15:記憶と悪夢の狭間
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*飛段
「く…っぅ…、痛ってェ!」
半身を起こしたまま、体中に刺さっていたクナイの最後の1本を胸から引き抜き、地面に投げ捨てた。
「ゲホッ」と噎せるとともに血の混ざった唾を吐き捨てる。
外套は完全に穴だらけで取り替えるしかない。
血溜まりで仰向きに倒れていたせいで背中も血でベトベトだ。
「あのクソヤローが…!!」
憎々しげに、数分前までミツバが立っていた場所を睨みつける。
奴は、胸糞悪い方法で月代を倒し、続けてオレを無数のクナイで串刺しにしたあと、月代を連れ攫って行った。
「飛段…」
「!」
声が聞こえた方に顔を向けると、ボロボロの外套を身に纏い、頭巾を外したままの角都がこちらに近づいてくる。
口の端からは血が伝っていた。
オレと同じく、襲撃を受けたのだろう。
「角都…」
服の胸部には大きな穴が一つ空いていた。
ということは、また心臓を一つ潰されてしまったのだろう。
角都の傍には、一緒に公園を出て行ったはずのヨルの姿がなかった。
オレの前で片膝をつき、目線を合わせる。
「月代はどうした?」
「…連れていかれた…」
その時のことを思い出し、怒りのあまりコブシを地面に叩きつけた。
「あのヤロー、オレを利用しやがってェ!!」
手加減なく叩きつけてしまったため、コブシから血が流れる。
*****
月代の大きな赤い手がミツバを潰そうと迫ったとき、ミツバは手を振り上げた。
同時に、オレの体に再びオレの三連鎌が突き刺さり、そのまま三連鎌に引っ張られてミツバと月代の間に割り込んだ。
「!!」
月代の手が、オレの体を誤って潰す前に止まる。
その隙に、ミツバは左手を振り上げ、無数のクナイは月代の体を容赦なく串刺しにした。
「マ…マ……」
月代は痛みのあまり涙を流してオレに生身の右手を伸ばし、目を閉じて動かなくなる。
「月代ォ!」
「朱族、これくらいじゃ死なない」
もう用済みだと言わんばかりに、三連鎌を操ってオレを仰向けに地面に叩きつける。
「ぐはっ」
痛みで目をつぶり、次に開けた時にはクナイの雨が降ってきた。
*****
角都は手を伸ばし、肘から下の縫い目の間から1本の地怨虞を伸ばし、オレの大きな傷だけを縫合していく。
「…角都…、ヨルは? あいつ、どこに…」
辺りを見渡してもあいつの姿は見当たらない。
「……連れて行かれた」
「ハァ!? なんで!? どこに!?」
角都は小さく首を横に振り、「知らん」と言った。
「「知らん」じゃねえだろ。月代どころか、ヨルまで…。あのクソヒルヤロー、なに考えて…!」
「それはわかりかねるが、ただの同族同士の集まりではないだろう…」
「早く追いかけようぜ、角都!」
オレはいてもたってもいられず、角都を急かした。
このままやられっぱなしで済ますかってんだ。
「どこへだ。ヒルのアジトも知らんのに」
「捜せばいいだろ!」
「奴は9000万両の賞金首だ。簡単に見つからないうえに、情報もアテにならん」
なにか言い返そうかと口を開いたとき、
「お困りのようじゃのう」
「「!!」」
「ワシの情報ならアテになるじゃろう? 角都殿」
近くにあるすべり台の上で、編み笠の女が立ってこちらを見下ろしてた。
少し遅れて、それが以前出会った女だと思いだした。
.
「く…っぅ…、痛ってェ!」
半身を起こしたまま、体中に刺さっていたクナイの最後の1本を胸から引き抜き、地面に投げ捨てた。
「ゲホッ」と噎せるとともに血の混ざった唾を吐き捨てる。
外套は完全に穴だらけで取り替えるしかない。
血溜まりで仰向きに倒れていたせいで背中も血でベトベトだ。
「あのクソヤローが…!!」
憎々しげに、数分前までミツバが立っていた場所を睨みつける。
奴は、胸糞悪い方法で月代を倒し、続けてオレを無数のクナイで串刺しにしたあと、月代を連れ攫って行った。
「飛段…」
「!」
声が聞こえた方に顔を向けると、ボロボロの外套を身に纏い、頭巾を外したままの角都がこちらに近づいてくる。
口の端からは血が伝っていた。
オレと同じく、襲撃を受けたのだろう。
「角都…」
服の胸部には大きな穴が一つ空いていた。
ということは、また心臓を一つ潰されてしまったのだろう。
角都の傍には、一緒に公園を出て行ったはずのヨルの姿がなかった。
オレの前で片膝をつき、目線を合わせる。
「月代はどうした?」
「…連れていかれた…」
その時のことを思い出し、怒りのあまりコブシを地面に叩きつけた。
「あのヤロー、オレを利用しやがってェ!!」
手加減なく叩きつけてしまったため、コブシから血が流れる。
*****
月代の大きな赤い手がミツバを潰そうと迫ったとき、ミツバは手を振り上げた。
同時に、オレの体に再びオレの三連鎌が突き刺さり、そのまま三連鎌に引っ張られてミツバと月代の間に割り込んだ。
「!!」
月代の手が、オレの体を誤って潰す前に止まる。
その隙に、ミツバは左手を振り上げ、無数のクナイは月代の体を容赦なく串刺しにした。
「マ…マ……」
月代は痛みのあまり涙を流してオレに生身の右手を伸ばし、目を閉じて動かなくなる。
「月代ォ!」
「朱族、これくらいじゃ死なない」
もう用済みだと言わんばかりに、三連鎌を操ってオレを仰向けに地面に叩きつける。
「ぐはっ」
痛みで目をつぶり、次に開けた時にはクナイの雨が降ってきた。
*****
角都は手を伸ばし、肘から下の縫い目の間から1本の地怨虞を伸ばし、オレの大きな傷だけを縫合していく。
「…角都…、ヨルは? あいつ、どこに…」
辺りを見渡してもあいつの姿は見当たらない。
「……連れて行かれた」
「ハァ!? なんで!? どこに!?」
角都は小さく首を横に振り、「知らん」と言った。
「「知らん」じゃねえだろ。月代どころか、ヨルまで…。あのクソヒルヤロー、なに考えて…!」
「それはわかりかねるが、ただの同族同士の集まりではないだろう…」
「早く追いかけようぜ、角都!」
オレはいてもたってもいられず、角都を急かした。
このままやられっぱなしで済ますかってんだ。
「どこへだ。ヒルのアジトも知らんのに」
「捜せばいいだろ!」
「奴は9000万両の賞金首だ。簡単に見つからないうえに、情報もアテにならん」
なにか言い返そうかと口を開いたとき、
「お困りのようじゃのう」
「「!!」」
「ワシの情報ならアテになるじゃろう? 角都殿」
近くにあるすべり台の上で、編み笠の女が立ってこちらを見下ろしてた。
少し遅れて、それが以前出会った女だと思いだした。
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