夏の桜
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*飛段
最初は別々に宿を出て、オレとヨルは海辺で落ち合った。
今日も角都につけられなくてよかった。
真夏の太陽が照りつける猛暑のなか、オレ達は前のめりになりながら、あるものを拾い集めていく。
「ふう…」
外套を脱いでも暑いものは暑い。
一度姿勢を戻し、額から流れる汗を手の甲で拭った。
太陽の熱がジリジリと肌を焦がしていくのを感じる。
けど、オレは今まで一度も日焼けをしたことがない。
皮膚が再生しているからだろう。
「ヨル、そっちはどう…」
反対側で同じ作業をしているヨルに振り返ると、
「あ!!」
ヨルは砂浜に仰向けに倒れ、ザパーン、と波に打たれていた。
そういえば、猛暑に耐性のないヨルは短時間でも倒れてしまう。
オレは慌ててヨルに駆け寄り、その体を持ち上げ、「オラァ!」と海に投げ入れた。
しばらくして、ヨルは海面から顔を出し、息を荒く吸った。
「し…っ、死ぬかと思った…!」
顔を青くしたままそう言って、びしょ濡れになりながら砂浜に上がってきた。
「ビビらせんじゃねーよォ」
とりあえず、一旦松の木の木陰で休憩。
近くの店で買ってきた、ペットボトルに入った飲料水を2人で飲む。
「ここら辺はあらかた集めちまったなァ。まだ足りねーか。こうなったら、潜って捜すか? その方がヨルも倒れずに済むだろ」
飲料水を半分まで一気飲みし、隣のヨルに手渡す。
「オレは潜水得意じゃねーから、たぶん、無理」
ヨルはそう言ってオレが手渡したそれを全部飲みきり、口元を親指で拭ってから、「そうだ…」と言いだす。
「捜索隊作るか」
「は?」
オレが首を傾げると、ヨルはカラになったペットボトルを傍の地面に置き、立ち上がって砂浜に近づいた。
オレは怪訝な顔をしたままヨルの後ろについていく。
ヨルは音寄せを使ったのか、口の形を「い」にしている。
まさか、魚でも呼ぶつもりか。
それともコウモリ達に潜って捜してもらうつもりか。
しばらくして、それはやってきた。
「!」
それは海面から顔を出し、10匹が一列で横に並んでいる。
「イルカ!?」
「この前図鑑で見た」
ヨルはイルカ達を見たままそう言って、手を挙げた。
「よし! 行け!」
イルカは1匹ずつ宙を見事なジャンプで飛んでから飛びこみ、海へと消えていく。
「海に潜って捜してもらえるよう、頼んどいたから」
「そんな便利なモン持ってんなら、最初からやってくれよ、ホント」
.
最初は別々に宿を出て、オレとヨルは海辺で落ち合った。
今日も角都につけられなくてよかった。
真夏の太陽が照りつける猛暑のなか、オレ達は前のめりになりながら、あるものを拾い集めていく。
「ふう…」
外套を脱いでも暑いものは暑い。
一度姿勢を戻し、額から流れる汗を手の甲で拭った。
太陽の熱がジリジリと肌を焦がしていくのを感じる。
けど、オレは今まで一度も日焼けをしたことがない。
皮膚が再生しているからだろう。
「ヨル、そっちはどう…」
反対側で同じ作業をしているヨルに振り返ると、
「あ!!」
ヨルは砂浜に仰向けに倒れ、ザパーン、と波に打たれていた。
そういえば、猛暑に耐性のないヨルは短時間でも倒れてしまう。
オレは慌ててヨルに駆け寄り、その体を持ち上げ、「オラァ!」と海に投げ入れた。
しばらくして、ヨルは海面から顔を出し、息を荒く吸った。
「し…っ、死ぬかと思った…!」
顔を青くしたままそう言って、びしょ濡れになりながら砂浜に上がってきた。
「ビビらせんじゃねーよォ」
とりあえず、一旦松の木の木陰で休憩。
近くの店で買ってきた、ペットボトルに入った飲料水を2人で飲む。
「ここら辺はあらかた集めちまったなァ。まだ足りねーか。こうなったら、潜って捜すか? その方がヨルも倒れずに済むだろ」
飲料水を半分まで一気飲みし、隣のヨルに手渡す。
「オレは潜水得意じゃねーから、たぶん、無理」
ヨルはそう言ってオレが手渡したそれを全部飲みきり、口元を親指で拭ってから、「そうだ…」と言いだす。
「捜索隊作るか」
「は?」
オレが首を傾げると、ヨルはカラになったペットボトルを傍の地面に置き、立ち上がって砂浜に近づいた。
オレは怪訝な顔をしたままヨルの後ろについていく。
ヨルは音寄せを使ったのか、口の形を「い」にしている。
まさか、魚でも呼ぶつもりか。
それともコウモリ達に潜って捜してもらうつもりか。
しばらくして、それはやってきた。
「!」
それは海面から顔を出し、10匹が一列で横に並んでいる。
「イルカ!?」
「この前図鑑で見た」
ヨルはイルカ達を見たままそう言って、手を挙げた。
「よし! 行け!」
イルカは1匹ずつ宙を見事なジャンプで飛んでから飛びこみ、海へと消えていく。
「海に潜って捜してもらえるよう、頼んどいたから」
「そんな便利なモン持ってんなら、最初からやってくれよ、ホント」
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