15:記憶と悪夢の狭間
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*角都
あれから3日が経過した。
オレ達は赤い蝶を追いかけながら、ヒルのアジトへと向かうため、山の木々を飛び移りながら移動していた。
オレ達が止まれば赤い蝶も止まり、「こっちだこっちだ」と急かすようにオレ達の周りを飛び回る。
*****
3日前、編み笠の女はオレ達に「ヨルの居場所を教えてやる」と言って赤い蝶をよこした。
「貴様は、何者だ? 前のことといい、なぜオレ達に手を貸す?」
警戒気味にオレが問うと、編み笠の下の口元は笑みを浮かべて答える。
「ワシが何者かなんてどうでもいいことじゃ。手を貸す理由は、角都殿と飛段殿がヨルを諦めていないから」
この女はヨルのなんなのか。
答えらしい答えにもなっていない。
「……………」
オレが黙って睨みつけていると、編み笠の女は一笑した。
「ワシが何者かはいずれ知ることになる。それより、こうしている間にも、朱鬼の封印解除の準備は着々と進んでいるぞ」
「封印解除だと? アレを兵器に使う気か?」
オレが問い、編み笠の女は答える。
「ヒルの目的は、朱鬼を使い、朱族の存在を世に知らしめることじゃ。朱族は長きに渡り、裏の世で生き続けてきた。角都殿達も含め一握りの人間しか、彼らの存在を知らん。ヒルは目立ちたがり屋じゃ。のうのうと表の世で生きている人間が憎いのじゃろう」
表の世で見世物をするくらいだからな。
「なぜヨルが連れて行かれた?」
「血じゃよ。朱族の体には、朱鬼の血と肉が3:3で埋め込まれている。しかし、月代は1:3しか埋め込まれていない。血が足りんのじゃ。すべてのバランスが整ったとき、封印を解除し、器から、血と肉を持った朱鬼を引きずりだす」
飛段にとっては難しい話だったのか、首を傾げている。
オレは小さく「そうか」と言った。
「行くも行かんもおヌシらの勝手じゃ」
一匹の赤い蝶がオレ達の周りを飛び回る。
編み笠の女の体は無数の赤い蝶へとなり、空へと飛んでいった。
それを見届けたあと、飛段は立ち上がって三連鎌を背中に携えた。
「行こうぜ、角都」
「罠だったらどうする?」
それを聞いた飛段は「ハァ?」と顔をしかめた。
「あのさァ、オレら不死コンビだぜ?」
飛段はコブシをオレの胸に軽く当てて続ける。
「心臓潰されそうになったら、迷わずオレを盾にしろよ。オレの命は無限だぜェ? 角都」
「…馬鹿が」
「頼りにしているぞ」と不意に思ったオレも、相当な馬鹿なのだろう。
.
あれから3日が経過した。
オレ達は赤い蝶を追いかけながら、ヒルのアジトへと向かうため、山の木々を飛び移りながら移動していた。
オレ達が止まれば赤い蝶も止まり、「こっちだこっちだ」と急かすようにオレ達の周りを飛び回る。
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3日前、編み笠の女はオレ達に「ヨルの居場所を教えてやる」と言って赤い蝶をよこした。
「貴様は、何者だ? 前のことといい、なぜオレ達に手を貸す?」
警戒気味にオレが問うと、編み笠の下の口元は笑みを浮かべて答える。
「ワシが何者かなんてどうでもいいことじゃ。手を貸す理由は、角都殿と飛段殿がヨルを諦めていないから」
この女はヨルのなんなのか。
答えらしい答えにもなっていない。
「……………」
オレが黙って睨みつけていると、編み笠の女は一笑した。
「ワシが何者かはいずれ知ることになる。それより、こうしている間にも、朱鬼の封印解除の準備は着々と進んでいるぞ」
「封印解除だと? アレを兵器に使う気か?」
オレが問い、編み笠の女は答える。
「ヒルの目的は、朱鬼を使い、朱族の存在を世に知らしめることじゃ。朱族は長きに渡り、裏の世で生き続けてきた。角都殿達も含め一握りの人間しか、彼らの存在を知らん。ヒルは目立ちたがり屋じゃ。のうのうと表の世で生きている人間が憎いのじゃろう」
表の世で見世物をするくらいだからな。
「なぜヨルが連れて行かれた?」
「血じゃよ。朱族の体には、朱鬼の血と肉が3:3で埋め込まれている。しかし、月代は1:3しか埋め込まれていない。血が足りんのじゃ。すべてのバランスが整ったとき、封印を解除し、器から、血と肉を持った朱鬼を引きずりだす」
飛段にとっては難しい話だったのか、首を傾げている。
オレは小さく「そうか」と言った。
「行くも行かんもおヌシらの勝手じゃ」
一匹の赤い蝶がオレ達の周りを飛び回る。
編み笠の女の体は無数の赤い蝶へとなり、空へと飛んでいった。
それを見届けたあと、飛段は立ち上がって三連鎌を背中に携えた。
「行こうぜ、角都」
「罠だったらどうする?」
それを聞いた飛段は「ハァ?」と顔をしかめた。
「あのさァ、オレら不死コンビだぜ?」
飛段はコブシをオレの胸に軽く当てて続ける。
「心臓潰されそうになったら、迷わずオレを盾にしろよ。オレの命は無限だぜェ? 角都」
「…馬鹿が」
「頼りにしているぞ」と不意に思ったオレも、相当な馬鹿なのだろう。
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