烏 合 の 衆 / 会 心 の 一 撃
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(#ツッキーとスイーツクッキング)
(#弱腐表現⚠︎︎(見る人に拠る))
(#感謝を込めて)
いただきます、をして食べ終える迄の時間は幸せを噛み締めつつ自身の手に掛かれば(ショートケーキであれば)僅か数分で名残惜しみながら終わって仕舞うのに、自身の手でイチから作るとなるとこんなにも手間は勿論の事、時間も気力も使うなんて余り考えて居なかったんだと痛い程身に染みた。何より腕が疲れた。
スイーツ作りのみならず普段の食事だって、何なら纏めて言ってしまえばその他家事だってきっとそうなんだろう。未だ親の扶養内で居る自身なんかは毎食お膳立てされた食事を当たり前の様に食べて、黙っていても常に綺麗な服に自然に腕を通す。時には食事をイラナイ、なんて反抗したりしては綺麗に掃除してくれてる風呂場の湯船を思い切りパシャンと叩きつけて壁やら天井やらに一面に飛沫を撒き散らしたり…あーあ、今凄く自分らしくない、的な事を目の前の完成を目指す過程である生クリームを掻き混ぜ眺めながら思考していた。
ーーきっと何もかも、この人の所為だ。
「蛍、此処で手抜いたら味落ちるぞ。スポンジ上手に出来たんだから最後まで集中しろ」
「あ、ハイ」
「生クリームは使用部位によって泡立て具合を変えるからな」
「…ボクはケーキが食べるのが好きなんデス。然も今まで作った事も無いボクが何で自身を通り越して家族の分まで作ってるんでしょうか?ハードル高いし家族からは明日は槍が降るとか言われそうなんですけど…」
「ふふっ、今日は兄ちゃんも居るんだろ?御家族に普段の感謝を伝える良い機会ですよ」
「そんな柄にも無い…」
「あ、生クリームのツノは蛍チャンの髪型くらいが目安な」
「チョットなんですかそれ」
現在、月島家で男2人で苺のケーキを作っている…うわっ、文字にすると何だか違和感がある…?
今目の前で月島に丁寧に教えているなまえは(見た目と違って)スイーツ作りも料理も上手で、例えばなまえの食事を頂く機会と云えば部活合宿の際等に振舞われるので、もれなく胃袋をガッチリ掴まれる人物が続出する。
其れは月島も然りで、つい最近、自身が今か今かと待ち侘びていたと言える事柄、山口と共になまえの自宅へ招かれ念願であったなまえ御手製デコレーションケーキを(いつも騒がしい例の奴らに邪魔される事無く)ゆっくり堪能できる機会が実現されたのだ。
好物且つあまりの美味しさでつい至福に浸っている最中に、なまえから今回の提案を呼吸するかの様にサラりと伝えられたモノだから、月島も何も考えずコクリと頷いて仕舞っては、あれよあれよと実施されているのが現在であった。
「あ」
「~~わっ」
「…ぷっ、なまえさんあざとくてカワイイですよ」
「…オマエはっ…!さっさと拭え」
「はいはい、じっとしていてください」
「…おりょ、指で掬ってそのまま舐めたの?エロいねー蛍チャン」
「~~っセクハラで訴えますよ」
「俺にクリーム塗ってカワイイって煽って来たのは誰?ちゃんと綺麗にしろ」
「~~いちいち刺激あるの何なのこの人っ…!」
無事に苺のデコレーションケーキが完成目前になりその際に最後の仕上げの途中、ぶぴっ、と絞っていた生クリームがなまえの顔に飛び散った一連の流れが、なまえの軽い揶揄いから月島が赤面する遣り取りに迄、発展して仕舞う。
「何その本気な顔、ふははっ…っ、は?蛍っ…頬ひっぱるな…っ…!」
「ウルサイ黙って」
むぎっ、となまえの頬を摘んでなまえがぐぬぬ…と口を閉じれば、月島は無言でなまえの顔と顔についたクリームを眺めては「両手も塞がってるし面倒臭いからこのまま舐めとれば楽なんだけど…」と心内で血迷い思って仕舞い、半分困惑しながら瞳からは段々と輝きが沈んでいく。
「……」
「…おい、よからぬ事考えて無いよな?」
「………まさか」
「いやいや目よ、蛍チャンの目!普段より死んでる!」
「………ニッコリ(ピキッ)」
次の瞬間、別室に居た明光がキッチンに入り「ふわぁ~美味そうな良い匂いだなぁ~」と話し掛けられついドキリと肩を跳ねさせては、この誠に不本意である雰囲気を壊す様になまえの顔を適当にぐわしぐわし、とホットタオルで拭いてペいっ、と雑になまえを扱えば、月島の気は何となく少し晴れた様な気がした。
「…クッソ…先輩を労れ…!」
「フッ」
▷▶▷
「(…うん、絶品)」
なまえを含め自身と母、明光でテーブルを囲み(父のは切り分け冷蔵庫へ)コーヒーを淹れて皆で頂けば、なまえと一緒に手間暇かけて作ったケーキを直ぐに食べて無くして仕舞うのは少し勿体無く思い、ふわふわ、と可愛らしい見た目をじっと眺めて居ると、ケーキを食した家族から絶品なる唸りが聞こえ、やっと遅れて自身もぱくり、とひと口含むと素直に感想がぽわり、と出てきた。
「急に今日はケーキ作るから、なんて言われて私も驚いちゃって…それにまさか本当に蛍がデコレーションケーキを完成させちゃうなんてね。うふふっ、みょうじくんも有難う!」
「いえ、此方こそ場所をお借りして申し訳ないです」
「あらぁ…驚く程、礼儀正しいし確りしてて…みょうじくんの親御さんは鼻が高いわね。羨ましいわ」
「あはは、そうだと良いんですが」
「!?チョット母さん…!」
「…?」
「まぁまぁ蛍、それよりも今回の要は伝えなくて良いの?」
「ーー別に、敢えて言葉なんて…」
「やべーめちゃくちゃ美味いっ。蛍もなまえくんもマジで有難う!兄ちゃん泣けちゃう…っ」
「明光さんは素直に伝えてるけど?」
「…いつも支えてくれてドウモ(小声)~~っもう暫く作らないからね」
「それってまた暫くしたら作ってくれるって事かしら?なまえくんもそう思わない?」
「ふふっ、そうですね」
「……」
和やかな雰囲気でほっこり微笑ましい食卓に、赤と白の宝石の如くキラキラしたデコレーションケーキが鮮やかに飾られては、リビングに飾られている数々のトロフィーとはまた異なる輝きを放ち特別な感動を与えた。兎に角、ケーキは全てを変える程凄いって事!次いでに言わせて貰えばなまえさんのお節介を仕方なく許せるくらい。
「なまえくん、俺から言うのもアレなんだけど…今後も蛍の事宜しくね。生意気だろうけどーー蛍もちゃんとなまえくんに普段から気持ち伝えろよな?」
家族に対してもなまえさんに対しても、別に今だけは言葉で言わなくても普段伝えきれていない、足りてない全ての感謝がこのケーキに詰まってるって流石にワカルでしょ?てか、お願いだから分かってよね。これでも今の僕の精一杯なんだから。
(#弱腐表現⚠︎︎(見る人に拠る))
(#感謝を込めて)
いただきます、をして食べ終える迄の時間は幸せを噛み締めつつ自身の手に掛かれば(ショートケーキであれば)僅か数分で名残惜しみながら終わって仕舞うのに、自身の手でイチから作るとなるとこんなにも手間は勿論の事、時間も気力も使うなんて余り考えて居なかったんだと痛い程身に染みた。何より腕が疲れた。
スイーツ作りのみならず普段の食事だって、何なら纏めて言ってしまえばその他家事だってきっとそうなんだろう。未だ親の扶養内で居る自身なんかは毎食お膳立てされた食事を当たり前の様に食べて、黙っていても常に綺麗な服に自然に腕を通す。時には食事をイラナイ、なんて反抗したりしては綺麗に掃除してくれてる風呂場の湯船を思い切りパシャンと叩きつけて壁やら天井やらに一面に飛沫を撒き散らしたり…あーあ、今凄く自分らしくない、的な事を目の前の完成を目指す過程である生クリームを掻き混ぜ眺めながら思考していた。
ーーきっと何もかも、この人の所為だ。
「蛍、此処で手抜いたら味落ちるぞ。スポンジ上手に出来たんだから最後まで集中しろ」
「あ、ハイ」
「生クリームは使用部位によって泡立て具合を変えるからな」
「…ボクはケーキが食べるのが好きなんデス。然も今まで作った事も無いボクが何で自身を通り越して家族の分まで作ってるんでしょうか?ハードル高いし家族からは明日は槍が降るとか言われそうなんですけど…」
「ふふっ、今日は兄ちゃんも居るんだろ?御家族に普段の感謝を伝える良い機会ですよ」
「そんな柄にも無い…」
「あ、生クリームのツノは蛍チャンの髪型くらいが目安な」
「チョットなんですかそれ」
現在、月島家で男2人で苺のケーキを作っている…うわっ、文字にすると何だか違和感がある…?
今目の前で月島に丁寧に教えているなまえは(見た目と違って)スイーツ作りも料理も上手で、例えばなまえの食事を頂く機会と云えば部活合宿の際等に振舞われるので、もれなく胃袋をガッチリ掴まれる人物が続出する。
其れは月島も然りで、つい最近、自身が今か今かと待ち侘びていたと言える事柄、山口と共になまえの自宅へ招かれ念願であったなまえ御手製デコレーションケーキを(いつも騒がしい例の奴らに邪魔される事無く)ゆっくり堪能できる機会が実現されたのだ。
好物且つあまりの美味しさでつい至福に浸っている最中に、なまえから今回の提案を呼吸するかの様にサラりと伝えられたモノだから、月島も何も考えずコクリと頷いて仕舞っては、あれよあれよと実施されているのが現在であった。
「あ」
「~~わっ」
「…ぷっ、なまえさんあざとくてカワイイですよ」
「…オマエはっ…!さっさと拭え」
「はいはい、じっとしていてください」
「…おりょ、指で掬ってそのまま舐めたの?エロいねー蛍チャン」
「~~っセクハラで訴えますよ」
「俺にクリーム塗ってカワイイって煽って来たのは誰?ちゃんと綺麗にしろ」
「~~いちいち刺激あるの何なのこの人っ…!」
無事に苺のデコレーションケーキが完成目前になりその際に最後の仕上げの途中、ぶぴっ、と絞っていた生クリームがなまえの顔に飛び散った一連の流れが、なまえの軽い揶揄いから月島が赤面する遣り取りに迄、発展して仕舞う。
「何その本気な顔、ふははっ…っ、は?蛍っ…頬ひっぱるな…っ…!」
「ウルサイ黙って」
むぎっ、となまえの頬を摘んでなまえがぐぬぬ…と口を閉じれば、月島は無言でなまえの顔と顔についたクリームを眺めては「両手も塞がってるし面倒臭いからこのまま舐めとれば楽なんだけど…」と心内で血迷い思って仕舞い、半分困惑しながら瞳からは段々と輝きが沈んでいく。
「……」
「…おい、よからぬ事考えて無いよな?」
「………まさか」
「いやいや目よ、蛍チャンの目!普段より死んでる!」
「………ニッコリ(ピキッ)」
次の瞬間、別室に居た明光がキッチンに入り「ふわぁ~美味そうな良い匂いだなぁ~」と話し掛けられついドキリと肩を跳ねさせては、この誠に不本意である雰囲気を壊す様になまえの顔を適当にぐわしぐわし、とホットタオルで拭いてペいっ、と雑になまえを扱えば、月島の気は何となく少し晴れた様な気がした。
「…クッソ…先輩を労れ…!」
「フッ」
▷▶▷
「(…うん、絶品)」
なまえを含め自身と母、明光でテーブルを囲み(父のは切り分け冷蔵庫へ)コーヒーを淹れて皆で頂けば、なまえと一緒に手間暇かけて作ったケーキを直ぐに食べて無くして仕舞うのは少し勿体無く思い、ふわふわ、と可愛らしい見た目をじっと眺めて居ると、ケーキを食した家族から絶品なる唸りが聞こえ、やっと遅れて自身もぱくり、とひと口含むと素直に感想がぽわり、と出てきた。
「急に今日はケーキ作るから、なんて言われて私も驚いちゃって…それにまさか本当に蛍がデコレーションケーキを完成させちゃうなんてね。うふふっ、みょうじくんも有難う!」
「いえ、此方こそ場所をお借りして申し訳ないです」
「あらぁ…驚く程、礼儀正しいし確りしてて…みょうじくんの親御さんは鼻が高いわね。羨ましいわ」
「あはは、そうだと良いんですが」
「!?チョット母さん…!」
「…?」
「まぁまぁ蛍、それよりも今回の要は伝えなくて良いの?」
「ーー別に、敢えて言葉なんて…」
「やべーめちゃくちゃ美味いっ。蛍もなまえくんもマジで有難う!兄ちゃん泣けちゃう…っ」
「明光さんは素直に伝えてるけど?」
「…いつも支えてくれてドウモ(小声)~~っもう暫く作らないからね」
「それってまた暫くしたら作ってくれるって事かしら?なまえくんもそう思わない?」
「ふふっ、そうですね」
「……」
和やかな雰囲気でほっこり微笑ましい食卓に、赤と白の宝石の如くキラキラしたデコレーションケーキが鮮やかに飾られては、リビングに飾られている数々のトロフィーとはまた異なる輝きを放ち特別な感動を与えた。兎に角、ケーキは全てを変える程凄いって事!次いでに言わせて貰えばなまえさんのお節介を仕方なく許せるくらい。
「なまえくん、俺から言うのもアレなんだけど…今後も蛍の事宜しくね。生意気だろうけどーー蛍もちゃんとなまえくんに普段から気持ち伝えろよな?」
家族に対してもなまえさんに対しても、別に今だけは言葉で言わなくても普段伝えきれていない、足りてない全ての感謝がこのケーキに詰まってるって流石にワカルでしょ?てか、お願いだから分かってよね。これでも今の僕の精一杯なんだから。