理想体であるために
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから5日後、角都はリビングで静かに読書していた。
その隣にサソリが座った。
「最近飛段とセック〇してねーだろ」
直球の言葉に角都はギロリとサソリを睨みつける。
実は苛立ちが爆発する寸前だ。
せっかく読書で誤魔化そうと思っていたのに台無しだ。
「おお、伝わってくる伝わってくる」
角都が黙っているにも関わらず、サソリは心情を読みとった。
角都がキレようとしたとき、リビングに飛段とデイダラが入ってきた。
運動が終わったあとなのだろう、飛段はフラフラだ。
「大丈夫か? うん」
「あ…、オレ…、もうヤバ…」
貧血気味なのか、飛段はフラリとよろめいた。
いつも騒がしい男が今はとても弱弱しく見える。
その姿にはどこか色があった。
角都はその姿に目が離せない。
それを横から見るサソリ。
「おい、エロい目になってるぞ、ジジイ」
当たり前だ。
ダイエットしているわけでもないのに、角都は丸5日も飛段を食っていない。
「ほどほどにしとかねえと死ぬぞ。うん」
「死なねえよ…。これも角都のためだ」
角都は本を閉じ、ソファーから立ち上がって飛段に近づいた。
「角…」
飛段とともに角都を見上げたデイダラはその迫力にビクリとして思わずあとずさる。
「ダイエットしているらしいな、飛段。オレが正しいダイエット法を教えてやる」
そう言って素早く飛段の手首をつかんで近くの空き部屋へと向かう。
サソリとデイダラはその背中を茫然と見送った。
空き部屋に到着と同時に角都は飛段を押し倒し、それから始めようとする。
「や、ちょっと待てって角都」
「知りたくないのか。正しいダイエット法」
「知りたいけど、これじゃいつもと変わらねえっつうか…」
「いや、これが正しいダイエット法だ。聞いておくが、貴様、何キロまで落とすつもりだ?」
「何キロってそりゃあ…」
そこで飛段は「あれ?」と首を傾げた。
「そういやオレ、目標体重決めてなかった…」
「だと思った」
油断した隙に、角都は飛段の服をひっぺがえした。
「うひゃあ!?」
飛段の体は前より少したくましく見えた。
「まったく無駄に筋肉をつけおって。貴様はあれぐらいがちょうどいいんだぞ」
「けど、角都、デブ嫌だろォ?」
「安心しろ。貴様はデブではない。どちらかといえば標準以下なほうだ」
「けど、デイダラが…」
「他人の言うことは気にするな。この緩み具合がいいんだ。今までそれ以上太らなかったのはオレのおかげだ」
「???」
布越しに角都の口元が笑みを浮かべた。
「どういうことかこれから教えてやる。そしてあとで知れ」
5日分の欲求不満が爆発する。
約半日が経過し、部屋から美肌で少し痩せた飛段が出てきた。
それを見たデイダラは目を疑った。
(痩せてる!!?)
おまけに、妙な色香まで漂わせていた。
まるで温泉の入浴後だ。
「いったいなにやったんだ? うん?」
部屋からは喘ぎ声しか聞こえなかったが。
「いつも通りだぜェ。わかったことは…」
飛段は顔をにぱっとさせて言う。
「食べた分だけヤればいい☆」
デイダラの心に吹雪が吹く。
その時、肌にハリのある角都も部屋から出てきた。
「今後一切、飛段に「太った」などと滅多なことは口にするな」
それだけ言うと、飛段とともに食堂へと向かった。
*****
デイダラはリビングのテーブルに伏していた。
「イタチィ、この5日間ダチのために動いてたオイラって…」
「おまえも食欲の秋を楽しめ」
イタチは持っていたみたらし団子をデイダラに差しだした。
その頃食堂では、飛段と角都が向かい合わせで再び秋の味覚を楽しんでいた。
.END