23:猛者よ集え
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*飛段
ヨルと角都と分かれたオレは、堂々と里の中を歩き回っていた。
聞き込みはまだ一度もしていないが、違和感に思ったことがある。
雲隠れ、霧隠れ、雨隠れ、砂隠れなど、すれ違う忍の額当てのマークが、別の里の奴らばかりだ。
随分とよその里の奴らが来訪してるもんだ。
中忍試験でもあるのか。
ふわぁ、と欠伸が出て、自分が今聞き込みをしていることを思い出した。
欠伸涙を浮かべたまま宙を睨みつける。
「あ―――、メンドクセー…。このままサボっちまおうかなァ…」
だが、情報収集しねえと角都の鉄拳が飛んでくるし、動いてねえとヨルにバレちまう。
手の甲の痣、どうにか消せないものか。
とりあえず、一応、聞いておくだけ聞いておくか。
“居酒屋”と看板の出た店の前で立ち止まり、中へと入った。
「いらっしゃい」と中年の店主に一声かけられたあと、オレは真っ直ぐとカウンターに座る。
昼から酒飲む忍はいないだろうと周りを見回すと、オレの他にも3人の忍がテーブル席に座っていた。
額当てから見るに、岩隠れと砂隠れと霧隠れの忍だ。
「なににしやしょ?」
店主に声をかけられ、オレは視線をそちらに移して尋ねる。
「五尾ってのを捜してんだけど、なんか知らねえか?」
一斉に、店内にいる人間の視線がこちらに集中したのがわかった。
店主は目を丸くし、急に声を潜める。
「お客さん、その名はちょっと…」
「なんかマズいのか?」
オレがそう尋ねると、テーブル席に座っていたうちの岩隠れの忍がこちらに近づいてきた。
立ち上がるとけっこうデカい奴だ。
「そうそう、オレ達もハンに…、五尾に会いに来たんだぜ。けど、てめーが会うのは叶わねーぜ、兄ちゃん」
五尾の人柱力がハンという名前だと知った。
嘲笑とともにいきなり喧嘩売ってきたそいつを睨みつける。
「け…、喧嘩腰はよくないですよ;」
次に砂隠れの忍が近づいてきた。
おどおどしていて、年齢で言ったらオレより10は下のガキだ。
ギロリと睨んだオレを見て、「ひっ」と声を上げてデカい奴の後ろに隠れる。
「おまえら、なんか知ってんのか?」
そこでシラを切ってくれたらズタズタにしてやる。
岩隠れの忍が訝しげにこちらを見下ろす。
「…おまえ、大会のことも知らずにこの里に来たのか?」
「大会?」
そんな話は初耳だ。
角都の奴、また隠してたんじゃねーだろうな。
「知らないフリでもなさそうね」
テーブル席に座ったままの霧隠れの忍の女が説明を始める。
「大会っていうのは、この岩隠れの里で開かれる武道大会のことだよ。予選を勝ち抜いた忍同士がチームを組んで本戦で戦うの。で、最後まで勝ち抜いたチームには、一生遊んで暮らせる大金が手に入るってわけ。魅力的でしょ?」
「金なんかに興味はねーよ。それと五尾ってのとどう関わりがあるってんだ?」
一瞬きょとんという顔をした霧隠れの忍がまた説明してくれる。
「あたしらみたいな忍の噂じゃ、ハンも出てくるって話なんだよね。そいつに勝てば……」
「水波(ミナミ)、喋り過ぎだぞ」
水波と呼ばれた霧隠れの忍は「アハハッ」と笑う。
「べつに、知られてもどうってことないでしょ」
「予選ってのは?」
砂隠れの忍に尋ねると、砂隠れの忍は両手首の鉄の腕輪を見せて答える。
「えと…、この腕輪を奪い合うんです。左右10個集めれば予選突破です。出入口で通行証を見せて大会のことを言えばもらえるはずなんですが…」
オレ達は別ルートから来たからもらえてない。
「セキ!」
「は、はい、すみません…;」
セキと呼ばれた砂隠れの忍は岩隠れの忍に一喝されて縮こまった。
「まあ、そういうことだ。兄ちゃんはケガしねーうちに里に帰りな。えーと…、兄ちゃんの里は…」
オレの額当てを見た岩隠れの忍は、「ははっ」と馬鹿にした笑いを漏らし、オレの目の前にその顔が迫る。
「ああ…、あの里の忍か…。あの、腰抜け里の…」
ドゴ!!
「ぶぉっ!」
里の名を口にされる前に、その顔面に蹴りをぶちこんでやった。
岩隠れの忍は吹っ飛び、店の扉を突き破った。
「てめ…」
地面に転がった岩隠れの忍は鼻血を垂らしながら上半身を起こし、こちらを睨んだ。
オレは席から立ち上がり、水波とセキの間を通過して店の外へ出てそいつを見下ろす。
「あー悪ィ、超蹴りてェ顔が目の前に迫ってきたもんだからよォ」
いや、蹴るだけじゃ足りねえな。
オレはコブシを鳴らした。
「あ―――…、殴りてェ、切りてェ、刻みてェ、殺してェ―――」
「……………;」
岩隠れの忍はやっと自分が喧嘩を売った相手を理解したのか、真っ青だ。
「ゲハハハ!」
逃げられる前にそいつに飛びかかった。
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ヨルと角都と分かれたオレは、堂々と里の中を歩き回っていた。
聞き込みはまだ一度もしていないが、違和感に思ったことがある。
雲隠れ、霧隠れ、雨隠れ、砂隠れなど、すれ違う忍の額当てのマークが、別の里の奴らばかりだ。
随分とよその里の奴らが来訪してるもんだ。
中忍試験でもあるのか。
ふわぁ、と欠伸が出て、自分が今聞き込みをしていることを思い出した。
欠伸涙を浮かべたまま宙を睨みつける。
「あ―――、メンドクセー…。このままサボっちまおうかなァ…」
だが、情報収集しねえと角都の鉄拳が飛んでくるし、動いてねえとヨルにバレちまう。
手の甲の痣、どうにか消せないものか。
とりあえず、一応、聞いておくだけ聞いておくか。
“居酒屋”と看板の出た店の前で立ち止まり、中へと入った。
「いらっしゃい」と中年の店主に一声かけられたあと、オレは真っ直ぐとカウンターに座る。
昼から酒飲む忍はいないだろうと周りを見回すと、オレの他にも3人の忍がテーブル席に座っていた。
額当てから見るに、岩隠れと砂隠れと霧隠れの忍だ。
「なににしやしょ?」
店主に声をかけられ、オレは視線をそちらに移して尋ねる。
「五尾ってのを捜してんだけど、なんか知らねえか?」
一斉に、店内にいる人間の視線がこちらに集中したのがわかった。
店主は目を丸くし、急に声を潜める。
「お客さん、その名はちょっと…」
「なんかマズいのか?」
オレがそう尋ねると、テーブル席に座っていたうちの岩隠れの忍がこちらに近づいてきた。
立ち上がるとけっこうデカい奴だ。
「そうそう、オレ達もハンに…、五尾に会いに来たんだぜ。けど、てめーが会うのは叶わねーぜ、兄ちゃん」
五尾の人柱力がハンという名前だと知った。
嘲笑とともにいきなり喧嘩売ってきたそいつを睨みつける。
「け…、喧嘩腰はよくないですよ;」
次に砂隠れの忍が近づいてきた。
おどおどしていて、年齢で言ったらオレより10は下のガキだ。
ギロリと睨んだオレを見て、「ひっ」と声を上げてデカい奴の後ろに隠れる。
「おまえら、なんか知ってんのか?」
そこでシラを切ってくれたらズタズタにしてやる。
岩隠れの忍が訝しげにこちらを見下ろす。
「…おまえ、大会のことも知らずにこの里に来たのか?」
「大会?」
そんな話は初耳だ。
角都の奴、また隠してたんじゃねーだろうな。
「知らないフリでもなさそうね」
テーブル席に座ったままの霧隠れの忍の女が説明を始める。
「大会っていうのは、この岩隠れの里で開かれる武道大会のことだよ。予選を勝ち抜いた忍同士がチームを組んで本戦で戦うの。で、最後まで勝ち抜いたチームには、一生遊んで暮らせる大金が手に入るってわけ。魅力的でしょ?」
「金なんかに興味はねーよ。それと五尾ってのとどう関わりがあるってんだ?」
一瞬きょとんという顔をした霧隠れの忍がまた説明してくれる。
「あたしらみたいな忍の噂じゃ、ハンも出てくるって話なんだよね。そいつに勝てば……」
「水波(ミナミ)、喋り過ぎだぞ」
水波と呼ばれた霧隠れの忍は「アハハッ」と笑う。
「べつに、知られてもどうってことないでしょ」
「予選ってのは?」
砂隠れの忍に尋ねると、砂隠れの忍は両手首の鉄の腕輪を見せて答える。
「えと…、この腕輪を奪い合うんです。左右10個集めれば予選突破です。出入口で通行証を見せて大会のことを言えばもらえるはずなんですが…」
オレ達は別ルートから来たからもらえてない。
「セキ!」
「は、はい、すみません…;」
セキと呼ばれた砂隠れの忍は岩隠れの忍に一喝されて縮こまった。
「まあ、そういうことだ。兄ちゃんはケガしねーうちに里に帰りな。えーと…、兄ちゃんの里は…」
オレの額当てを見た岩隠れの忍は、「ははっ」と馬鹿にした笑いを漏らし、オレの目の前にその顔が迫る。
「ああ…、あの里の忍か…。あの、腰抜け里の…」
ドゴ!!
「ぶぉっ!」
里の名を口にされる前に、その顔面に蹴りをぶちこんでやった。
岩隠れの忍は吹っ飛び、店の扉を突き破った。
「てめ…」
地面に転がった岩隠れの忍は鼻血を垂らしながら上半身を起こし、こちらを睨んだ。
オレは席から立ち上がり、水波とセキの間を通過して店の外へ出てそいつを見下ろす。
「あー悪ィ、超蹴りてェ顔が目の前に迫ってきたもんだからよォ」
いや、蹴るだけじゃ足りねえな。
オレはコブシを鳴らした。
「あ―――…、殴りてェ、切りてェ、刻みてェ、殺してェ―――」
「……………;」
岩隠れの忍はやっと自分が喧嘩を売った相手を理解したのか、真っ青だ。
「ゲハハハ!」
逃げられる前にそいつに飛びかかった。
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