リクエスト:偽りの恋唄
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飛段と角都は昨夜泊まろうとした宿に戻ってきた。
窓の修理代を渡されても宿の主人は「もう勝手にしてくれ」と諦めたような表情を浮かべている。
「あいつ、相棒のところに逝けたと思うか?」
「さあ…。向こうについてはなにも知らん」
風呂から上がった角都と飛段は抱き合いながら一緒の布団に潜りこんでいた。
「角都…、悪かったな…」
「謝るな、気持ち悪い」
「ゲハハッ、酷ェなァ」
角都は一度黙り飛段を抱きしめ、飛段もそれに応えた。
「庇ってくれるのは嬉しいけどよ…。オレを残して死ぬなよ?」
「オレが死ぬ時は、貴様を殺してから死ぬ。他の誰にも殺させはしない。殺していいのは、オレだけだ」
「角都…」
飛段が頬を熱くさせ、角都にすり寄った。
角都は「それ以上なにも言うな」と口にしてから、布団を被ったまま飛段に覆いかぶさる。
「昨夜の続きだ」
「ハレンチモノにするんだっけ?」
「そうだ」
「そりゃ今はムリだ」
「?」
「シアワセモノになるから」
「……黙ってろ」
頬が熱くなるのを感じた角都は誤魔化すように飛段の唇にキスを落とした。
今夜も静かな夜。
耳を澄ませば、優しい琵琶の音と幸福な恋の唄が聴こえる気がする。
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