銀色の華
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不死コンビはいつものように賞金稼ぎのバイトをしていた。
今回のターゲットは、百合の里と呼ばれる里にある大きな屋敷の主だ。
性は女性、賞金は1000万両。
珍しい忍術を使うため、裏のビンゴブックに載せられていた。
百合の里に到着した角都と飛段だったが、門番の女に門を潜ることを止められている。
「探し人だ。この里にいると聞いた」
「事情がどうであれ、女性以外はお通しできません」
門の向こうに見える里の人間は、全員女性だ。
角都と門番が話し合っている時も、外からくる女性は当然のように里の門を潜っている。
「なぜ女だけなんだ?」
角都の質問に門番は答える。
「昔からの規則ですから。許可書をお持ちでないのなら、どうぞ、お引き取りください」
厳しい顔で引き取り願いをする門番に腹を立てたのか、飛段が背中に携える大鎌を手に取ろうとした。
それに気付いた角都は、大鎌を手に取る前に飛段を手で制して止める。
飛段は不本意な顔を角都に向けながらも、手を下げた。
「…わかった…」
角都の引き際の良さは、飛段が怪訝に思うほど素直なものだった。
門番に背を向け、角都と飛段はその場をあとにした。
門番の視線を感じながら、飛段は角都に声をかける。
「面倒な村だよなァ。なんで止めんだよ。あんな門番、ちゃっちゃと片付けちまって、里に入れば…」
「騒ぎは避ける。賞金首が逃げる可能性があるからな」
角都は丘から見えた百合の里を思い出す。
里全体は高い塀で囲まれていて、指先が触れただけでも見張りが気付く仕組みになっている。
それだけではない。
変化の術を使って女に化けて門を潜ろうとすれば、門を潜った途端に術が解けてしまう仕組みにもなっている。
徹底した仕組みに角都はため息を漏らす。
忍び込むのは夜を狙うか、と考えたとき、飛段はボソリと言った。
「キレーな奴が女装すれば入れんじゃねーの? 暁なら、デイダラとか、イタチと…か…」
角都の目がキラリと光ったのを見て飛段は口を濁した。
まるで品定めしているかのような視線だ。
「え…、呼ぶの? 2人?」
飛段は立ち止まり、指を2本立てた。
角都も立ち止まり、飛段に言う。
「目の前にいるのに呼ぶ必要があるのか?」
飛段の行動は素早かった。
さっと角都に背を向け、逃れようと全速力で走る。
しかし、残念なことに角都の地怨虞に敵うスピードではなかった。
地怨虞で伸ばされた右手は飛段の頭をつかみ、釣りのように引き戻す。
「ヤダー!」
本人の意思を無視し、角都は嫌がる飛段を引きずりながら百合の里の近くにある町へと向かった。
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