リクエスト:愛情表現一時閉鎖
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暁のアジトにあるリビングには、芸術コンビと不死コンビが集まっていた。
デイダラは不機嫌な顔のままトランプをシャッフルし、全員にカードを配る。
このメンバーは、大富豪をやっているのだ。
これで5度目になる。
1回目はサソリ、2回目は角都、3回目も角都、4回目は飛段が大富豪になり、大貧民はほとんどデイダラか飛段だ。
「早く配れ」
サソリに急かされ、デイダラは「わかってる」と返してカードを配り終える。
さすがに飽きてきたサソリは、ここで提案を出した。
「次に大貧民になった奴、罰ゲームな。大富豪になった奴の命令を聞いてもらうぜ」
「「えっ」」
飛段とデイダラが同時にサソリに顔を向ける。
反対に角都は「面白そうだな」と返した。
「い…」
飛段が「嫌だ」と言おうとしたとき、
「今「嫌だ」と言ったら罰ゲーム」
サソリに先を越され、飛段は両手で自分の口を塞いで言葉を飲み込んだ。
5度目の大富豪が始まり、4人の面持ちは真剣だ。
「上がりだ」
イカサマでも使ったのではないかと思うほど、サソリはスムーズに終わった。
これで命令側はサソリに決定だ。
次に角都が終わり、飛段とデイダラは火花を散らす。
だが、すでにデイダラの口元には勝利の笑みが浮かんでいた。
この時を待っていたかというように手持ちのカードを全て並べる。
「革命!! うん!!」
「!!」
デイダラが並べたのは、キングのカードが4枚。
大貧民となったのは、飛段だ。
「さて、なにを命令をしてやろうか」
サソリの妖しい笑みを見た飛段はビクッと体を震わせ、仔犬のようにプルプルと小刻みに震えて怯えている。
「…そうだな…」
傀儡になれと言われるのではないかと思ったが、サソリが命令したのは、
「これから3週間、角都にキスしたり抱きついたりするな」
「…何~~~~!?」
「それはオレの持ちネタだ、飛段」
角都は鋭いツッコミを入れる。
「だってキスなしだぜェ!?」
飛段の予想に反していたものだったが、落雷が食らったような衝撃を受けた。
1日、最低でも4回は角都とのキスを怠ったことはない。
飛段の中では食事と同じなのだ。
角都とのキスを禁じられるならば傀儡にされた方がまだマシだ。
「ちなみに、マスク越しからも角都からキスするのも駄目だ」
「エ…、エッチもダメなのk…」
ゴッ!!
角都の硬化されたコブシが飛段の頭に叩き込まれた。
「当たり前だろ」
うつ伏せに倒れた飛段にサソリは冷たい言葉を投げた。
「大体、おまえらは人前でも構わずイチャイチャイチャイチャしすぎなんだよ」
サソリの顔は不機嫌そうである。
常日頃、そんな2人がストレスになっていたようだ。
「イチャイチャしているつもりはない。こいつが度を超した愛情表現をしてくるからだ」
自分はそんなつもりはないと否定した。
起き上がった飛段は「なんだよ、そんな言い方ないだろォ」と口を尖らせる。
「ちなみに命令違反をすれば、今月から給料を5倍に上げてもらう。角都に」
それを聞いた角都と飛段はピクリと反応する。
金に興味がない飛段にとっては関係のない話である。
「OK。それなら早速破らせてもらうぜェ♪」
すぐ傍にいる角都に抱きつこうとしたが、暁のサイフ役を任されている角都は右手で目の前の顔面をつかんで阻止する。
「オレが罰ゲームを受けているようだが?」
角都の言葉に、サソリは再び口端を吊り上げて答える。
「おまえも関わっているからな」
飛段は角都の手首を両手でつかみ、自分の顔から外して声を上げた。
「角都、別にいいだろォ。5倍くらい!」
「貴様、5倍の意味を知らんな? 暁は今赤字の状態だ!」
給料だけで完全に破産してしまう。
「な…、なあ、サソリ。3週間のところを、せめて3日に…」
サソリは自分の耳に手をつけてわざとらしく聞き返す。
「なに?「3年に延ばしてほしい」?」
「3週間で結構です!!」
飛段は即座に土下座した。
デイダラはサソリの後ろで気の毒そうな顔をしている。
「哀れ…」
飛段の酷な罰ゲームの始まり。
「3週間…」
デイダラとサソリと別れたあと、飛段は角都の部屋に転がり込んでいた。
角都はいつものように机に向かって帳簿をつけている。
飛段はその後ろでうつ伏せに寝転がり、じっと角都の背中を見つめていた。
「まったく痛くも痒くもないってカンジだな、角都よォ」
角都にもショックを受けてほしかったのだ。
「別に。鬱陶しく絡まれずに済む」
久しぶりの解放感に角都は心なしか機嫌が良さそうである。
飛段もそれを感じ取っていた。
ますます傷ついてしまう。
「……………」
頬を膨らませた飛段だが、なにか閃いたのか、企み顔になった。
キョロキョロとしたあと、そっと角都の背後に近づき、その背中に触れる。
「……それ以上は立ち入り禁止だ」
角都は帳簿を書きながら鋭く言った。
だが、飛段は笑みを浮かべたまま離れようとしない。
愛おしそうにその背中に頬を擦り寄せている。
「サソリにバレなきゃ、立ち入りの禁止の看板なんざ無視だ、無視」
「おい…」
たしなめようと角都が振り返ったと同時に、飛段は素早く人差し指で角都のマスクに引っかけて引き下ろし、自分の顔を近づけた。
「! やめ…っ」
角都の阻止を聞かずに唇に自分の唇を重ねようとしたとき、
ピ―――!
どこからか笛の音が鳴った。
角都と飛段が後ろに振り返ると、床からゼツの顔が生えていた。
その口には笛が咥えられている。
「飛段、イエローカードだよ」
「次ハ、レッドガ出ルゼ」
「ゼ、ゼツ!?」
飛段がゼツを凝視している隙に、角都はマスクをもとの位置に戻した。
「サソリから頼まれてね」
「四六時中、オマエラヲ見張ッテオケト言ワレタ」
「テメーら、自分の仕事しろよォ!!」
「飛段、おまえが言うな」
そうツッコミながら、内心で角都は「サソリも気を抜かんな」と感心していた。
これでは飛段は手も足もでない。
*****
そこから先は飛段にとっては地獄も同然だった。
角都を前にしても、抱きつくこともキスもできないなど、習慣となっていたことができないのだ。
食事をしている角都を見た飛段↓
「角都! そのエロい口やめろォ!!」
向かい合わせだから辛い。
「…引き裂いてやろうか、その口」
他のメンバーがいる前で不快なことを叫ばれたため、殺意を覚える角都。
賞金首を殺したあとの角都を見た飛段↓
(血…。舐めとってやりてぇぇぇ…)
角都の頬の傷に興奮する飛段。
「!?」
熱視線に寒気を覚える角都。
風呂上がりの角都を見た飛段↓
(抱きつきたい!! キスしたい!! めっちゃめっちゃにしたい!!)
腰にタオルを巻いた角都はエロい。
飛段は自分の足の甲に杭を刺し、己を必死に押されつけている。
「…なにを考えているのか顔に書いてあるぞ。人の体を凝視するな」
飛段の危うい顔を見て、角都は思わずあとずさった。
おやすみ中の角都の部屋に忍び込もうとした飛段↓
“飛段立入禁止”の貼り紙が扉に貼られてあっても、無視して角都の扉を開けようとしたが、
「…!! 開かない!? わーん、角都ゥ―――!!」
ドンドンと扉を連続ノックするが角都は開けてくれない。
一方、扉の向こうの角都は耳栓をしたまま安眠していた。
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