（#条善寺戦開始前のある待機時間）
（#捏造⚠︎）
（#三咲さんの気持ち）



｢ごめんね？彼女の電話番号は俺が全部食べちゃったからもう無いの。諦めて｣
｢はァ！？何で医療サポートスタッフのお兄さんが烏野の美人眼鏡ちゃんと親しいワケ！とりあえず今の待機時間を有効に使ってんだから邪魔しないでよ｣
｢…だからこそ試合の為に効用を齎す事、即ち今すぐやるべき事は他におありなのでは？且つ、もう暫くお待ちくださいである待機時間内の次いでにノリで口説けると思った？此方におわす御方を何方と心得る｣
｢ーー！？｣
｢質実剛健、洗練された横幕を背負ってるなら照島クンも先輩方に恥じない様な立ち振舞いをお願いします。…此処からは俺の諸事情ですが御宅に如何しても泣かせたくない御方が居ましてね｣
｢ーーッ、わかりました！オニーサンの仰る通りです！眼鏡ちゃんもごめんね。…でもさァ、そんなムキになる事ねぇじゃん？アンタ絶対女の子にモテるんだから…あっ！ウチに知り合い居｢腹空かせたカラス共が鋭く磨き上げた嘴を構えて条善寺の喉元狙ってるぞ？｣ （ヒュン）御 意 ！ ｣
最後のなまえの独特なる雰囲気の笑顔と共に照島の喉元にトントン、と指を優しく当てれば、照島は顔色を変え光の速さで体育館に向かって準備に行くと、先程、照島に電話番号を聞かれていた（今回二度目）清水はホッと心を撫で下ろしてはなまえの腕をキュッ…と優しく掴み静かに御礼を言う。

｢…姫様、体育館へ参りましょうか。エスコートしますよ｣
｢忙しいのに良いの…？最近、ああいう人多くて困ってて正直、助かる…！｣
｢今はまだ仕事落ち着いてるし俺も体育館行くし潔ちゃんは綺麗だし男は狼ですし？番犬が居れば心強いでしょ？わんわん｣
｢ふふっ、じゃあしっかり綱引いとかないと！えいっ｣
傍から見れば絵になるお似合いカップル。
清水はなまえの腕を離さず掴んだまま、少し照れながらも嬉しそうに体育館になまえと向かって行った。

ーーー
ーー
ー

｢三咲さんっ！｣
｢！？ーーッ、照島くん！もうっ…探しに行ってたんだから！幾ら待機時間とは云え時間は貴重だから先ずは試合の為にミーティングしないと…っ…｣
｢サーセン！…てへ、実はさっき烏野マネちゃんにナンパしてたらＷパンチで（ナンパとやるべき事をしろ案件）医療サポートスタッフの若いオニーサンからもビシッと叱られて、而も腹立つくらい正論！かの俺はぐぅのねも出ませんでした、ハイ｣
｢……なまえ……っ、あのスタッフさんは、みょうじくんって名前よ…｣
｢あ、そうなの？でね、そのみょうじさんと烏野マネちゃん仲良しで俺はもう入る隙が無くてお手上げ状態！で、その人どうやらウチに知り合い居るらしいんだけど三咲さん知ってる？｣
｢えっ…｢あーいたいた！２人ともミーティングだぞ！急げ急げ～｣
言われなくたって胸がズキリ、と痛い程、彼の事は良く知ってる。然して照島くんが言う知り合いと云うのは私の事だと思う。
照島くんが私に説明して居た事柄だって、ミーティングの為に照島くんを呼びに探している時に偶々、少し離れた場所からこの目で一連の流れ、彼氏らの遣り取りを確りと聞いて見てしまって居たのだから。
なまえが照島くんに言っていた事は何一つ間違えてなんか無く何よりも烏野と条善寺の中立を確実に守っている。
但、私が彼女の表情を見た時に、私がなまえに護られている彼女を見た時に、私が軽々しくなまえに触れる彼女を見た時に、なまえが私を泣かせたくない、と言っていた時に、ーーなまえが彼女の事を綺麗だ、と投げかけた時に、自分の中から湧き上がる様々な混濁する感情に襲われて物凄く強く辛いのだ。
でも確実に言える鮮明な感情があると云うなら身勝手だけど残念ながら｢なまえに触れないで｣という事だった。
もし、あの場で照島くんを押し退けて私が割り込んで、なまえと彼女を引き剥がしながらなまえに抱き着いたら、なまえは一体どういう反応してくれるの？
そんな情けなく見苦しい自身を考える自分自身がとても嫌で哀しい。
ーーもう、自分の気持ちに嘘はつけなくて正直、身体も心も限界なのかも知れない。
でも自身の防波堤は確実に強固し維持しなければならない。
溢れる感情の波でなまえを襲う事をし、私達の関係を壊しては絶対にならないのだから。

｢ーーッ！いけないっ！！｣
三咲は、パァン、と自身の両頬を挟む様に叩き自身に喝を入れた瞬間、皆の肩が思い切り跳ね上がり瞬時に心配の声の嵐になる。
確りしろ、三咲華！
私は何て馬鹿な事言ってるんだ。私は今何しに此処に居るんだ。必死にマネージャーを行ってきた３年間そして皆の大切なバレーボールを天秤に掛ければ答えは出る筈。
今は兎に角、何にも変えられない大切な時間であるのだから、あの男の事は心の隅に放り投げて置こう。
完璧に八つ当たりだけどなまえのお尻でも軽くパチンと叩けば、少しはスッキリするのかな？