序章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「如月奏輔、その名には確かに覚えがある。娘がいるという話も聞いていた。サイドエフェクトの話も現状判断材料に欠けるが、完全に否定する理由もないだろう。仮に本当だとすれば、リスクよりリターンがある。」
「んじゃ、とりあえず遠征艇に連れ帰る感じでいいですか?」
「ああ、だが、リスクを最大限排除するため扱いはひとまず捕虜とする。風間隊が連れ帰れ。太刀川隊、冬島隊は当初の任務を果たすため、城の方に戻れ。必要ならば捕虜を遠征艇に収容後、風間隊に合流させる。」
「了解。」
忍田の指示に従い太刀川隊と冬島隊の4人が来た道を戻り始める。そしてその場に残された風間隊と詩音。
「さて、じゃあ俺達も行きましょう。」
「楽な仕事で助かりますね。」
「道中も気を抜くな。...おい、如月詩音と言ったな。」
『は、はいっ。』
緊張した面持ちの詩音が風間に名を呼ばれ驚いたように返事をする。
「お前を遠征艇まで連れ帰る。ただしお前の扱いは捕虜だ。」
『捕虜...。』
そう呟いた詩音。
「そう、捕虜。分かったら言動わきまえなよ。」
『...それは、』
「?」
『ここから、逃げ出せるってことですか?地球に帰れるってことですか...?』
先程までオドオドとはしながらも、はっきりと言葉を紡いでいたはずの詩音が声を震わせながら問いかける。その目は、泣くまいと必死に涙を貯めていた。
『お、お願いします!私、何でもします!だからっ、』
目の前の風間に縋るように、その足元に座り込み彼女は叫ぶ。
『助けて、ください!』
「ちょっと、うるさいんだけど。捕虜だって言ったでしょ。」
『わかってます!でも、父といつも言ってたんです。いつか地球に、日本に帰ろうって。そうして、この国の情報を持ち帰ろうって。だから、私は、』
「もういい。」
『っ。』
「か、風間さん?」
詩音の言葉を遮る風間。そして彼はビクリと肩を震わせた彼女に1歩近づくと、その手を差し出す。その不可解な行動に歌川は声を上げ、菊地原はじっとその様子を見つめた。
「捕虜だろうが、なんだろうが、俺たちはお前を遠征艇に連れ帰る。そして俺たちは任務を果たして地球に帰還する。」
『...。』
「如月詩音。」
『は、い。』
「来い。」
風間の声に導かれるように、彼女はその手をそっと掴んだ。
「んじゃ、とりあえず遠征艇に連れ帰る感じでいいですか?」
「ああ、だが、リスクを最大限排除するため扱いはひとまず捕虜とする。風間隊が連れ帰れ。太刀川隊、冬島隊は当初の任務を果たすため、城の方に戻れ。必要ならば捕虜を遠征艇に収容後、風間隊に合流させる。」
「了解。」
忍田の指示に従い太刀川隊と冬島隊の4人が来た道を戻り始める。そしてその場に残された風間隊と詩音。
「さて、じゃあ俺達も行きましょう。」
「楽な仕事で助かりますね。」
「道中も気を抜くな。...おい、如月詩音と言ったな。」
『は、はいっ。』
緊張した面持ちの詩音が風間に名を呼ばれ驚いたように返事をする。
「お前を遠征艇まで連れ帰る。ただしお前の扱いは捕虜だ。」
『捕虜...。』
そう呟いた詩音。
「そう、捕虜。分かったら言動わきまえなよ。」
『...それは、』
「?」
『ここから、逃げ出せるってことですか?地球に帰れるってことですか...?』
先程までオドオドとはしながらも、はっきりと言葉を紡いでいたはずの詩音が声を震わせながら問いかける。その目は、泣くまいと必死に涙を貯めていた。
『お、お願いします!私、何でもします!だからっ、』
目の前の風間に縋るように、その足元に座り込み彼女は叫ぶ。
『助けて、ください!』
「ちょっと、うるさいんだけど。捕虜だって言ったでしょ。」
『わかってます!でも、父といつも言ってたんです。いつか地球に、日本に帰ろうって。そうして、この国の情報を持ち帰ろうって。だから、私は、』
「もういい。」
『っ。』
「か、風間さん?」
詩音の言葉を遮る風間。そして彼はビクリと肩を震わせた彼女に1歩近づくと、その手を差し出す。その不可解な行動に歌川は声を上げ、菊地原はじっとその様子を見つめた。
「捕虜だろうが、なんだろうが、俺たちはお前を遠征艇に連れ帰る。そして俺たちは任務を果たして地球に帰還する。」
『...。』
「如月詩音。」
『は、い。』
「来い。」
風間の声に導かれるように、彼女はその手をそっと掴んだ。