空の巻物
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飛段と角都が怒鳴り合い、飛段が部屋を飛び出し、ヨルがそれを追いかけてから2時間が経過していた。
喧嘩の内容は、飛段が敵の策にまんまと引っ掛かり、賞金首を逃がしてしまったことだ。
角都はずっと机の前に座り、最近買ったばかりの古書を読んでいた。
じっくりと時間をかけて目で文字を追いかけている。
少しして、部屋に気配を感じた。
「…ヨルに説教されちまったァ」
「怖ェよな、あいつ(汗)」と苦笑しながら、飛段が角都の背後に胡坐を掻いて座る。
その声を聞いた角都は、振り返らずに黙ったまま読書を続けた。
その反応を見た飛段はバツの悪い顔をし、口を開く。
「まだ、怒ってる…よな…。そりゃ…、取り逃がしたオレが悪いぜ…。けど、幻術に慣れてねーから…」
飛段は賞金首に幻術をかけられ、逃げられてしまったのだ。
「……………」
返事を返してくれない角都に飛段は、言い訳がましかったかと反省し、後頭部をガシガシと掻く。
「…明日、取り逃がした賞金首を捜す。だから、機嫌直してくれよォ。ヨルも手伝ってやるって言ってくれてるし…」
「……………」
それでも黙っていた角都だが、ため息をつき、飛段に肩越しに振り返った。
「オレはもう、そのことについては怒ってはいない。明日は、予定の賞金首に集中しろ。取り逃がした賞金首は機会があればまた遭えるはずだ」
「角都…」
飛段の顔がぱっと明るくなる。
角都は再び古書に視線を落として言う。
「!!?」
驚くと同時に、ヨルは変化を解いた。
(似てる自信あったのにー!)
そして、ひとり芝居の恥ずかしさに顔を真っ赤にする。
「わかってんなら最初から言えよっ!」
逆切れの捨てゼリフを残し、部屋を飛び出して別室で拗ねたままの飛段のもとへと向かう。
会ったら真っ先に八つ当たりしてやると決めて。
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