22:動き出す赤雲
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*ヨル
尾獣の話を聞いて早々、オレ達はアジトから出発することになった。
人がせっかく昼寝してたところなのに。
欠伸をしながらアジトの出入口へと向かう。
角都と飛段はもう外に出ていた。
時間なんて永遠にあるってのに、せっかちな奴らだ。
扉のノブに手をかけたとき、ギンジが近づいてきた。
「ヨルさん、忘れモンです」
「お」
寝ていた時にポケットから落ちたのか、その小さな袋を受け取った。
袋には赤いサソリのマークがある。
この間、宿の前で解散する時にサソリにもらったものだ。
戦いに不可欠なものだから、いざという時のためにとっておいてある。
「ヨル」
扉越しから角都の声が聞こえ、オレはギンジ達に礼を言ってから扉を開けて外へと出た。
階段の頂上には外の光を背負った2人がこちらを見下ろしている。
一段飛ばしで階段をのぼり、2人の前で立ち止まった。
「行くぞ」
角都が歩きだすと同時に、オレと飛段も歩きだした。
「本格的に尾獣集めとやらが始まったな」
尾獣がなんなのかは以前から聞いてはいた。
角都が言うには、朱鬼に匹敵するようなバケモノで、それがこの世界に9匹も存在する。
尾の数で名前が違うらしい。
オレ達がこれから追うは、五尾。
名前からして五本の尻尾をもったバケモノとは理解できるが、姿まではわからない。
それに五尾を探す前にまず、人柱力という尾獣を宿した人間を探し出し捕獲しなければならない。
それが誰なのかははっきりしていないが、岩隠れという場所にいるらしい。
デイダラの隠れ里で、行くのは初めてだ。
新しい土地を踏むのはオレとしては楽しみだ。
「そんな物騒なモン集めてどうする気だ?」
もしかして朱鬼よりタチが悪くないか。
「オレ達は黙って任務をこなせばいい。…おいおい話してやる」
もう一度言いたい。
オレだって仮にも暁なのだから、内部の情報は包み隠さず話してほしい、と。
けど、「あくまで仮だ」と言い返されそうなのでやめた。
今でも角都に口で勝ったことはない。
まあ、どんな目的であれ、オレはこいつらについていくつもりだ。
世界が滅ぼされようが更生されようが、オレ達が死ぬようなことはないだろう。
死ななきゃ、それでいい。
オレのこの位置を崩されなければ、それでいい。
人通りの多い通りから町の出入口へと向かう。
出入口が見えてきたとき、どん、と向かい側から来た人間にぶつかり、体が少し傾いた。
「あ、悪……」
謝ろうとしたとき、通過した人間が、オレの知っている人間な気がした。
雪のような真っ白な髪、右袖のない着物、右腕の蝶の刺青。
はっと振り返ったが、そこにはオレの知っている人間はいなかった。
「ヨル、どした?」
飛段がオレの顔をのぞきこんできた。
オレは薄笑みを作り、首を横に振るう。
「いや…、まだ眠いカンジ…」
頬の冷や汗は手で隠した。
「おいおい、これから町出るんだぜ。いい夢は野宿にとっとけ」
「ああ…」
こちらで悪夢が起きないことを祈りながら。
.To be continued
尾獣の話を聞いて早々、オレ達はアジトから出発することになった。
人がせっかく昼寝してたところなのに。
欠伸をしながらアジトの出入口へと向かう。
角都と飛段はもう外に出ていた。
時間なんて永遠にあるってのに、せっかちな奴らだ。
扉のノブに手をかけたとき、ギンジが近づいてきた。
「ヨルさん、忘れモンです」
「お」
寝ていた時にポケットから落ちたのか、その小さな袋を受け取った。
袋には赤いサソリのマークがある。
この間、宿の前で解散する時にサソリにもらったものだ。
戦いに不可欠なものだから、いざという時のためにとっておいてある。
「ヨル」
扉越しから角都の声が聞こえ、オレはギンジ達に礼を言ってから扉を開けて外へと出た。
階段の頂上には外の光を背負った2人がこちらを見下ろしている。
一段飛ばしで階段をのぼり、2人の前で立ち止まった。
「行くぞ」
角都が歩きだすと同時に、オレと飛段も歩きだした。
「本格的に尾獣集めとやらが始まったな」
尾獣がなんなのかは以前から聞いてはいた。
角都が言うには、朱鬼に匹敵するようなバケモノで、それがこの世界に9匹も存在する。
尾の数で名前が違うらしい。
オレ達がこれから追うは、五尾。
名前からして五本の尻尾をもったバケモノとは理解できるが、姿まではわからない。
それに五尾を探す前にまず、人柱力という尾獣を宿した人間を探し出し捕獲しなければならない。
それが誰なのかははっきりしていないが、岩隠れという場所にいるらしい。
デイダラの隠れ里で、行くのは初めてだ。
新しい土地を踏むのはオレとしては楽しみだ。
「そんな物騒なモン集めてどうする気だ?」
もしかして朱鬼よりタチが悪くないか。
「オレ達は黙って任務をこなせばいい。…おいおい話してやる」
もう一度言いたい。
オレだって仮にも暁なのだから、内部の情報は包み隠さず話してほしい、と。
けど、「あくまで仮だ」と言い返されそうなのでやめた。
今でも角都に口で勝ったことはない。
まあ、どんな目的であれ、オレはこいつらについていくつもりだ。
世界が滅ぼされようが更生されようが、オレ達が死ぬようなことはないだろう。
死ななきゃ、それでいい。
オレのこの位置を崩されなければ、それでいい。
人通りの多い通りから町の出入口へと向かう。
出入口が見えてきたとき、どん、と向かい側から来た人間にぶつかり、体が少し傾いた。
「あ、悪……」
謝ろうとしたとき、通過した人間が、オレの知っている人間な気がした。
雪のような真っ白な髪、右袖のない着物、右腕の蝶の刺青。
はっと振り返ったが、そこにはオレの知っている人間はいなかった。
「ヨル、どした?」
飛段がオレの顔をのぞきこんできた。
オレは薄笑みを作り、首を横に振るう。
「いや…、まだ眠いカンジ…」
頬の冷や汗は手で隠した。
「おいおい、これから町出るんだぜ。いい夢は野宿にとっとけ」
「ああ…」
こちらで悪夢が起きないことを祈りながら。
.To be continued