幕切れ
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当の本人は、先ほどの表情とは打って変わってひたりと三人を見ていた。まるで羨ましい、と言わんばかりに。
「ナルト。私は、ここからは一人で生きる。ナルトは、木ノ葉で生きて」
「……ミア、何言ってるんだ?」
「ちょっと前から考えてたんだ。私がいなければナルトは、木ノ葉で生きれたんだよなって。お二人の居場所を私が取っちゃってるんだろうなって。……ナルトの本当の居場所は、ここじゃないんだろうなって。だから、元ある形に戻そうと思うの」
かちゃり、と小石がぶつかる音がやけに大きく聞こえる。
「幸せをありがとう、ナルト」
華やかに笑った彼女は、一陣の風とともにその姿を消した。
居なくなったと認識すると同時に、後を追うようにナルトの姿が、次いで二人の姿がそこから姿を消した。
サスケとサクラは単にナルトを逃したくないだけでナルトの後をついていったのだが、その速さに目を見張った。ナルトが追うのはミアだ。だが、彼女は大蛇丸に治療されたとはいえ一般人のはずだ。それも弱った体が治ってまだ幾ばくも経っていないだろうに、忍に追われているのに追いつけないほどの速さで疾走するとはどういうことなのか。それはナルトも同じで困惑を隠せなかった。
これはナルトにも伏せられていたことだが、大蛇丸のアジトに来た当初、ミアの容体は大蛇丸やカブトが思った以上に悪かった。長年クナイ傷が原因で生まれた病に蝕まれたせいだろう、投与する薬にも体は害だと反応してしまう始末だった。
そのために、はからずもナルトの体は功を奏したといえる。彼の元々のチャクラは生命力の強いもので、九喇嘛──九尾のチャクラもまた、傷を癒す力を含まれていた。その性質を利用して「薬」としてみたが、効果は確かにあり徐々にミアは回復の兆しを見せた。
反面、元々一般人でありチャクラの使い方を知らない彼女は蠢くチャクラの力に戸惑い、それを副作用だと思っていた。実際はいわばチャクラコントロールの訓練をしていると同義で、副作用がなくなる、イコール無意識のうちにチャクラの動きを制していた。
それに大蛇丸が目をつけないわけがない。検査と称して忍の基本を教えるとミアはするりと頭に入れてしまう。ナルトや九喇嘛のチャクラを多少でも取り込んだこともあってか、並の忍よりチャクラが多く、すなわち忍術を多く発動でき、チャクラコントロールも無意識にしてしまうのだから質も高い。
こうなると大蛇丸は楽しくなってしまった。
チャクラ切れを起こすまで訓練を施し、その結果まだ治療が必要だとナルトや九喇嘛を欺いた。元々体力不足の体だ、不審がられることはなかった。
そうして二年、ナルトに修行づけると同時にミアへも同じ修行をつけた結果、大蛇丸も満足のいくものとなった。出来ることなら治療というなの改造を施し、次の器にしたいくらいだと思うほどに。
最もそんなことをすれば、ナルトが烈火の如く怒り狂うのが目に見えていたのですることはなかったが。
そんなわけで、およそ一般人とはいえない力を得てしまったミアであるが、側にいたナルトはもちろん本人ですら知らない。ただナルトを狙う追手から逃げることがあればこうしろ、と大蛇丸から教えられた通りにしているだけで、まさかそれが忍と渡り合えるほどの速さを持ち合わせているなど思いもよらない。
だが、やはり普段鍛えているかどうかの差は如実に出てくる。徐々にその間は詰まり始めていた。
自分など放って仲間と木ノ葉へ戻ったら良いのに! わがままだと理解しつつ理不尽な怒りを抱きながら、ミアは大蛇丸の教えパート2を繰り出した。
「……っ⁉ な、は⁉」
突如現れた沼にナルトは驚いたが咄嗟に後ろへ飛びそれを避ける。よく見れば巻き込まれたのだろう木々が沼の中へ沈んでいくのが目に映った。
目を白黒させていると、追いついたサスケとサクラも目の前の光景に戸惑うしかない。何者か敵がいるのかと周囲を警戒するが、遠ざかるミア以外にそれらしき気配を感じない。
となれば、やはり元凶はその人しかいないわけで。三人は一体何がなんだか分からないが、ミアを野放しにしていい理由がこれでなくなった。
無意識なのか意図的なのか。それは分からないが、こんな大技を走りながら出せる人間を放置するなんて危険だと判断した。
ミア対将来の三忍による鬼ごっこのゴングが鳴った瞬間である。
「ナルト。私は、ここからは一人で生きる。ナルトは、木ノ葉で生きて」
「……ミア、何言ってるんだ?」
「ちょっと前から考えてたんだ。私がいなければナルトは、木ノ葉で生きれたんだよなって。お二人の居場所を私が取っちゃってるんだろうなって。……ナルトの本当の居場所は、ここじゃないんだろうなって。だから、元ある形に戻そうと思うの」
かちゃり、と小石がぶつかる音がやけに大きく聞こえる。
「幸せをありがとう、ナルト」
華やかに笑った彼女は、一陣の風とともにその姿を消した。
居なくなったと認識すると同時に、後を追うようにナルトの姿が、次いで二人の姿がそこから姿を消した。
サスケとサクラは単にナルトを逃したくないだけでナルトの後をついていったのだが、その速さに目を見張った。ナルトが追うのはミアだ。だが、彼女は大蛇丸に治療されたとはいえ一般人のはずだ。それも弱った体が治ってまだ幾ばくも経っていないだろうに、忍に追われているのに追いつけないほどの速さで疾走するとはどういうことなのか。それはナルトも同じで困惑を隠せなかった。
これはナルトにも伏せられていたことだが、大蛇丸のアジトに来た当初、ミアの容体は大蛇丸やカブトが思った以上に悪かった。長年クナイ傷が原因で生まれた病に蝕まれたせいだろう、投与する薬にも体は害だと反応してしまう始末だった。
そのために、はからずもナルトの体は功を奏したといえる。彼の元々のチャクラは生命力の強いもので、九喇嘛──九尾のチャクラもまた、傷を癒す力を含まれていた。その性質を利用して「薬」としてみたが、効果は確かにあり徐々にミアは回復の兆しを見せた。
反面、元々一般人でありチャクラの使い方を知らない彼女は蠢くチャクラの力に戸惑い、それを副作用だと思っていた。実際はいわばチャクラコントロールの訓練をしていると同義で、副作用がなくなる、イコール無意識のうちにチャクラの動きを制していた。
それに大蛇丸が目をつけないわけがない。検査と称して忍の基本を教えるとミアはするりと頭に入れてしまう。ナルトや九喇嘛のチャクラを多少でも取り込んだこともあってか、並の忍よりチャクラが多く、すなわち忍術を多く発動でき、チャクラコントロールも無意識にしてしまうのだから質も高い。
こうなると大蛇丸は楽しくなってしまった。
チャクラ切れを起こすまで訓練を施し、その結果まだ治療が必要だとナルトや九喇嘛を欺いた。元々体力不足の体だ、不審がられることはなかった。
そうして二年、ナルトに修行づけると同時にミアへも同じ修行をつけた結果、大蛇丸も満足のいくものとなった。出来ることなら治療というなの改造を施し、次の器にしたいくらいだと思うほどに。
最もそんなことをすれば、ナルトが烈火の如く怒り狂うのが目に見えていたのですることはなかったが。
そんなわけで、およそ一般人とはいえない力を得てしまったミアであるが、側にいたナルトはもちろん本人ですら知らない。ただナルトを狙う追手から逃げることがあればこうしろ、と大蛇丸から教えられた通りにしているだけで、まさかそれが忍と渡り合えるほどの速さを持ち合わせているなど思いもよらない。
だが、やはり普段鍛えているかどうかの差は如実に出てくる。徐々にその間は詰まり始めていた。
自分など放って仲間と木ノ葉へ戻ったら良いのに! わがままだと理解しつつ理不尽な怒りを抱きながら、ミアは大蛇丸の教えパート2を繰り出した。
「……っ⁉ な、は⁉」
突如現れた沼にナルトは驚いたが咄嗟に後ろへ飛びそれを避ける。よく見れば巻き込まれたのだろう木々が沼の中へ沈んでいくのが目に映った。
目を白黒させていると、追いついたサスケとサクラも目の前の光景に戸惑うしかない。何者か敵がいるのかと周囲を警戒するが、遠ざかるミア以外にそれらしき気配を感じない。
となれば、やはり元凶はその人しかいないわけで。三人は一体何がなんだか分からないが、ミアを野放しにしていい理由がこれでなくなった。
無意識なのか意図的なのか。それは分からないが、こんな大技を走りながら出せる人間を放置するなんて危険だと判断した。
ミア対将来の三忍による鬼ごっこのゴングが鳴った瞬間である。