罪と祝福の日
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*ヨル
時間は朝を通りこして昼近くになってしまった。
その間に破れていた鼓膜は半分以上回復した。
探知蝙蝠で気配を辿って着いた場所には四方を白い壁に囲まれた白い建物があった。
森の中心にそびえ立っていたから気配を辿っている途中であの建物じゃないかと勘付いたが正解だったようだ。
窓を下から数えてみると10階以上はあるだろうか。
見た目はまるで病院だ。
飾り気もなく無機質すぎて入院したいとは思わない。
「堂々としてるもんだな。薬、死肉、血液。オレだからか? わかりやすいほど匂い漏れしてるぜ」
オレは近くまで近づき、大きな壁を見上げて呟いた。角都もオレの隣に立ち、それを見上げる。
「改装でもされたのか、元は牢獄かもしれん」
壁も高すぎるしな。
「で、どうやって飛段を奪還する? やっぱり、堂々と正面から乱入するか?」
「出始めに騒がれても逃げられるだけだ。これだけ大きな建物だ。逃げ道はいくらでもある。耳も完全には回復していないだろう?」
確かにこれじゃあ内部や中にいる人間の動きがわからない。
「じゃあ?」
「最初に堂々と正面から行くのは貴様だけにしろ。アレを使って見張りを静かに始末してくれれば、オレはあとから見張りに変化して潜入する」
「わかった。アレだな」
その前にオレは角都の手の甲に探知蝙蝠を仕込んでおく。
これで角都の位置と状況がわかる。
それから角都には荷物を仕舞うことに使用する巻物とイアホン型の無線機を渡された。
そのあとオレは指を噛み切り、左肩の痣にこすりつける。
闇染発動。
これでオレの姿は角都の目からも消えたはずだ。
早速行動に出る。
建物に沿って歩いていくと小さい扉を発見した。
その手前には内部関係者と思わしき見張りが立っている。
よく見たらオレが噛みついた男じゃないか。
腰にはあの刀を差し、左のふくらはぎには包帯が巻かれていた。
オレはそいつの背後にそっと近づき、
「よお、さっきはどーも」
「!? ぅ!?」
先に左手で口を塞ぎ、血が噴き出ないようにその首筋に噛みつき、血を啜った。そいつは抵抗したが、すぐにダランと腕を垂らして絶命した。
「ふぅ…」
噛みついた時点で闇染の効力は消え、角都の目にオレの姿が映る。
「建物に入ってその先は別行動だ」
「わかった」
頷いたオレは仕留めたそいつを茂みに隠し、角都は変化の術を使って内部へと侵入する。
見張りは1人だけだったようだ。
建物へとはたやすく侵入できた。
まあ、騒がれるほどの極悪人のアジトってわけでもないんだろう。
それに、見張りが多すぎると却って世間から怪しまれる。
角都は地下と1~5階まで、オレはそれらを飛ばして6階から屋上まで探すことにした。
待ってろ飛段。
日付が変わる前に探し出してやる。
.
時間は朝を通りこして昼近くになってしまった。
その間に破れていた鼓膜は半分以上回復した。
探知蝙蝠で気配を辿って着いた場所には四方を白い壁に囲まれた白い建物があった。
森の中心にそびえ立っていたから気配を辿っている途中であの建物じゃないかと勘付いたが正解だったようだ。
窓を下から数えてみると10階以上はあるだろうか。
見た目はまるで病院だ。
飾り気もなく無機質すぎて入院したいとは思わない。
「堂々としてるもんだな。薬、死肉、血液。オレだからか? わかりやすいほど匂い漏れしてるぜ」
オレは近くまで近づき、大きな壁を見上げて呟いた。角都もオレの隣に立ち、それを見上げる。
「改装でもされたのか、元は牢獄かもしれん」
壁も高すぎるしな。
「で、どうやって飛段を奪還する? やっぱり、堂々と正面から乱入するか?」
「出始めに騒がれても逃げられるだけだ。これだけ大きな建物だ。逃げ道はいくらでもある。耳も完全には回復していないだろう?」
確かにこれじゃあ内部や中にいる人間の動きがわからない。
「じゃあ?」
「最初に堂々と正面から行くのは貴様だけにしろ。アレを使って見張りを静かに始末してくれれば、オレはあとから見張りに変化して潜入する」
「わかった。アレだな」
その前にオレは角都の手の甲に探知蝙蝠を仕込んでおく。
これで角都の位置と状況がわかる。
それから角都には荷物を仕舞うことに使用する巻物とイアホン型の無線機を渡された。
そのあとオレは指を噛み切り、左肩の痣にこすりつける。
闇染発動。
これでオレの姿は角都の目からも消えたはずだ。
早速行動に出る。
建物に沿って歩いていくと小さい扉を発見した。
その手前には内部関係者と思わしき見張りが立っている。
よく見たらオレが噛みついた男じゃないか。
腰にはあの刀を差し、左のふくらはぎには包帯が巻かれていた。
オレはそいつの背後にそっと近づき、
「よお、さっきはどーも」
「!? ぅ!?」
先に左手で口を塞ぎ、血が噴き出ないようにその首筋に噛みつき、血を啜った。そいつは抵抗したが、すぐにダランと腕を垂らして絶命した。
「ふぅ…」
噛みついた時点で闇染の効力は消え、角都の目にオレの姿が映る。
「建物に入ってその先は別行動だ」
「わかった」
頷いたオレは仕留めたそいつを茂みに隠し、角都は変化の術を使って内部へと侵入する。
見張りは1人だけだったようだ。
建物へとはたやすく侵入できた。
まあ、騒がれるほどの極悪人のアジトってわけでもないんだろう。
それに、見張りが多すぎると却って世間から怪しまれる。
角都は地下と1~5階まで、オレはそれらを飛ばして6階から屋上まで探すことにした。
待ってろ飛段。
日付が変わる前に探し出してやる。
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