16:悲鳴という拍手を
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*角都
飛段本人あるかを確かめるために目の前の首に手を伸ばしたが、それはすぐに避けられてしまった。
目の前の者が変化を解く。
飛段に化けていたのはヒルだった。
「あなた相手にこの手は通じませんか」
「飛段はどこだ?」
低い声で問うと、ヒルは右横の壁に目を向けて答える。
「今頃、ミツバのショーを楽しんでいることでしょう」
入口で分離してしまったようだ。
入ると別々になってしまうのか。
「ヨルと月代はどこだ?」
「気になります?」
ヒルはこちらに挑発的な目を向け、聞き返した。
答える気はないようだ。
だからオレもその質問に答える気はない。
「答えないのなら自力で捜しだす。貴様の心臓をいただいてからな」
右手を地怨虞で伸ばし、ヒルの心臓を狙った。
ヒルは動かない。
嘲笑の笑みを浮かべている。
「それはムリです」
グシャ!
「!?」
心臓を貫いたというのに、ヒルは平然としていた。
いや、心臓の感触も人間である体の感触すらしない。
「ここにいるヒルは、ヒルではありません」
「!」
ヒルの体は、無数の蛭で形成されていた。
ヨルの“分身蝙蝠”のような、特別な分身術のものか。
洞窟の奥から音が聞こえる。
無数の小さなものが地面を這う音だ。
こちらに向かってきている。
「!」
その正体は、蛭の大群だった。
洞窟の地面や壁や天井を這い、逃げ場がない。
分身のヒルはほくそ笑んだ。
「罠にかかってくれましたねぇ」
オレ達が来ることを想定して仕掛けられた罠なのか、赤い蝶の女とグルになって仕掛けていた罠なのか。
蛭の群れはすぐそこまで来ている。
「さあ、聞かせてください。あなたの悲鳴を」
その口を黙らせるために頭を潰したが、飛び散ったのは頭の部分を形成していた蛭だ。
無数の蛭がオレの体を足下から這ってきた。
ヒルの体を形成していた蛭もオレの腕を這ってくる。
この大量の蛭がオレの体に入り込み、オレの中で毒と化すれば一巻の終わりだ。
「くっ…」
.
飛段本人あるかを確かめるために目の前の首に手を伸ばしたが、それはすぐに避けられてしまった。
目の前の者が変化を解く。
飛段に化けていたのはヒルだった。
「あなた相手にこの手は通じませんか」
「飛段はどこだ?」
低い声で問うと、ヒルは右横の壁に目を向けて答える。
「今頃、ミツバのショーを楽しんでいることでしょう」
入口で分離してしまったようだ。
入ると別々になってしまうのか。
「ヨルと月代はどこだ?」
「気になります?」
ヒルはこちらに挑発的な目を向け、聞き返した。
答える気はないようだ。
だからオレもその質問に答える気はない。
「答えないのなら自力で捜しだす。貴様の心臓をいただいてからな」
右手を地怨虞で伸ばし、ヒルの心臓を狙った。
ヒルは動かない。
嘲笑の笑みを浮かべている。
「それはムリです」
グシャ!
「!?」
心臓を貫いたというのに、ヒルは平然としていた。
いや、心臓の感触も人間である体の感触すらしない。
「ここにいるヒルは、ヒルではありません」
「!」
ヒルの体は、無数の蛭で形成されていた。
ヨルの“分身蝙蝠”のような、特別な分身術のものか。
洞窟の奥から音が聞こえる。
無数の小さなものが地面を這う音だ。
こちらに向かってきている。
「!」
その正体は、蛭の大群だった。
洞窟の地面や壁や天井を這い、逃げ場がない。
分身のヒルはほくそ笑んだ。
「罠にかかってくれましたねぇ」
オレ達が来ることを想定して仕掛けられた罠なのか、赤い蝶の女とグルになって仕掛けていた罠なのか。
蛭の群れはすぐそこまで来ている。
「さあ、聞かせてください。あなたの悲鳴を」
その口を黙らせるために頭を潰したが、飛び散ったのは頭の部分を形成していた蛭だ。
無数の蛭がオレの体を足下から這ってきた。
ヒルの体を形成していた蛭もオレの腕を這ってくる。
この大量の蛭がオレの体に入り込み、オレの中で毒と化すれば一巻の終わりだ。
「くっ…」
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