今 宵 の 梟 月 谷
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(#中編)
(#続きます)
(#流血表現⚠︎)
(#キャラ崩壊気味⚠︎)
(#これは夢小説です⚠︎)
「闇路監督、最後に一言失礼します。ある水道場の一角で気になる箇所があり、万が一、その場及び付近で人が転倒等した場合には怪我に繋がる危険性も考えられる為、念の為報告させて頂きます」
「ーー!そうか、みょうじ君は細かい所まで良く見てるね。直ぐに業者に連絡する。ありがとう」
「宜しくお願いします」
「箇所を確認したいんだが、悪いんだけど何処の水道場か案内してくれないか?」
「此方です。薄暗くて見難いから今ライトつけますね。足元気をつけて下さい」
「うわ、こりゃ危ないな。下手したら設備管理や信用問題違反になりかねん。とにかく今からでも必要申請書類準備せんと…では失礼」
梟谷グループ主催の合同合宿は部活としては問題なくスケジュール通り滞りなく進んでおり、外は薄暗くなり始めた頃、晩御飯の食事の準備を既に終えていたなまえは、本日の報告書等を素早く的確に纏めて必要備品補填管理をし監督一人一人に連絡事項を伝え終えれば、彼の一息つける瞬間が今やっと訪れるのだった。
「ーーふぅ」
「……あ」
「?あぁ…白福さんか、お疲れ様。ーーボトル洗うの?俺も手伝うよ」
「……ボトルは量も少ないし貴方にしてもらう事じゃないから。それに私よりやる事多くて忙しいんでしょ?食事は私の合宿での楽しみなんだから手抜きしないでね。貴方に対する唯一の感謝なんだから」
「ふふ、これ終わったら今日の晩飯ゆっくり食ってまた明日に備えてね。デザートにアップルパイ焼いたんだけど、我ながら見た目も味も満足いく物が出来たので良かったら其方もどうぞ。…白福さんが毎回美味そうに食って、お代わりもしてくれてるの実は嬉しいんだよね」
「~~ぅっ…知ってたの…?」
白福を手伝うなまえの綺麗な手の流れを彼女は無意識に惚れ惚れしながらも、ジャー…と水の流れる音、コトン、というボトルを洗う音がこの場を繋ぎ止めていたと云う落ち着きも有り、手元に手繰り寄せては途切らせる事は無かった。
「此処の水道場頻繁に使う?なら先に言っておくんだけど、あの一角の一部箇所、見難いんだけど実は危ないから気をつけてね」
白福はなまえを見るとやはり魅力的に感じては居たのだ。故に心臓の鼓動がドキドキと早くなりながらも然しながら過去の件もあり彼に対し一方的な負の感情も抱いて仕舞っては、言葉に表せない感情に強く支配されるのである。
ふわりと柔らかな表情を作り無意識に周りを魅了する事、反面、何を考えてるのか全く解らないーーそこは過去のあの人ととても似ている。
だけどみょうじくんは少し横顔から流し目で私を見る表情がとても綺麗。
ふわり、と鼻を掠める心地よくて胸が高鳴る彼の香りに縋り甘えたくなる。
そして何よりみょうじくんは周りをよく見て他人を思える人だった。
決して長い時間を共にしていた訳では無いけれど、特に今日は彼と接して彼を見てそれはとても痛い程理解した事でもあった。
脳裏で何度も過ぎった結論があるーーもし私が勝手にみょうじくんに惹かれて勝手に傷つきたくなくて、もし私が勝手に近寄り難いと言い聞かせて勝手にみょうじくんを悪者にして、もし私が自分を守りたいが為に勝手に防衛線を張っていただけだとしたらーーという導きは、今更そして当たり前だけれど余りにも失礼且つ酷い事を発したりしていて、実は無理矢理に自分を正当化させて、自分の事しか考えて居なかったと云う愚かで浅はかな行動なのでは無いのだろうか。
「あのっ…みょうじく…」
「なまえ~ヘイヘイヘーイ!探したぞー!じゃーん♪潔子ちゃんも一緒だよん。腹減ったから早くメシ行こうぜ…ってアレ?雪っぺ…?」
「…!?なまえ、こっち!」
「ヒョッ!?潔子ちゃん大胆…!なんか潔子ちゃんってなまえに対してはキャラ違うのは気の所為か?」
「よすよす、今日の潔ちゃんは甘えん坊さんなんです。あ、丁度良いや。光太郎、晩御飯の前にボトル片付け付き合ってくれません?どうせ今から通る道だし次いでの軽い筋トレ的な」
此の儘、自分が何事も行動を示さなければなまえや清水、雀田や赤葦との関係性が大きく揺らぐと強く危機感を覚えた白福は、とにかくなまえを行かせてはならない、と思い脚と身体を急に動かしたその瞬間、先程のボトル洗いで床に零れた水(しかも無意識に力を込め洗った自身の所為でもある)に脚を滑らせ思い切り姿勢を崩す。
「!?きゃあっーー!!」
全身が危険を察知しスローモーションで時を刻んで行く感覚に陥る。
然も白福が姿勢を崩し倒れそうになった場所は運悪くなまえが闇路や白福に先程伝えた一角であり、彼女にとっては薄暗くなった視界ではその場の箇所に近付く距離まで接近し其処でやっと気付くと、受け身も取れず自身の目を思い切り瞑るしか出来ずに居ては、次に襲われる痛みを黙って受け入れるしか無かった。
先程、彼から注意されたばかりなのにーー
「……?」
「…っ、まっ…チョッ…大丈夫か!?」
「…ヒッ…やだっ…どうしよ…誰か…ッ先生…!」
ーー筈なのだが、白福自身倒れた衝撃はあったのだが想像する強い痛みはやって来ず、変わりに清水の泣く声と木兎の慌てふためく声が頭上から聞こえたのだ。
「…え…っ…?」
白福が倒れた隣にはなまえも共に倒れて居り(白福を箇所から庇う為、なまえ自身の方に引き寄せ且つなまえの右腕で白福の頭の衝撃を和らげる為に、最終的にはなまえの右腕が白福の頭を抱える様にあった)故に、庇い引き寄せ助ける際になまえ自身の右腕を箇所の一角(特に危険だった釘の頭部分が出っ張る部分)右腕の肉を抉って仕舞った様で、腕からは血がダラダラ…と流れ溢れて居た。
「…血…血が…なまえ…誰か…あかーし…木葉…誰か…(目眩)」
「……ぁ…ぅ…なまえ…どうしたら…!」
「…ッ、実は見た目より意外と傷が浅いから平気。とにかく騒がず絶対に誰にも言わないで」
「いやいやいや無理矢理無理矢理…!」
「言わなくてはならない人が要るのなら俺が自身で判断して必ず伝えるから!ーー頼む、特に梟谷側…闇路監督に決して迷惑掛けたくない」
「「「!?」」」
「光太郎、俺の鞄取って。潔ちゃんと白福さんは悪いんだけど予定変更してボトル片付けて先に食事行ってくれる?気分悪いと思うけど食ってとにかく体力つけて」
「~~ッ、…あう、わ、か…私…ボトル先に片付けてくる…!白福さんも、は、早く…」
「や…やだ…みょうじくん…ごめんなさ…どうしよ…私のせいで…!」
もうなまえの言う通りに行動するしか無いのだろうか?となまえ以外の3人は頭が混乱して正直どうしたら良いのか解らず何も出来ない未熟な自分に悔しくて泣けてきた。
「言葉は要らないから黙ってさっさと行け。部員が無断で姿が見えない場合、必ず周りが不審に思う。…光太郎は2分で済ますからもう少し付き合って。…疲れてる且つ食事の前に血を見る事になって申し訳無いんだけど、俺も極力、見せないようにするから」
「イヤイヤ、大丈夫!なまえは自分の心配してよ!まず俺はどうしたら良い…?」
「(このくらいなら縫合は必要無いだろうけど問題は手元に市販薬しかねぇからな…この施設から一番近い病院は…よし、山内さん(信頼してる医師)のトコ今から行こう)とりあえず応急処置して外出してくる。先ずはーー」
「えっ…自分で自分を応急処置するのか…!?しかも外出って…」
「うん。ん?俺、左利きなの知ってるよね?因みに俺は部員じゃないので夜は自由なんです。…みょうじの関連施設に物取ってくるだけだからすぐ戻るよ」
「(いや…そういう問題じゃなくて…)」
▷▶▷
「…あの…潔子ちゃん…」
「…ッ、ひ…っく…、なまえは…自分が望まない件で怪我や汚れ汗や日焼けでダメージ受けたくない筈なんじゃ無かったっけ……っ…?」
「!」
「…なまえはっ…断れなくて嫌々と参加してるんじゃなかったんだっけ!?…そんな人が闇路監督に迷惑掛けたくない、なんて言えるの…!?」
「ご、さ…ごめんなさいっ…私…っ間…違…」
清水と白福は互いに涙を溢れさせながらボトルを片付け終え食堂に到着した頃には、もう既に他の生徒達は風呂や自由時間を過ごしている時間の為、木兎と武田しか食堂には居らず(彼女らが来る間に自身らが遅れた理由を武田になまえが望む様に上手く説明をした様子)4人で少し遅めの晩食を取る事となり(武田以外の3人は食欲はあまり無かったのだが)無理矢理でも口に含む様に食べる。
本来であれば、無理矢理口に含むなんて無縁である食材、生命、そして何よりこんなに美味しい食事を作ってくれた人に感謝をして頂かなければ成らない筈であるのにーー
「うん、やっぱり美味しいなぁ…!みょうじ君は僕より料理上手なんですよ。彼は謙遜してますけど本当に美味しくて僕もついつい食べ過ぎちゃいます。今日は孤爪君の為にみょうじ君特製アップルパイを作ったみたいです。皆さんも食べませんか?」
残して隠して取っておくの大変だったんですよ、と武田が言葉を繋げながら食事を終えた3人にアップルパイを渡し、お茶をいれてきますから、と席を離れれば、3人はサクリ、と1口パイを食べた瞬間、ほぼ同時に涙がポロポロポロ…ッと溢れて頬を伝えば、個々が想い抱いた感情と、共通である「なまえに会いたい」と云う感情と共に、皿の上の綺麗なアップルパイに沈んでは染み込んで行くのだった。
(#続きます)
(#流血表現⚠︎)
(#キャラ崩壊気味⚠︎)
(#これは夢小説です⚠︎)
「闇路監督、最後に一言失礼します。ある水道場の一角で気になる箇所があり、万が一、その場及び付近で人が転倒等した場合には怪我に繋がる危険性も考えられる為、念の為報告させて頂きます」
「ーー!そうか、みょうじ君は細かい所まで良く見てるね。直ぐに業者に連絡する。ありがとう」
「宜しくお願いします」
「箇所を確認したいんだが、悪いんだけど何処の水道場か案内してくれないか?」
「此方です。薄暗くて見難いから今ライトつけますね。足元気をつけて下さい」
「うわ、こりゃ危ないな。下手したら設備管理や信用問題違反になりかねん。とにかく今からでも必要申請書類準備せんと…では失礼」
梟谷グループ主催の合同合宿は部活としては問題なくスケジュール通り滞りなく進んでおり、外は薄暗くなり始めた頃、晩御飯の食事の準備を既に終えていたなまえは、本日の報告書等を素早く的確に纏めて必要備品補填管理をし監督一人一人に連絡事項を伝え終えれば、彼の一息つける瞬間が今やっと訪れるのだった。
「ーーふぅ」
「……あ」
「?あぁ…白福さんか、お疲れ様。ーーボトル洗うの?俺も手伝うよ」
「……ボトルは量も少ないし貴方にしてもらう事じゃないから。それに私よりやる事多くて忙しいんでしょ?食事は私の合宿での楽しみなんだから手抜きしないでね。貴方に対する唯一の感謝なんだから」
「ふふ、これ終わったら今日の晩飯ゆっくり食ってまた明日に備えてね。デザートにアップルパイ焼いたんだけど、我ながら見た目も味も満足いく物が出来たので良かったら其方もどうぞ。…白福さんが毎回美味そうに食って、お代わりもしてくれてるの実は嬉しいんだよね」
「~~ぅっ…知ってたの…?」
白福を手伝うなまえの綺麗な手の流れを彼女は無意識に惚れ惚れしながらも、ジャー…と水の流れる音、コトン、というボトルを洗う音がこの場を繋ぎ止めていたと云う落ち着きも有り、手元に手繰り寄せては途切らせる事は無かった。
「此処の水道場頻繁に使う?なら先に言っておくんだけど、あの一角の一部箇所、見難いんだけど実は危ないから気をつけてね」
白福はなまえを見るとやはり魅力的に感じては居たのだ。故に心臓の鼓動がドキドキと早くなりながらも然しながら過去の件もあり彼に対し一方的な負の感情も抱いて仕舞っては、言葉に表せない感情に強く支配されるのである。
ふわりと柔らかな表情を作り無意識に周りを魅了する事、反面、何を考えてるのか全く解らないーーそこは過去のあの人ととても似ている。
だけどみょうじくんは少し横顔から流し目で私を見る表情がとても綺麗。
ふわり、と鼻を掠める心地よくて胸が高鳴る彼の香りに縋り甘えたくなる。
そして何よりみょうじくんは周りをよく見て他人を思える人だった。
決して長い時間を共にしていた訳では無いけれど、特に今日は彼と接して彼を見てそれはとても痛い程理解した事でもあった。
脳裏で何度も過ぎった結論があるーーもし私が勝手にみょうじくんに惹かれて勝手に傷つきたくなくて、もし私が勝手に近寄り難いと言い聞かせて勝手にみょうじくんを悪者にして、もし私が自分を守りたいが為に勝手に防衛線を張っていただけだとしたらーーという導きは、今更そして当たり前だけれど余りにも失礼且つ酷い事を発したりしていて、実は無理矢理に自分を正当化させて、自分の事しか考えて居なかったと云う愚かで浅はかな行動なのでは無いのだろうか。
「あのっ…みょうじく…」
「なまえ~ヘイヘイヘーイ!探したぞー!じゃーん♪潔子ちゃんも一緒だよん。腹減ったから早くメシ行こうぜ…ってアレ?雪っぺ…?」
「…!?なまえ、こっち!」
「ヒョッ!?潔子ちゃん大胆…!なんか潔子ちゃんってなまえに対してはキャラ違うのは気の所為か?」
「よすよす、今日の潔ちゃんは甘えん坊さんなんです。あ、丁度良いや。光太郎、晩御飯の前にボトル片付け付き合ってくれません?どうせ今から通る道だし次いでの軽い筋トレ的な」
此の儘、自分が何事も行動を示さなければなまえや清水、雀田や赤葦との関係性が大きく揺らぐと強く危機感を覚えた白福は、とにかくなまえを行かせてはならない、と思い脚と身体を急に動かしたその瞬間、先程のボトル洗いで床に零れた水(しかも無意識に力を込め洗った自身の所為でもある)に脚を滑らせ思い切り姿勢を崩す。
「!?きゃあっーー!!」
全身が危険を察知しスローモーションで時を刻んで行く感覚に陥る。
然も白福が姿勢を崩し倒れそうになった場所は運悪くなまえが闇路や白福に先程伝えた一角であり、彼女にとっては薄暗くなった視界ではその場の箇所に近付く距離まで接近し其処でやっと気付くと、受け身も取れず自身の目を思い切り瞑るしか出来ずに居ては、次に襲われる痛みを黙って受け入れるしか無かった。
先程、彼から注意されたばかりなのにーー
「……?」
「…っ、まっ…チョッ…大丈夫か!?」
「…ヒッ…やだっ…どうしよ…誰か…ッ先生…!」
ーー筈なのだが、白福自身倒れた衝撃はあったのだが想像する強い痛みはやって来ず、変わりに清水の泣く声と木兎の慌てふためく声が頭上から聞こえたのだ。
「…え…っ…?」
白福が倒れた隣にはなまえも共に倒れて居り(白福を箇所から庇う為、なまえ自身の方に引き寄せ且つなまえの右腕で白福の頭の衝撃を和らげる為に、最終的にはなまえの右腕が白福の頭を抱える様にあった)故に、庇い引き寄せ助ける際になまえ自身の右腕を箇所の一角(特に危険だった釘の頭部分が出っ張る部分)右腕の肉を抉って仕舞った様で、腕からは血がダラダラ…と流れ溢れて居た。
「…血…血が…なまえ…誰か…あかーし…木葉…誰か…(目眩)」
「……ぁ…ぅ…なまえ…どうしたら…!」
「…ッ、実は見た目より意外と傷が浅いから平気。とにかく騒がず絶対に誰にも言わないで」
「いやいやいや無理矢理無理矢理…!」
「言わなくてはならない人が要るのなら俺が自身で判断して必ず伝えるから!ーー頼む、特に梟谷側…闇路監督に決して迷惑掛けたくない」
「「「!?」」」
「光太郎、俺の鞄取って。潔ちゃんと白福さんは悪いんだけど予定変更してボトル片付けて先に食事行ってくれる?気分悪いと思うけど食ってとにかく体力つけて」
「~~ッ、…あう、わ、か…私…ボトル先に片付けてくる…!白福さんも、は、早く…」
「や…やだ…みょうじくん…ごめんなさ…どうしよ…私のせいで…!」
もうなまえの言う通りに行動するしか無いのだろうか?となまえ以外の3人は頭が混乱して正直どうしたら良いのか解らず何も出来ない未熟な自分に悔しくて泣けてきた。
「言葉は要らないから黙ってさっさと行け。部員が無断で姿が見えない場合、必ず周りが不審に思う。…光太郎は2分で済ますからもう少し付き合って。…疲れてる且つ食事の前に血を見る事になって申し訳無いんだけど、俺も極力、見せないようにするから」
「イヤイヤ、大丈夫!なまえは自分の心配してよ!まず俺はどうしたら良い…?」
「(このくらいなら縫合は必要無いだろうけど問題は手元に市販薬しかねぇからな…この施設から一番近い病院は…よし、山内さん(信頼してる医師)のトコ今から行こう)とりあえず応急処置して外出してくる。先ずはーー」
「えっ…自分で自分を応急処置するのか…!?しかも外出って…」
「うん。ん?俺、左利きなの知ってるよね?因みに俺は部員じゃないので夜は自由なんです。…みょうじの関連施設に物取ってくるだけだからすぐ戻るよ」
「(いや…そういう問題じゃなくて…)」
▷▶▷
「…あの…潔子ちゃん…」
「…ッ、ひ…っく…、なまえは…自分が望まない件で怪我や汚れ汗や日焼けでダメージ受けたくない筈なんじゃ無かったっけ……っ…?」
「!」
「…なまえはっ…断れなくて嫌々と参加してるんじゃなかったんだっけ!?…そんな人が闇路監督に迷惑掛けたくない、なんて言えるの…!?」
「ご、さ…ごめんなさいっ…私…っ間…違…」
清水と白福は互いに涙を溢れさせながらボトルを片付け終え食堂に到着した頃には、もう既に他の生徒達は風呂や自由時間を過ごしている時間の為、木兎と武田しか食堂には居らず(彼女らが来る間に自身らが遅れた理由を武田になまえが望む様に上手く説明をした様子)4人で少し遅めの晩食を取る事となり(武田以外の3人は食欲はあまり無かったのだが)無理矢理でも口に含む様に食べる。
本来であれば、無理矢理口に含むなんて無縁である食材、生命、そして何よりこんなに美味しい食事を作ってくれた人に感謝をして頂かなければ成らない筈であるのにーー
「うん、やっぱり美味しいなぁ…!みょうじ君は僕より料理上手なんですよ。彼は謙遜してますけど本当に美味しくて僕もついつい食べ過ぎちゃいます。今日は孤爪君の為にみょうじ君特製アップルパイを作ったみたいです。皆さんも食べませんか?」
残して隠して取っておくの大変だったんですよ、と武田が言葉を繋げながら食事を終えた3人にアップルパイを渡し、お茶をいれてきますから、と席を離れれば、3人はサクリ、と1口パイを食べた瞬間、ほぼ同時に涙がポロポロポロ…ッと溢れて頬を伝えば、個々が想い抱いた感情と、共通である「なまえに会いたい」と云う感情と共に、皿の上の綺麗なアップルパイに沈んでは染み込んで行くのだった。