お喚びですか
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それから1年が経過し、ペインの隣には紫のグリモアの悪魔である小南がいた。
今は人の姿をしているが、最初に現れた時は天使のような白い片翼を持ち、牙も爪もあった。
一見冷たく見えたが、ペインの望みを聞いた小南は笑わずに、「誰かのために、なにかをしてあげたいのね」と微笑んだ。
しかし、外見に反し、悪魔に堕ちたばかりの小南には大きな能力はなかった。
紙を操る能力。天使の時に持っていた能力だ。
悪魔に堕ちてもその能力は継がれている。
だが、悪魔らしからぬ力は他の悪魔たちからは笑われてしまう始末。
それを打ち明けた小南だが、ペインは気にする様子もなく、むしろそれをこの望みに使おうと考えたのだ。
「おまえの力が必要だ」
今では、彼女の力で千羽鶴を折り、世界中の病院に送っている。
少しでも励みになれるのなら、と。
結果、送られた場所から感謝の手紙が届くようになり、数日前に雑誌の記者やボランティア団体から電話がきたところだ。
「今日はハロウィンだ。千羽鶴だけでなく、お菓子も送ってあげないとな」
「ええ、そうね」
そういえば、とペインは去年のこの日を思い出す。
あの2人は元気にしているのだろうか。
挨拶程度なら、とペインはリビングで小南を待たせて書斎へ向かい、本棚から緑のグリモアを取りだして開き、床に魔方陣を書いていく。
それから呪文を唱え、角都を召喚する。
「!!!」
魔方陣から出てきたものにペインは体を硬直させた。
「ゲッハァ~ン」
おとりこみ中だった。
角都と目を合わせる前にペインは書斎から泣きながら逃走。
「せっかくいい話で終わらせようとしたのに!!」
2人の悪魔のせいで台無しだ。
いや、タイミングの悪いペインも悪い。
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