翡翠
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「えっと…井戸ってのは、こっちだって言ってたよな?」
井吹は先程、三人の言葉を背中でうけ井戸へ向かうのだが、何故か、なまえも一緒に井吹の後ろをついてきていた。
「あのさ、何であんたも一緒についてくんだよ。
ガキじゃないんだから、1人で行けるってさっき言っただろ?」
井吹から、不思議そうな顔で問いかけられたなまえは、いつもの無表情で答える。
「…俺も、目覚ましたいから」
それだけ言って一歩先に行っていた井吹を逆に一歩越して、たどり着いた井戸を使用する。
(…えーと、つまり…先程うたた寝してて、まだ寝ぼけ眼だから、顔を洗って目覚ましたい、ってことか…?)
口数が足りないなまえに対し、井吹なりに解釈をする。
全く、綺麗な顔してるのに無表情に口下手なのか無口なのか、勿体無い奴だなと井吹は思った。
そんな事考えてる間に なまえは顔を洗い終えたらしく、井吹に井戸を譲る。
「先、ありがと。」
なまえ自身は表情は変えてはないが、ふわっとしたような緩い優しい雰囲気で言われた錯覚を起こし、井吹は、とくんと少し戸惑う。
「あ、あぁ、いや…」
誤魔化すように汲みたての水で顔を洗えば、井戸の水は心地良い程に冷え切っており、井吹はいっぺんに目が覚め、ふぅっと声を漏らした。
「きもちーべな、冷たくて」
袖口で顔を拭ってるとなまえが自分の持ってる布で、顔を洗ったせいで少し濡れてしまった、井吹の濡れた髪を拭く。
「あ…あぁ」
また、一つ胸がとくん…と鼓動をうったその時
「そこ、どいて。邪魔だよ」
赤面してる顔なうえ、いきなり降りかかってきた言葉に、「えっ…?」と、少し上擦った声で聞き返してしまった井吹は、 なまえとは別の、その声の主に振り返る間もなくー…。
「うわっ…!」
ドンッ、て音と共に井吹の驚いた声が鳴る。
どうやら、井吹だけ地面に尻餅をついたようだ。
「何なんだあんたは!?
何しやがる!」
だがその男は、悪びれる様子もなく、冷ややかな口調と、ギッと睨んだ鋭い視線で井吹に言い放った。
「何なんだって、随分な挨拶だね。人に名前を聞く時は、自分から名乗るのが礼儀じゃないの」
負けずと井吹も言い放つ。
「何を言ってやがる!
俺をいきなり後ろから突き飛ばしたのは、あんただろうが!」
(おー…がるるる、ってワンコが唸ってるようだ…。)
こんな状況なのに、呑気に考えてた なまえ。
「そんな所にぼけっと突っ立ってた挙げ句、なまえさんの事、下心ありありの目で見ちゃって、鼻の下デレッデレに伸ばしてる方が悪いんだよ。
ほんっと、勘違いしないでくれる?」
要は、主に後者が納得いかなかったのか、不機嫌な顔で井吹を睨む。
「…なっ…!デレデレなんてしてないし、顔を洗ってただけだ!」
半分、図星だった為か…井吹が慌てる様子を見て、冷ややかな口調だった男は益々苛立ち、口調が更に冷たく放つ。
「…っ、だいたい僕が、君に気を使ってあげなきゃならない理由なんてないし」
何だって?と、井吹も食ってかかり、空気は凍りついた。
「……?」
なまえは、このやりとりの原因がよく理解できない。
井戸の事で、こんなに揉めるのか…?と考える始末。
しかしこの空気の中で、このままだと良い方向にはならないと、取りあえず理解はした。
此処で、剣を抜かれても後々面倒だし、あの副長から怒られるのもなあ…って考えたら…
なまえの眉間には皺がより、むー…っとした表情。
「…総司。」
今まで喋らなかった なまえが、ピリピリしていた空気に逆らい、剣を抜こうとしているその男に声を掛けた。
その男は、ハッとして なまえのそばに駆け寄る。
「なまえさん…!ねえ、この人に何もされてないよね? 」
先程の冷たい雰囲気はすっかり消え、なまえの首にギュッと抱きつく始末
(な、なんなんだこいつは!?)
井吹は、この男の身代わりの速さに開いた口が塞がらなかった。
「何かあるわけねー…、一緒に、顔洗ってただけ。」
抱きつかれた なまえは、とくに嫌がる素振りをみせず、寧ろ慣れた手つきで男の頭を、ポンポンと撫でる。
「そっか、なら良いけどさ…
僕ね、なまえさんと、この人が一緒に居るとこ見かけたから、急いで追いかけてきたんだよ。
そしたら、この人…あんな顔しちゃって、許せなくて。
僕の、なまえさんなのに。 」
男は、先程の雰囲気は嘘のように、今は子どもが拗ねてるような、甘い雰囲気へと一変に変えた。
「あいよ。…あんまり、おいたすんなよ?」
なまえは、うまく受け流し男の頬を、ぶにーっと軽くつねり遊ぶ。
「…む、ぅぅっ、」
男は変わらず拗ねてるけど、嬉しそうに猫の様にじゃれる。
どうやら、この男の名前は、沖田ということが後に判明する。
ーーーーーー
沖田がなまえにじゃれついてると、向こうのほうから二人組の男から声をかけられ、本日井吹は二回目の自己紹介を行う。
井吹は、自分を助けた芹沢に会ってお礼がしたいと申し出るが、今は不在と伝えられ、まずは、芹沢と同じ立場である近藤という者への挨拶はどうかと、山南に勧められたのであった。
山南が付き添うから、沖田となまえは稽古しに参れとの命令と一緒に…
「近藤さんに万が一のことがあったら、例え山南さんでも容赦しませんから。」
「いこ、なまえさん 」と言いながらなまえの腕を掴み、ずりずりとその場を去っていく。
「…おー、わかったからひっぱるな…」
「だって僕がつかまえてないと、 なまえさん、すぐ誰かに取られちゃうじゃない!
今日こそは僕の稽古を、付きっきりで…手取り足取り教えてくださいね… ?」
その様子をみて井上は、ほんと沖田君は、近藤さんとなまえにベタ惚れなんだから、と微笑ましく零す。
「やれやれ…」
山南は、一つ苦笑いを落とした後、じゃあ参りましょうかと井吹を近藤のところへ案内するのであった。
翡翠
(僕の大事な者を奪おうとする者は、絶対に許さないから)
ーーーーーーーーーーーー
近藤さん、金平糖、
それと…なまえ、
井吹は先程、三人の言葉を背中でうけ井戸へ向かうのだが、何故か、なまえも一緒に井吹の後ろをついてきていた。
「あのさ、何であんたも一緒についてくんだよ。
ガキじゃないんだから、1人で行けるってさっき言っただろ?」
井吹から、不思議そうな顔で問いかけられたなまえは、いつもの無表情で答える。
「…俺も、目覚ましたいから」
それだけ言って一歩先に行っていた井吹を逆に一歩越して、たどり着いた井戸を使用する。
(…えーと、つまり…先程うたた寝してて、まだ寝ぼけ眼だから、顔を洗って目覚ましたい、ってことか…?)
口数が足りないなまえに対し、井吹なりに解釈をする。
全く、綺麗な顔してるのに無表情に口下手なのか無口なのか、勿体無い奴だなと井吹は思った。
そんな事考えてる間に なまえは顔を洗い終えたらしく、井吹に井戸を譲る。
「先、ありがと。」
なまえ自身は表情は変えてはないが、ふわっとしたような緩い優しい雰囲気で言われた錯覚を起こし、井吹は、とくんと少し戸惑う。
「あ、あぁ、いや…」
誤魔化すように汲みたての水で顔を洗えば、井戸の水は心地良い程に冷え切っており、井吹はいっぺんに目が覚め、ふぅっと声を漏らした。
「きもちーべな、冷たくて」
袖口で顔を拭ってるとなまえが自分の持ってる布で、顔を洗ったせいで少し濡れてしまった、井吹の濡れた髪を拭く。
「あ…あぁ」
また、一つ胸がとくん…と鼓動をうったその時
「そこ、どいて。邪魔だよ」
赤面してる顔なうえ、いきなり降りかかってきた言葉に、「えっ…?」と、少し上擦った声で聞き返してしまった井吹は、 なまえとは別の、その声の主に振り返る間もなくー…。
「うわっ…!」
ドンッ、て音と共に井吹の驚いた声が鳴る。
どうやら、井吹だけ地面に尻餅をついたようだ。
「何なんだあんたは!?
何しやがる!」
だがその男は、悪びれる様子もなく、冷ややかな口調と、ギッと睨んだ鋭い視線で井吹に言い放った。
「何なんだって、随分な挨拶だね。人に名前を聞く時は、自分から名乗るのが礼儀じゃないの」
負けずと井吹も言い放つ。
「何を言ってやがる!
俺をいきなり後ろから突き飛ばしたのは、あんただろうが!」
(おー…がるるる、ってワンコが唸ってるようだ…。)
こんな状況なのに、呑気に考えてた なまえ。
「そんな所にぼけっと突っ立ってた挙げ句、なまえさんの事、下心ありありの目で見ちゃって、鼻の下デレッデレに伸ばしてる方が悪いんだよ。
ほんっと、勘違いしないでくれる?」
要は、主に後者が納得いかなかったのか、不機嫌な顔で井吹を睨む。
「…なっ…!デレデレなんてしてないし、顔を洗ってただけだ!」
半分、図星だった為か…井吹が慌てる様子を見て、冷ややかな口調だった男は益々苛立ち、口調が更に冷たく放つ。
「…っ、だいたい僕が、君に気を使ってあげなきゃならない理由なんてないし」
何だって?と、井吹も食ってかかり、空気は凍りついた。
「……?」
なまえは、このやりとりの原因がよく理解できない。
井戸の事で、こんなに揉めるのか…?と考える始末。
しかしこの空気の中で、このままだと良い方向にはならないと、取りあえず理解はした。
此処で、剣を抜かれても後々面倒だし、あの副長から怒られるのもなあ…って考えたら…
なまえの眉間には皺がより、むー…っとした表情。
「…総司。」
今まで喋らなかった なまえが、ピリピリしていた空気に逆らい、剣を抜こうとしているその男に声を掛けた。
その男は、ハッとして なまえのそばに駆け寄る。
「なまえさん…!ねえ、この人に何もされてないよね? 」
先程の冷たい雰囲気はすっかり消え、なまえの首にギュッと抱きつく始末
(な、なんなんだこいつは!?)
井吹は、この男の身代わりの速さに開いた口が塞がらなかった。
「何かあるわけねー…、一緒に、顔洗ってただけ。」
抱きつかれた なまえは、とくに嫌がる素振りをみせず、寧ろ慣れた手つきで男の頭を、ポンポンと撫でる。
「そっか、なら良いけどさ…
僕ね、なまえさんと、この人が一緒に居るとこ見かけたから、急いで追いかけてきたんだよ。
そしたら、この人…あんな顔しちゃって、許せなくて。
僕の、なまえさんなのに。 」
男は、先程の雰囲気は嘘のように、今は子どもが拗ねてるような、甘い雰囲気へと一変に変えた。
「あいよ。…あんまり、おいたすんなよ?」
なまえは、うまく受け流し男の頬を、ぶにーっと軽くつねり遊ぶ。
「…む、ぅぅっ、」
男は変わらず拗ねてるけど、嬉しそうに猫の様にじゃれる。
どうやら、この男の名前は、沖田ということが後に判明する。
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沖田がなまえにじゃれついてると、向こうのほうから二人組の男から声をかけられ、本日井吹は二回目の自己紹介を行う。
井吹は、自分を助けた芹沢に会ってお礼がしたいと申し出るが、今は不在と伝えられ、まずは、芹沢と同じ立場である近藤という者への挨拶はどうかと、山南に勧められたのであった。
山南が付き添うから、沖田となまえは稽古しに参れとの命令と一緒に…
「近藤さんに万が一のことがあったら、例え山南さんでも容赦しませんから。」
「いこ、なまえさん 」と言いながらなまえの腕を掴み、ずりずりとその場を去っていく。
「…おー、わかったからひっぱるな…」
「だって僕がつかまえてないと、 なまえさん、すぐ誰かに取られちゃうじゃない!
今日こそは僕の稽古を、付きっきりで…手取り足取り教えてくださいね… ?」
その様子をみて井上は、ほんと沖田君は、近藤さんとなまえにベタ惚れなんだから、と微笑ましく零す。
「やれやれ…」
山南は、一つ苦笑いを落とした後、じゃあ参りましょうかと井吹を近藤のところへ案内するのであった。
翡翠
(僕の大事な者を奪おうとする者は、絶対に許さないから)
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近藤さん、金平糖、
それと…なまえ、