、絆創膏も無くなって元の綺麗な肌になってる。良かった」
可愛いな、なんて眠るなまえを眺めては、及川自身も気になっていたなまえの綺麗な脚を、すり…と掌で優しく撫でる。なまえは岩泉の部屋に遊びに来たのでラフな格好であった為、シャツとハーフパンツであった。少しだけハーフパンツの裾を捲って太腿あたりの痣の有無も確認するが、綺麗に治っていた為、透明感溢れる太腿にも、チュッ、と口付ける。
ーー程々にしておかないと我慢出来なくなるかも。しかも此処は岩ちゃんの部屋だしなぁ…バレたらアソコ折られそうだし…(ヒュン)
ヴーッ、ヴーッ、ヴーッーー…
その瞬間、ガラステーブルの上に置いてあったなまえのスマホの着信を知らせる振動が鳴り、及川はスマホに目をやる。
あらら残念、お姫様は俺の隣で寝てるよ、なんて悪戯に思いながらスマホの表示画面に視線を移し着信相手の名前を見た次の瞬間、及川はザワッ…と怒髪天を衝く。
「…にろ…?いや、ふた…く……」
"「コレハコレハ…狂犬ちゃんと相似かな?ーー何?何処の学校も1年生は揃いに揃って生意気なのばっかりってワケ?」
「ーーはっ!?二口あんた先輩になんて失礼な対応とってんのよ…っ!すみませんこの子ったらウチの先輩達にも本当に生意気で…!失礼しました!」"
まだ記憶に新しい昨日の伊達工1年との遣り取りを思い返し、確かマネージャーがあの時一緒に居たクソ生意気な1年生の名前を言っていた、と記憶から無理やり捕まえ引っ張り込んで、捕まえたその名字を口に出しながら顔を思い出しては、なまえのスマホの画面に表示された「二口堅治」の字をギリッ…と睨んだ。
「~~あの…クソガキ…!」
なまえは自分でも今の自身の行動に対して理解出来ないで居た。只、分かる事は3人に対して失礼な対応だった事、これ以上、二口と滑津の関係性を見て居られずあの場に居たくない、と云う事だった。歩きながらも先程のあの2人の情景が再度脳裏を巡れば、なまえはじわり、と涙を滲ませる。ただ何故、自然と涙が滲むのか、こんな風になって仕舞っている理由が本当に分からなかった。きっと、生理前の不安定な心の所為だ、と思い失礼な対応をした事を戻ってきちんと謝らなきゃ、と足を止めるが、如何しても戻れなかった。
「ーーなまえ!」
後ろからはぁっ、とした息遣いと聞き慣れた声がしてなまえはピクッ、と肩を跳ねさせる。振り向かなくても声で誰かなんて直ぐに理解した。態々、追いかけて来てくれたんだ…とのジィン…と心を打つが、やはりどの様な顔をして接すれば良いのか分からないと云う気持ち、この視界がゆらゆらと揺らめく状態では不審がられるだけなので到底、相手の方を振り返れないでいた。兎に角、逸早く涙を乾かさなければ…!との思いでなまえは少しだけ足を早めて時間を稼ぐ為にも気付かない振りをする。でもそんな事、きっと相手…彼には通用しないんだろうなーー…
「…捕まえた」
逃がすかよ、なんて言葉を紡がれて彼の制汗剤の香りと汗の匂いを感じれば、とくん、となまえの心臓が鳴った。身長差がある彼ーー…二口がなまえの肩と胸の辺りに片腕を回して、背後からギュッと強く抱き締めなまえの頭のてっぺんに顔を乗せる。
「…あ"ーっ…走らせやがって…暑…!ーーお前さ、何だよさっきの。青根とは仲良く2人でアイス食いながら喋ってた癖に何で俺と滑津が来た途端に直ぐに離れンだよ。納得いくように説明しろコラ」
「…!?んぅっ…だめ…っ…離してっ…」
「はァ?ヤダ。やっと捕まえたのに」
離して、と言われて流石にムッ、とした二口は更になまえを強く抱き締めては彼女の髪の毛の甘い香りをスゥッ…と吸い込み、乾ききった身体が水を求めてやっと潤えると求める如く華奢な身体を押さえ込んで密着する。彼女の甘い香りと体温を間近で感じて、身体の中の血液が沸騰して全身を駆け巡る様な感覚に少しだけクラクラした。偶然に人通りは少ないし別に今は周りから何て思われようが構わない。何よりもなまえを手放したくない。拒否されたくない。
「やだぁ…っ…ふぁ…触んないで…っ」
「ーー誰に向かって言ってんだよ」
「…堅ちゃん…っ自分の手…見て…!」
手?手ねぇ…あー、そういやめちゃくちゃ気持ちいい…柔らかい…可愛い…ん?柔らかい!?二口は指摘されなまえを抱き締めてる手に意識を向けた瞬間、何となまえの豊満な胸を無意識に鷲掴みしていたのだ。
「ゲッ…!?」
わーいラッキー☆(ダブピ舌ペロ)な自分と、いやいや待て待て拙いだろ…!と焦る自分が居て、二口は真っ赤に頬を染めて湯気をボフン、と吹き出し、無言で両手を上げなまえから身体を離した。
「…っ…」
「あーー…なまえ…ちゃん…?今のは誓ってわざとじゃない…デス…」
「ーーもぅっ…!わかったから着いてこないで…!」
「何なんだよ…今日は一段と可愛くねェな?」
「!?そんな事、言われなくてもわかってる…!滑津さんと比べないでっ!」
「ーー?なんで…そこで滑津が出てくる…っあ!だからお前は言い逃げすんな!」
◇◇◇
「~~うぁぁん…!はじめちゃん、お腹痛いよ…!どうしよう…この間、お友達に酷い事言っちゃったよぉ…ひっく…全部、私が悪いんだよ…ほんとにどうしよう…!」
「(あー…今月は特に重症だな…)よしよしなまえ。いつものピルケース貸してみろ(うわっ、もうこれだけかよ…)まぁアレだな、友人の件は、お前の体調良くなったら謝りゃイイだろ?如何してもの時は俺が一緒に着いてって、なまえと喧嘩出来て幸運じゃねェかって言ってやっからよ」
「はじめちゃん、だいすきっ…!」
「(ピキっ)ーー岩ちゃんが一緒だと逆に相手の子が怖がって逃げちゃって逆効果じゃない?」
夏休みが本格的に始まり、なまえは及川と一緒に岩泉の部屋に居た。そしてなまえは、とうとう女の子の日が始まり腹痛と共に精神的にもグダグダになっており様々な思いを吐き出し泣きながら岩泉に縋り抱き着く。岩泉はなまえが生理なのを直ぐに悟り、まぁ今回は仕方ない、となまえに手を回しとことん甘やかす。なまえが友達と喧嘩なんて珍しい…というか今回が初めてなのでは無いか?俺と及川以外には或る意味、優等生で良い子ぶりっ子ちゃんだから、なんて思いながら、なまえの愛用している痛み止めのピルケースを確認すれば、買ったばかりの薬ももう残り僅かなので「用法用量は守れよ…」と口頭では言いながら相当辛いんだろうな…となまえの背中をぽんぽんと優しく撫でてやるのだ。
「食い物や飲み物、俺が欲しいモンと薬買いに行ってくるから、なまえは此処で待ってろよ。ーーんじゃ行くぞ、及川」
「!?だめっ…!ひとりにしないで…」
「あららー☆って事で俺も此処で待ってるから岩ちゃんヨロシク~♪」
「……及川、分かってると思うが何もすんなよ」
「えーヤダなー?信用無いなんて及川さん悲しいー」
岩泉は、むぎゅっと抱き着くなまえを自身からぺりっ、と離して買い物の支度をし及川に言葉を投げかけるが、なまえが1人で残るのは嫌と首を横に振り今度は及川のお腹にギュッ、と手を回しべったりとくっつく。ウンウン、なまえはいつも可愛いね、と頭を撫でてやり岩泉に「行ってらっしゃい」と手を振っては、ベッドに2人で腰を掛けるのだ。
「なんでお腹痛くなっちゃったの?お腹出して寝てた?アイス食べ過ぎた?」
「…ええっ…違うよ…!でも、内緒…」
「?ーーなまえ、俺に何して欲しい?何でも言ってごらん」
「…わ、嬉しい。貴重な時間!…じゃぁ、お薬飲む…」
「(いやいや何時でもそうだけどサ)ウン、わかったーー飲ませてあげるからお口あけて?はい、あーん」
「…んっ…」
及川は砂糖菓子の如くとことんなまえを甘やかし、そして自分も良い思いをする。そう、彼は侮れないのだ。なまえが望む事をする為に、ピルケースから口腔内崩壊錠を1錠掴む自身の指をなまえの桜桃の様な唇に運んでやれば、ぱくっ、と指が唇に挟まりぷにゅ、とした柔らかい感触を味わった。体調の優れないなまえには申し訳無いと思いながらも背中がゾクリとする程、興奮した。そんななまえの腹痛の理由は分からないしなまえも言わないが、甘やかしてくれるなら今は存分に甘えたい、と云う気持ちだけは十分に伝わってくる。及川にとって、なまえは世界で1番可愛いのだ。
「ありがとう…」
「おいで、なまえ。眠かったら寝ても良いよ」
「うん…」
及川はなまえの頭や頬を優しく撫で、及川の優しさは心地よく気持ちよくウトウト…する程だった。そんななまえの不安定な気持ちに更に追い討ちを掛けるのは昨日の出来事である。二口と喧嘩し(なまえも一方的に自分が悪いという事はきちんと解っている)仲直りせずに離れてそれっきりな為(メッセージも電話も来るがどうして良いのか分からず返す事も出来ずに居る)精神的にも精一杯であり今は処理しきれなかった。
「ーー徹くん」
「うん?」
「……もし、徹くんと仲良しの女の子が…徹くん以外の男の子と仲良くくっついてたら…頬っぺ引っ張ったり髪の毛撫でてたりしたら嫌…?寂しい…?」
「ーーー」
こてん、と及川の腕に寄り掛かり、質問の途中でそのまますやすや…と眠りに入ってしまったなまえを切なげに見る及川は、なまえをゆっくりベッドに寝かせてはわざと組み敷く体勢になった。ギシッ…と2人を支えるベッドが切なく鳴って、及川は「ーー嫌に決まってんじゃん、胸が張り裂けそうだよ。本当は岩ちゃんにだって触られたく無いしーー…怖いのは、なまえを知らない奴に掻っ攫われる事だよ…」となまえの額と頬、鼻筋にリップ音と共に唇を落とした。
「ーー脚、絆創膏も無くなって元の綺麗な肌になってる。良かった」
可愛いな、なんて眠るなまえを眺めては、及川自身も気になっていたなまえの綺麗な脚を、すり…と掌で優しく撫でる。なまえは岩泉の部屋に遊びに来たのでラフな格好であった為、シャツとハーフパンツであった。少しだけハーフパンツの裾を捲って太腿あたりの痣の有無も確認するが、綺麗に治っていた為、透明感溢れる太腿にも、チュッ、と口付ける。
ーー程々にしておかないと我慢出来なくなるかも。しかも此処は岩ちゃんの部屋だしなぁ…バレたらアソコ折られそうだし…(ヒュン)
ヴーッ、ヴーッ、ヴーッーー…
その瞬間、ガラステーブルの上に置いてあったなまえのスマホの着信を知らせる振動が鳴り、及川はスマホに目をやる。
あらら残念、お姫様は俺の隣で寝てるよ、なんて悪戯に思いながらスマホの表示画面に視線を移し着信相手の名前を見た次の瞬間、及川はザワッ…と怒髪天を衝く。
「…にろ…?いや、ふた…く……」
"「コレハコレハ…狂犬ちゃんと相似かな?ーー何?何処の学校も1年生は揃いに揃って生意気なのばっかりってワケ?」
「ーーはっ!?二口あんた先輩になんて失礼な対応とってんのよ…っ!すみませんこの子ったらウチの先輩達にも本当に生意気で…!失礼しました!」"
まだ記憶に新しい昨日の伊達工1年との遣り取りを思い返し、確かマネージャーがあの時一緒に居たクソ生意気な1年生の名前を言っていた、と記憶から無理やり捕まえ引っ張り込んで、捕まえたその名字を口に出しながら顔を思い出しては、なまえのスマホの画面に表示された「二口堅治」の字をギリッ…と睨んだ。
「~~あの…クソガキ…!」