砂城の呪われた宝石
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ヨルとガフは古城の図書館に来ていた。
膨大な数の本や巻物は地震に遭ったかのようにほとんどが床に散らばっていた。
近くに丁寧に積まれてあるのは、ガフが読み終えたものだ。
たった5日で図書館の3分の1を読み終えたのだ。
ヨルは指示をされた通り、それらしい本と巻物を捜す。
内容にふさわしいものがなければ、積まれた方へと放った。
「呪いの解き方なんて本、ホントにあるのか?」
50冊を調べ終えたヨルは耐えかねてガフに尋ねた。
ガフは目で字を追いながら答える。
「どこかにあるはずだ」
「大体、呪いってなんだ? なんの呪いをかけられたんだ?」
「呪い」という単語だけで、ヨルの脳裏に、「ゲハハ」と笑う儀式モードの飛段がよぎった。
「…かけられたのは、オレの相棒だ。今も、その呪いはじわじわと相棒の体を蝕んでいる。あいつの一族は、その呪いで……」
「…?」
「呪いってのは…」
ガフの口から、具体的な呪いの内容が聞かされる。
*****
砂上は朝になろうとしていた。
月は薄らぎ、空はうっすらと水色に染まっていく。
角都と戦慄は目的地を前に、砂人形達と戦っていた。
角都の硬化したコブシを振るい、ソフラは“悪魔ノ宣告”で爆破させ、シャフは金属化した両手で切り裂き、アルトは銀の剣で貫く。
「ここが目的地だ」
角都の記憶が正しければ、目的地に到着したことになる。
そこには、石板以外なにもなかった。
石板には術式が刻まれてある。
アルトは懐から赤い液体の入った小さな小瓶を取り出し、石板の上に垂らした。
すると、石板は妖しい光を放った。
石板の周りを術式の光が囲う。
「円陣の中に入れ」
アルトの言われるままに、角都と戦慄のメンバーは光る円陣の中に足を踏み入れた。
それを確認したアルトは石板に触れる。
「逆口寄せの術」
瞬間、角都と戦慄の姿は光とともに消えた。
*****
一方、飛段とカナデは砂人形から逃げながら目的地を目指していた。
「クソ! 超しつけぇ奴らだ!」
飛段は自分よりも足が劣るカナデを肩に担いで移動している。
カナデは地図を両手に、後ろ向きにも関わらず指示した。
「このまま真っ直ぐ! 石板が見えたらそこが目的地だ!」
突然、足下から多くの砂の手が伸びてきた。
飛段は慌ててジャンプし、宙返りで着地する。
それから周りに次々と現れるが、ワイヤーを伸ばし、それを操って大鎌で砂人形達を切り裂いた。
「後ろ後ろ!」
カナデの目の前に砂人形が手を伸ばして迫る。
飛段は半回転し、砂人形の顔面に蹴りを打ちこんで砕いた。
「おい、平気か?」
続く飛段のトリッキーな動きに、一緒にいるカナデはぐったりとしていた。
「酔う…」
「あ、おい! 石板見えてきたぞ!」
「! 下ろして!」
飛段はカナデをその場に下ろし、カナデは飛段とともに砂人形から逃げながら、親指の腹を噛み切った。
石板の前に到着し、流血している親指を石板の表面に擦りつける。
砂人形達はすぐそこまで来ていた。
カナデは焦りながら石板に触れる。
「逆口寄せの術!」
角都達同様、飛段とカナデの姿は光とともに消えた。
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