理想体であるために
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
季節は秋。
暁のメンバーも秋を楽しんでいた。
デイダラとサソリは作品に集中して芸術の秋を、角都と鬼鮫は書斎に引きこもって読書の秋を、飛段とイタチは団子を食べながら食欲の秋を満喫している。
ダイニングのテーブルの席に着いている向かい合わせの飛段とイタチは、鬼鮫がわざわざ買ってきてくれた団子を食べていた。
「角都が読書の秋なら、オレは食欲の秋だァ。秋の味覚を楽しまねえとは損な奴らだぜ」
先程から、皿にピラミッドのように積み上げられたみたらし団子を食べ続けている。
「夕食は栗ごはんか、さつまいもの味噌汁、かぼちゃコロッケ、デザートは秋のフルーツポンチ♪」
「さすがは鬼鮫だ」
無言で食べ続けていたイタチが声を発した。
…ぷに
「んぶ!?」
いきなり横から腹を人差し指の指先で突かれた。
驚いた飛段は団子がつまりそうになるのをこらえ、犯人に振り向く。
そこには、しゃがんで飛段の横腹をつついているデイダラがいた。
作品が一通り終わって休憩しに寄った。
「な…、なんだよ…」
困惑している飛段が声をかけると、デイダラは飛段の横腹から飛段の顔へと視線を上げた。
そして、横腹をつついていた人差し指で飛段を指して言う。
「飛段、おまえ、太っただろ? うん」
ガ―――ン!!
デイダラの言葉にショックを受けた飛段。
イタチは思わず己の腹周りを見た。
「な…」
ショックのあまり飛段はうまく声が出ない。
そんなことに構わず、デイダラは手に持っていた少量の粘土をこねる。
「食欲の秋だからって調子に乗りすぎたな。もう食ったら食った分だけ縦にデカくなる体じゃねーんだ。これ以上食欲の秋に乗っ取られてると…」
デイダラは出来たばかりの小さな飛段人形をテーブルの上に載せ、「喝」と小さく言った。
すると、飛段人形はブクブクと膨らみ、
パンッ!
爆竹のような破裂音とともに小さく爆発した。
「こうなるぜ。うん」
焦げて小さな煙を上げているテーブルの端を見つめながら、飛段は真っ青になっていた。
「オレがデブる…? デブったら…」
飛段は角都の言葉を想像する。
「悪いがデブは抱けん。重いだろ」
飛段の中に衝撃が走った。
脳内に除夜の鐘が聞こえる。
飛段はテーブルに伏せ、最近の角都を思い返した。
「…そういえば…、最近、角都が下(騎馬位)になってくんない…」
「心中は察するが、そんな性事情、口にすんな。うん」
イタチは構わず団子を食べ続けている。
.