罪と祝福の日
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*角都
なにかあったのはわかった。
だが、駆けつけた時には手遅れだった。
そこにはあったのは血で描かれたジャシンマークと飛び散った血と、ヨルだけだった。
ヨルは耳から流血しながらその場に膝をついていた。
その右手には飛段の額当てと千切れたペンダントのヘッドが握られてある。
オレが近づいたことに気付いてないのか。
「ヨル」
呼んでもこっちに振り返らない。
「おい」
オレが肩に手を置くと、ヨルはゆっくりとこちらに振り返った。
「なにがあった?」
オレが尋ねるとヨルは首を傾げた。
やはり、鼓膜をやられている。
オレは口布を下ろし、再度「なにがあった? 状況を説明しろ」と今度は大きめの声で尋ねる。
回復段階に入っているのか、ヨルは言葉を理解して答える。
「飛段が…、連れて行かれた」
悔しげに答えたが、オレは構わずその横っ面を素手で殴った。
手加減して殴ったつもりだ。
ヨルは口元の血を拭い、横倒しになった己の体を起こし、殴られた頬を擦った。
「駆けつけるのが遅れたオレも悪い」
「聞こえねーよ…」
聞かせるつもりはない謝罪だ。
代わりに言葉を変える。
「襲ってきた奴らは、賞金首の仲間か?」
「たぶん違う。元から飛段が狙いだったようだし。その証拠に、首を飛ばされて喋ってもあいつら驚きもしなかった。薬品臭かったから、おそらく医者か研究者。オレは後者の方だと思う」
同感だ。
あいつの体を研究したい輩は少なくはない。
2人をセットで残しておくのは今後やめた方がいいのかもしれない。
なにかとトラブルを呼ぶ。
「面倒臭そうな顔だな」
飛段と同じことを言ってくれるな。
そういう顔になるこっちの気持ちも理解しろ。
「行き先の見当はつかないのか?」
その言葉を待っていたかのようにヨルは口元に不敵な笑みを浮かべ、己の右肩をつかんだ。
「オレの肩を蹴ってくれたクソヤロウの居場所ならわかるぜ」
探知蝙蝠か。
連れ去られたのが飛段でよかったのかもしれない。
「案内しろ」
.
なにかあったのはわかった。
だが、駆けつけた時には手遅れだった。
そこにはあったのは血で描かれたジャシンマークと飛び散った血と、ヨルだけだった。
ヨルは耳から流血しながらその場に膝をついていた。
その右手には飛段の額当てと千切れたペンダントのヘッドが握られてある。
オレが近づいたことに気付いてないのか。
「ヨル」
呼んでもこっちに振り返らない。
「おい」
オレが肩に手を置くと、ヨルはゆっくりとこちらに振り返った。
「なにがあった?」
オレが尋ねるとヨルは首を傾げた。
やはり、鼓膜をやられている。
オレは口布を下ろし、再度「なにがあった? 状況を説明しろ」と今度は大きめの声で尋ねる。
回復段階に入っているのか、ヨルは言葉を理解して答える。
「飛段が…、連れて行かれた」
悔しげに答えたが、オレは構わずその横っ面を素手で殴った。
手加減して殴ったつもりだ。
ヨルは口元の血を拭い、横倒しになった己の体を起こし、殴られた頬を擦った。
「駆けつけるのが遅れたオレも悪い」
「聞こえねーよ…」
聞かせるつもりはない謝罪だ。
代わりに言葉を変える。
「襲ってきた奴らは、賞金首の仲間か?」
「たぶん違う。元から飛段が狙いだったようだし。その証拠に、首を飛ばされて喋ってもあいつら驚きもしなかった。薬品臭かったから、おそらく医者か研究者。オレは後者の方だと思う」
同感だ。
あいつの体を研究したい輩は少なくはない。
2人をセットで残しておくのは今後やめた方がいいのかもしれない。
なにかとトラブルを呼ぶ。
「面倒臭そうな顔だな」
飛段と同じことを言ってくれるな。
そういう顔になるこっちの気持ちも理解しろ。
「行き先の見当はつかないのか?」
その言葉を待っていたかのようにヨルは口元に不敵な笑みを浮かべ、己の右肩をつかんだ。
「オレの肩を蹴ってくれたクソヤロウの居場所ならわかるぜ」
探知蝙蝠か。
連れ去られたのが飛段でよかったのかもしれない。
「案内しろ」
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