22:動き出す赤雲
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*飛段
オレは欠伸に堪えた。
クソリーダーの長い話に付き合ってやるほど、オレの耳はもたない。
どれもクソな念仏にしか聞こえねえんだよ。
会議っつっても、ノルマが未だにはっきりしてない奴らだけしか集まってきていない。
イタチと鬼鮫の動物コンビだ。
こいつらもノルマである捕える尾獣がはっきりしていない。
「おまえ達だけだぞ。担当する尾獣が未だに確定していないのは」
オレは唾を吐き捨てる。
「そういうてめーはどうなんだよ。エラそうに指示してるだけじゃねーか!」
いい機会だ。
前からクソリーダーに対して不満をぶちまけたいと思ってたところだ。
なのに、クソリーダーは冷静に返す。
「オレは六尾を追っている。水の国にいることしかつかめてないがな」
「けっ。ちゃんと見つけてから物言えってんだ、クソリーダー」
「やめろ飛段」
止めたのは角都だ。
注意されたのがオレだけだったから、余計に腹が立った。
「角都もなんかガツンと言ってやりゃあいいんだ!」
いつもオレのやることには意見するクセに。
「相変わらずうるさい方ですね」
「ああ!?」
鬼鮫の、うんざりさが表れた声に振り向き、睨みつけた。
幻影じゃなかったら、つかみかかってるところだ。
オレと鬼鮫の言い合いが始まる前にクソリーダーが遮る。
「黙って聞け。現在、居場所だけがはっきりしている尾獣は6匹だ。水の国の三尾と六尾、木ノ葉隠れの九尾、滝隠れの七尾、岩隠れの五尾、砂隠れの一尾はデイダラとサソリが追っている」
「滝隠れ」。
その言葉にオレは思わず角都の方を見た。
滝隠れは角都の里だ。
角都と組んで2年過ぎくらいだが、今まで一度も行ったことはない。
せいぜい近くを通るくらいだ。
「角都、飛段、おまえ達は滝隠れを…」
「ペイン」
リーダーが指令を下す前に角都は遮るように口を出した。
「オレ達は、五尾を追う」
「五尾を?」
それはオレも初耳だ。
「長い間生き続けているオレだ。他の里の地形はつかめている。詳しい情報はこの間デイダラから聞いた。デイダラが里に出向かないのなら、オレ達が出向く」
「…そうか。なら、角都と飛段は五尾を、鬼鮫とイタチは七尾を追え」
リーダーの言い方に怒りは含まれていない。
尾獣が集まればそれでいいのか。
さっきから息苦しいと思ったら、オレは無意識に息を止めていたようだ。
気付いてふぅっと吐きだす。
なんでオレが緊張してんだ。
「よほどご自分の里に帰りたくないようですね」
口出ししたのは鬼鮫だ。
角都は鬼鮫に振り向き、軽く睨みつける。
「抜けた里に帰りたいなどと誰が願う?」
「任務のためなら仕方がありませんよ。場合によっては、躊躇いもなくあなたの嫌いな里を壊せますよ? あなたを裏切った里を…」
ピリッと角都から殺気を感じた。
「黙れ鬼鮫、殺すぞ」
「ククッ。気の短い方ですね。…削ってさしあげましょうか?」
今度は角都と鬼鮫が険悪な雰囲気になってきた。
幻影状態でも戦いそうだ。
角都と鬼鮫を交互に見たクソリーダーはため息をつく。
「進み方次第では、また集まってもらうことになる。今日のところは解散だ。各自、ノルマ達成を最優先させろ」
「鬼鮫、行くぞ」
「角都、続きはまたのちに…」
鬼鮫はイタチとともに消えた。
「オレ達も戻るぞ、飛段」
「お、おぅ」
角都が消えたのを見て、オレもあとを追う。
目を開けると、向かい側に座る角都と目が合った。
ずっと同じ姿勢で座っていたため、腕を回したり首を傾けただけで骨が気持ちいい具合に鳴る。
角都は黙ったままこちらを見つめていた。
オレは後頭部を掻きながら言う。
「……ここからなら、滝隠れの方が近いんじゃねーの?」
「……………」
「…なぁ、角都よォ」
「…オレはどんな理由があろうとも、己の里に帰郷する気はない」
やっぱりそういう理由だったか。
オレは苦笑する。
「ガキの家出だ」
「おまえが言うな」
「ゲハハッ。まーな」
オレも人のこと言えねえ。
オレも、自分の里に帰る気はこれっぽっちもない。
でも、たぶん角都とは家出の理由が違うと思う。
鬼鮫の「里が裏切った」って言葉がどうも引っかかる。
ヘビーな理由かもしれない。
「おめーと組んでる限り、滝隠れには一生行けそうにねーなァ」
なんか、安心してんだか、残念なんだか、よくわかんねえ。
けど、角都が生まれ育った里が、どんな里なのか気になってたのは認める。
.
オレは欠伸に堪えた。
クソリーダーの長い話に付き合ってやるほど、オレの耳はもたない。
どれもクソな念仏にしか聞こえねえんだよ。
会議っつっても、ノルマが未だにはっきりしてない奴らだけしか集まってきていない。
イタチと鬼鮫の動物コンビだ。
こいつらもノルマである捕える尾獣がはっきりしていない。
「おまえ達だけだぞ。担当する尾獣が未だに確定していないのは」
オレは唾を吐き捨てる。
「そういうてめーはどうなんだよ。エラそうに指示してるだけじゃねーか!」
いい機会だ。
前からクソリーダーに対して不満をぶちまけたいと思ってたところだ。
なのに、クソリーダーは冷静に返す。
「オレは六尾を追っている。水の国にいることしかつかめてないがな」
「けっ。ちゃんと見つけてから物言えってんだ、クソリーダー」
「やめろ飛段」
止めたのは角都だ。
注意されたのがオレだけだったから、余計に腹が立った。
「角都もなんかガツンと言ってやりゃあいいんだ!」
いつもオレのやることには意見するクセに。
「相変わらずうるさい方ですね」
「ああ!?」
鬼鮫の、うんざりさが表れた声に振り向き、睨みつけた。
幻影じゃなかったら、つかみかかってるところだ。
オレと鬼鮫の言い合いが始まる前にクソリーダーが遮る。
「黙って聞け。現在、居場所だけがはっきりしている尾獣は6匹だ。水の国の三尾と六尾、木ノ葉隠れの九尾、滝隠れの七尾、岩隠れの五尾、砂隠れの一尾はデイダラとサソリが追っている」
「滝隠れ」。
その言葉にオレは思わず角都の方を見た。
滝隠れは角都の里だ。
角都と組んで2年過ぎくらいだが、今まで一度も行ったことはない。
せいぜい近くを通るくらいだ。
「角都、飛段、おまえ達は滝隠れを…」
「ペイン」
リーダーが指令を下す前に角都は遮るように口を出した。
「オレ達は、五尾を追う」
「五尾を?」
それはオレも初耳だ。
「長い間生き続けているオレだ。他の里の地形はつかめている。詳しい情報はこの間デイダラから聞いた。デイダラが里に出向かないのなら、オレ達が出向く」
「…そうか。なら、角都と飛段は五尾を、鬼鮫とイタチは七尾を追え」
リーダーの言い方に怒りは含まれていない。
尾獣が集まればそれでいいのか。
さっきから息苦しいと思ったら、オレは無意識に息を止めていたようだ。
気付いてふぅっと吐きだす。
なんでオレが緊張してんだ。
「よほどご自分の里に帰りたくないようですね」
口出ししたのは鬼鮫だ。
角都は鬼鮫に振り向き、軽く睨みつける。
「抜けた里に帰りたいなどと誰が願う?」
「任務のためなら仕方がありませんよ。場合によっては、躊躇いもなくあなたの嫌いな里を壊せますよ? あなたを裏切った里を…」
ピリッと角都から殺気を感じた。
「黙れ鬼鮫、殺すぞ」
「ククッ。気の短い方ですね。…削ってさしあげましょうか?」
今度は角都と鬼鮫が険悪な雰囲気になってきた。
幻影状態でも戦いそうだ。
角都と鬼鮫を交互に見たクソリーダーはため息をつく。
「進み方次第では、また集まってもらうことになる。今日のところは解散だ。各自、ノルマ達成を最優先させろ」
「鬼鮫、行くぞ」
「角都、続きはまたのちに…」
鬼鮫はイタチとともに消えた。
「オレ達も戻るぞ、飛段」
「お、おぅ」
角都が消えたのを見て、オレもあとを追う。
目を開けると、向かい側に座る角都と目が合った。
ずっと同じ姿勢で座っていたため、腕を回したり首を傾けただけで骨が気持ちいい具合に鳴る。
角都は黙ったままこちらを見つめていた。
オレは後頭部を掻きながら言う。
「……ここからなら、滝隠れの方が近いんじゃねーの?」
「……………」
「…なぁ、角都よォ」
「…オレはどんな理由があろうとも、己の里に帰郷する気はない」
やっぱりそういう理由だったか。
オレは苦笑する。
「ガキの家出だ」
「おまえが言うな」
「ゲハハッ。まーな」
オレも人のこと言えねえ。
オレも、自分の里に帰る気はこれっぽっちもない。
でも、たぶん角都とは家出の理由が違うと思う。
鬼鮫の「里が裏切った」って言葉がどうも引っかかる。
ヘビーな理由かもしれない。
「おめーと組んでる限り、滝隠れには一生行けそうにねーなァ」
なんか、安心してんだか、残念なんだか、よくわかんねえ。
けど、角都が生まれ育った里が、どんな里なのか気になってたのは認める。
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