砂城の呪われた宝石
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「あのままボクを信用していれば、簡単に殺してやったというのに。損な奴だ」
「オレの信用を得るには馬鹿さが足らんな」
「へえ、馬鹿が好きか。ガフと同じ、変わり者だな」
ブシュッ!!
体のところどころを食い千切られ、角都とガフは成す術がないかと思われたが、
ガキン!!
「…っ、が…」
角都の硬化した腕に噛みついてしまったアルトは、歯から伝わった一瞬動きを止めた。
口から欠けた歯がこぼれる。
角都は己のチャクラが通常に戻り、体全体を硬化できるようになったことを理解し、背中から仮面達を出した。
それから、隣で座り込んで傷口を押さえているガフに言う。
「貴様まで塵になってしまうとオレが困る。離れていろ」
ガフは黙ったまま頷き、角都の背後に回った。
「させるか…!」
アルトが動き出そうとした瞬間、ガフは横に右手を振り上げた。
すると、背後から鎖百足が飛び出し、アルトの体を縛る。
「!!」
アルトが面食らっている隙に、ガフは角都に叫んだ。
「鎖百足ごとやってくれ!」
「言われずとも」
角都は前を見ながら返し、素早く印を結んだ。
「火遁・頭刻苦! 風遁・圧害! 雷遁・偽暗!」
大きな閃光がアルトに直撃する。
ドォン!!!
周りの床と壁は吹き飛び、
「うお!?」
ガフも耐えきれず爆風に吹き飛ばされた。
カラン、とアルトの首輪が床に落ちる。
「無駄だ無駄だ。ボクは塵になろうが、何度でも蘇る」
首輪からアルトの頭部が再生されていく。
それでも角都は冷静だった。
冷静に、冷酷な手に出る。
「そうか」
両手をかざし、縫い目から地怨虞を出し、ぎゅるぎゅると音を立てながらアルトの頭部と首輪を何重にも縛っていく。
「な!? なにをする!! やめろ!!」
体が再生する前に固定されてしまっては再生するものもできなくなってしまう。
余計に自分を締め付けるだけだ。
アルトは「やめろやめろ」と訴えるが、口も縛られてしまい、やがて地怨虞の塊となってしまった。
角都は具合を見て地怨虞を切り離す。
その塊はビクビクと動くだけで物言わぬただの物体となってしまった。
「そのまま城とともに永劫を生きろ」
振り返ると、ガフの姿が消えていた。
「…逃げられたか」
角都は舌を打ったが、「あのガキのところに行ったのだろう」と考え、通路を進んだ。
しばらくして、見覚えのある人影がこちらに駆け寄ってきた。
「角都!」
「ヨル」
どちらも、戦慄のメンバーと戦って勝利したのだと悟った。
「ガフはどこ行ったんだ?」
「どさくさにまぎれて逃げた。…また邪魔する気か?」
だとすれば、また戦いになるかもしれない。
そこでヨルは案を出した。
「まあ待てよ。ガフはこの城の脱出方法を知ってる。狩るのはそれからでいいだろ。…それと、できれば、オレに始末をつけさせてくれねーかな? ちゃんとケリつけて、換金もしてくる」
当然、角都は怪訝な顔をした。
それはヨルにも伝わった。
「邪魔したオレが悪かったよ。だから、詫びのつもりだ」
「素直すぎる。信じ難い話だな」
「命賭けるぜ」
そう言うヨルの目は真剣で、どこか自信的なものもあった。
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