空の巻物
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アジトのリビングに入ったヨルは、ソファーで横になって唸っているデイダラと、その傍で座っているサソリを見つけた。
「う~ん…」
「本気で勝てると思ったのか」
デイダラの様子にサソリは呆れている。
「デイダラ、どうしたんだ?」
ヨルは2人に近づき、青ざめた顔のデイダラを見下ろした。
気持ち悪そうである。
デイダラの代わりにサソリが答える。
「イタチと団子の早食い競争してこのザマだ」
「うわ、無謀」という顔になるヨル。
「現在胸やけに苦しんでるってわけだ」
サソリはデイダラに顔を向け、背中をさすった。
「だ、旦那…、揺すらないでくれ…。うん…」
デイダラの声は蚊の鳴くような声だった。
ヨルは同情の目を向ける。
「あー…、オレも胸やけなんてしょっちゅうだ」
サソリは疑問に思った。
ヨルは血液しか摂取しない。
その他に摂取するものといえば、最近は酒とリンゴ飴ぐらいだ。
「なんだ? リンゴ飴の食いすぎか?」
そこで、食いすぎはないだろうと考えなおす。
あの角都と一緒なのだから。
ヨルは首を横に振って答える。
「いや、食いもんじゃなくて…」
とある日の食事中、角都は向かい側でご飯を食べている飛段の顔に手を伸ばした。
「米粒をつけるな」
「んー?」
しかも、指先でとったそれを食べた。
とある日の山道で。
「角都ゥ、寒ィ」
寒風に耐え切れず、角都にくっつく飛段。
ガタイのいい男2人がくっつく光景。
とある日の宿で。
「おい…、くっつくな…。足を絡ませるな…」
「Zz…」
寝ぼけて角都の布団にもぐりこむ飛段。
角都は眠さのあまり抵抗が弱い。
しまいにはそのまま眠ってしまう始末だ。
「見てるだけで、甘ったるい塊をムリヤリ腹に詰め込まれた気持ちに…」
説明するヨルの空気がだんだんとどんよりになっていく。
目は明後日の方向に向いていた。
「でさ…、一番だるいのが…」と説明を続けようとしたとき、サソリはそれを手で制して止めた。
「それは相談か愚痴と受け取っていいんだな? あとで部屋でゆっくり聞いてやるから、ここでその話はなしだ」
デイダラの胸やけが一層酷くなる。
「う~ん…」
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