ボヤージュ
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穴の中に埋められてから、どのくらいの時間が過ぎたのかわからない。
それでも、迎えが来るのを待っていた。
ずっとずっとずっと。
「角都…」
その名を忘れないように、呟いた。
何度も何度も何度も。
「角都…」
そして、眠りにつく。
「角都…」
*****
病院を抜け出た飛段は、あの場所に来ていた。
自分が埋められていた場所だ。
檻の中にいた男は、いつの間にかいなくなっていた。
あれも夢だったのかもしれない、と全てを思い出した飛段は、現実が夢で、夢が現実という感覚に陥っていた。
涙を浮かべたまま、もう一度、愛しい名前を呟く。
「角都…」
その時、後ろから左手首を優しくつかまれた。
ゆっくりと振り返ると、そこには薄笑みを浮かべた角都が立っていた。
「飛段」
その声に、飛段の瞳から大粒の涙が流れる。
「迎えに来たぞ」
「角都…っ」
抱きつく前に、優しく抱きしめられた。
飛段も角都の背中に腕をまわし、ギュッと抱きしめる。
「角都…!」
泣きじゃくる飛段の唇にキスを落とし、角都は言う。
「これからも、永遠に一緒だ」
.END