21:永遠の意
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ひとり、木の枝に座り、辺りの音に耳を澄ませる。
虫の声、野鳥の寝息、木々の揺れる音、そして遠くの方から草や落ち葉を踏む足音。
数は5・6ほどか。
よくこんな新月の闇の中で進めるものだ。
というより、よくそんな人数とこんな闇の中を歩けるものだ。
人間は思った以上に怖いもの知らず。
目に見えない黒一色の世界で、いつ口を塞がれるか、いつ喉を引き裂かれるか、いつ体を貫かれるかわからないのに。
怖いもの知らずというより、無知で、馬鹿で、孤独嫌い。
少し前まではそう思っていたオレも今は、
「おいヨル、いたのか?」
「早く合図しろよォ」
ひとりじゃない。
遠くの木々から2人の声が聞こえる。
2人は今、ここから約1キロ離れた木の枝の上にいる。
オレは音寄せを使い、野性のコウモリを一匹そちらに向かわせた。
それが合図だ。
オレは夢魔を両手にこちらに近づいてくる賞金首達を待つ。
「飛段、ヨル、気を抜くな、死ぬぞ」
「だから、それをオレに言うかよ、角都」
遠くで声が聞こえ、1分もしないうちに2人は木の枝を飛び移りながらこちらに迫ってきた。
同時に、オレも木の枝から飛び降りる。
賞金首達はすぐに構えたが、遅かった。
次の瞬間には、角都の手で喉を折られ、飛段の三連鎌で切り裂かれた。
残りの奴らは踵を返して逃げようとしたが、オレはそれを見逃さない、いや、聞き逃さなかった。
逃走する奴らの頭上を飛び越え、目の前に着地する。
奴らは足を止め、こちらを警戒した。
怖いもの知らずに教えてやる。
「血の夢、見るか?」
両手の夢魔は正面から2人分の肉を切り裂き、その刃にはオレの好物が付着した。
.