涸 沢 之 蛇 / 白( 鳥 )刃 踏 む
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(#鷲匠御夫妻)
(#強化合宿の御誘い)
”2人きりで会いたいな…””数人で集まって一緒に飯でもどう?”なんて御誘いの連絡が数件入れば、本日の夕方からとある御夫妻との大切な食事の予定なる先約がある為、御誘いされた相手方に一つ一つ丁寧に感謝と断りを入れた。
その内1人は可愛いオンナノコ達に負けないくらい(何故か)会う回数も多く(その上)ヤキモチ妬きである雄が混じって居るのだが、コレまた奴の厄介な所は簡潔明瞭に言わないと納得せずな箇所である。
正直、子奴は物分りの良いオンナノコ達を見習って欲しい。本日の理由も理由なので素直に先約の相手方の名前を言えば(本人曰く打倒白鳥沢(牛島))なので更に不貞腐れそうで面倒…大変なので、どう誤魔化すかと考える。
うーん、まぁ仕事関係先の御夫婦での食事で良いか、あながち間違ってないし、なんて考え付いた其んな中、ヴヴッ、とスマホの電話通知が鳴り画面表示も確認する事無く呆けた声で返事をして通話に出れば次の瞬間、相手方の貫禄のある声が己の名を呼ぶのですぐ様背筋がピィン、と一瞬で伸びた。変わらず素晴らしい鬼迫だった。
ーーー
ーー
ー
「照乃さんの美しさには敵いませんが、俺の気持ちです。本日もお世話になります」
「まぁ…!とっても素敵な花束!ふふっ、嬉しいわ…ウットリしちゃうわね。なまえ君ありがとう!さあ、此方にお上がりくださいな」
お邪魔します、と部屋に案内されれば既に食卓テーブルには鷲匠が座っており、ジロリと目を向けられ静かに一言放たれると、なまえは再度挨拶し彼宛ての土産を手渡した。
なまえと鷲匠との関係の発端は、なまえの祖父を通じてである。主な交流としてはなまえは勿論、強豪校の監督である鷲匠も双方多忙であり取れる時間を作り会うとなればやはり一緒に食事をする、と云う流れが多かった。
なまえの祖父を交え4人で食事する事もあるが大半はこうしてなまえが鷲匠の自宅に招かれ食事する事が圧倒的である。なまえはなまえで何時も招かれてばかりなので御夫妻を自身のマンションに招きたいのだが、鷲匠曰く「あのマンションは落ち着かない」と云う理由で未だにたったの一度切りだ。
同じ監督でも御覧の通り音駒の猫又と白鳥沢の鷲匠はタイプが違う。ついついゴロにゃん、と甘えてしまう猫又とは違い、鷲匠に対しては良い感じであるピリリとしたスパイス感が常に存在する。(因みに烏野の元監督に至っては、プラスで口直し用ハッカ飴がオマケに着く感じ)
要するに気を抜けば直ぐにでもケツをひっぱたかれるワケである。
「ーーおめぇにしちゃあ随分と烏野の10番に対して御熱じゃねぇの。どんな風の吹き回しだ?」
和気藹々とした食事を始めて暫くし、カチャ、とスープを掬い飲み終えたスプーンを置いた鷲匠から(おそらく)本題を切り込まれてなまえのパンを千切る手もピタリ、と止まる。
鷲匠となまえの無言なる牽制に近い様なアイコンタクトが数秒続いた後に、なまえのふわりとした雰囲気で先に口を開けば「ーーふふっ、俺も鍛治さんと同じ考えですよ。太陽と頂で射し込む光の狭間で飛びたい彼は高さに飢えて綺麗で且つ酸素や餌を求め利口に貪欲である」と負けずに鷲匠の核心に切り込めば、なまえの返しに鷲匠の目は大きく開き次にフッと静かに笑った。
「12月に選抜強化合宿をやるつもりでいるからなまえも手空いてる日作って手伝いに来い。めんどくせぇ手続きやら許可やらなら俺が直接、みょうじ側に掛け合ってやるよ。…まさかとは思うがおめェ、みょうじに頼んで東京(ユース強化合宿)行きてェとか言わねぇよな?」
「言わねぇよ。幾らみょうじがスポンサーだろうが俺の管轄外だし、それ以前に俺から爺に頼み事なんて真っ平御免です(んべ)」
「ーーほう、随分と強気じゃねぇか。前より幾分か頭も成長したか?」
「イイコしながら俺が外堀埋めていってるの知ってる?此方もタダで上手く立ち回り世の中渡る忠実なるみょうじの犬やってるわけじゃないのよ。常に何時でも動ける様に知識も技量も手腕も何事も準備しておかないとね」
「ハハハ!まぁ、なまえくれぇ根性ねェとみょうじは務まねェよな!」
照乃は二人の会話を微笑みながらも静かに食後のデザートの準備に取り掛かる為に席を外し、ふわり、と挽きたての豆の良い香りを漂わせては食後の珈琲を淹れ、先ずはなまえの前にコトン、と置いた。
▷▶▷
「…さっきの話だけど良いよ。外部の人間は簡単に入れないであろう白鳥沢に対する手続き等も(鷲匠に対して)周囲の忖度が働いて滞り無く終えるだろうし。其れに、俺が育史さんや一繋さんのとこばっかり行ってたら鍛治さんも拗ねちゃうもんね?…んむ!この羊羹絶品…!」
本題の件は互いに了承、美味しくデザートを頂きながら鷲匠より合宿の件について全て詳しく説明を受けてはなまえは全てを理解し、又、なまえの日程等を照らし合わせては今後の打ち合わせ、予定を組み終える。
「ーーやっと堅苦しい話終わってこの時間が来たよ。照乃さん、ごめんね。お待たせしました」
「ふふふ。主人も私もなまえくんが遊びに来てくれるとついつい燥いじゃってねぇ…」
「白鳥沢の方々が見たら引っ繰り返るかもよ?」
「……」
「そうだわ!なまえくん、もし明日に差し支え無ければ今日泊まって行かない?前になまえくんが使った御泊まりセット全部準備してあるのよ!」
「そう?お言葉に甘えちゃおっかな~。鍛治さん俺と一緒に寝る?」
「なまえ、おめェ合宿ん時とことんこき使ってやるからな?忘れてるかも知れねぇが俺は猫又みたいに甘くねぇぞ?まぁ、一宿一飯の恩義で許してやるよ。こりゃ破格モンだな」
「(ヒュン)」
(#強化合宿の御誘い)
”2人きりで会いたいな…””数人で集まって一緒に飯でもどう?”なんて御誘いの連絡が数件入れば、本日の夕方からとある御夫妻との大切な食事の予定なる先約がある為、御誘いされた相手方に一つ一つ丁寧に感謝と断りを入れた。
その内1人は可愛いオンナノコ達に負けないくらい(何故か)会う回数も多く(その上)ヤキモチ妬きである雄が混じって居るのだが、コレまた奴の厄介な所は簡潔明瞭に言わないと納得せずな箇所である。
正直、子奴は物分りの良いオンナノコ達を見習って欲しい。本日の理由も理由なので素直に先約の相手方の名前を言えば(本人曰く打倒白鳥沢(牛島))なので更に不貞腐れそうで面倒…大変なので、どう誤魔化すかと考える。
うーん、まぁ仕事関係先の御夫婦での食事で良いか、あながち間違ってないし、なんて考え付いた其んな中、ヴヴッ、とスマホの電話通知が鳴り画面表示も確認する事無く呆けた声で返事をして通話に出れば次の瞬間、相手方の貫禄のある声が己の名を呼ぶのですぐ様背筋がピィン、と一瞬で伸びた。変わらず素晴らしい鬼迫だった。
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「照乃さんの美しさには敵いませんが、俺の気持ちです。本日もお世話になります」
「まぁ…!とっても素敵な花束!ふふっ、嬉しいわ…ウットリしちゃうわね。なまえ君ありがとう!さあ、此方にお上がりくださいな」
お邪魔します、と部屋に案内されれば既に食卓テーブルには鷲匠が座っており、ジロリと目を向けられ静かに一言放たれると、なまえは再度挨拶し彼宛ての土産を手渡した。
なまえと鷲匠との関係の発端は、なまえの祖父を通じてである。主な交流としてはなまえは勿論、強豪校の監督である鷲匠も双方多忙であり取れる時間を作り会うとなればやはり一緒に食事をする、と云う流れが多かった。
なまえの祖父を交え4人で食事する事もあるが大半はこうしてなまえが鷲匠の自宅に招かれ食事する事が圧倒的である。なまえはなまえで何時も招かれてばかりなので御夫妻を自身のマンションに招きたいのだが、鷲匠曰く「あのマンションは落ち着かない」と云う理由で未だにたったの一度切りだ。
同じ監督でも御覧の通り音駒の猫又と白鳥沢の鷲匠はタイプが違う。ついついゴロにゃん、と甘えてしまう猫又とは違い、鷲匠に対しては良い感じであるピリリとしたスパイス感が常に存在する。(因みに烏野の元監督に至っては、プラスで口直し用ハッカ飴がオマケに着く感じ)
要するに気を抜けば直ぐにでもケツをひっぱたかれるワケである。
「ーーおめぇにしちゃあ随分と烏野の10番に対して御熱じゃねぇの。どんな風の吹き回しだ?」
和気藹々とした食事を始めて暫くし、カチャ、とスープを掬い飲み終えたスプーンを置いた鷲匠から(おそらく)本題を切り込まれてなまえのパンを千切る手もピタリ、と止まる。
鷲匠となまえの無言なる牽制に近い様なアイコンタクトが数秒続いた後に、なまえのふわりとした雰囲気で先に口を開けば「ーーふふっ、俺も鍛治さんと同じ考えですよ。太陽と頂で射し込む光の狭間で飛びたい彼は高さに飢えて綺麗で且つ酸素や餌を求め利口に貪欲である」と負けずに鷲匠の核心に切り込めば、なまえの返しに鷲匠の目は大きく開き次にフッと静かに笑った。
「12月に選抜強化合宿をやるつもりでいるからなまえも手空いてる日作って手伝いに来い。めんどくせぇ手続きやら許可やらなら俺が直接、みょうじ側に掛け合ってやるよ。…まさかとは思うがおめェ、みょうじに頼んで東京(ユース強化合宿)行きてェとか言わねぇよな?」
「言わねぇよ。幾らみょうじがスポンサーだろうが俺の管轄外だし、それ以前に俺から爺に頼み事なんて真っ平御免です(んべ)」
「ーーほう、随分と強気じゃねぇか。前より幾分か頭も成長したか?」
「イイコしながら俺が外堀埋めていってるの知ってる?此方もタダで上手く立ち回り世の中渡る忠実なるみょうじの犬やってるわけじゃないのよ。常に何時でも動ける様に知識も技量も手腕も何事も準備しておかないとね」
「ハハハ!まぁ、なまえくれぇ根性ねェとみょうじは務まねェよな!」
照乃は二人の会話を微笑みながらも静かに食後のデザートの準備に取り掛かる為に席を外し、ふわり、と挽きたての豆の良い香りを漂わせては食後の珈琲を淹れ、先ずはなまえの前にコトン、と置いた。
▷▶▷
「…さっきの話だけど良いよ。外部の人間は簡単に入れないであろう白鳥沢に対する手続き等も(鷲匠に対して)周囲の忖度が働いて滞り無く終えるだろうし。其れに、俺が育史さんや一繋さんのとこばっかり行ってたら鍛治さんも拗ねちゃうもんね?…んむ!この羊羹絶品…!」
本題の件は互いに了承、美味しくデザートを頂きながら鷲匠より合宿の件について全て詳しく説明を受けてはなまえは全てを理解し、又、なまえの日程等を照らし合わせては今後の打ち合わせ、予定を組み終える。
「ーーやっと堅苦しい話終わってこの時間が来たよ。照乃さん、ごめんね。お待たせしました」
「ふふふ。主人も私もなまえくんが遊びに来てくれるとついつい燥いじゃってねぇ…」
「白鳥沢の方々が見たら引っ繰り返るかもよ?」
「……」
「そうだわ!なまえくん、もし明日に差し支え無ければ今日泊まって行かない?前になまえくんが使った御泊まりセット全部準備してあるのよ!」
「そう?お言葉に甘えちゃおっかな~。鍛治さん俺と一緒に寝る?」
「なまえ、おめェ合宿ん時とことんこき使ってやるからな?忘れてるかも知れねぇが俺は猫又みたいに甘くねぇぞ?まぁ、一宿一飯の恩義で許してやるよ。こりゃ破格モンだな」
「(ヒュン)」