14:引き摺り込まれる
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「見つけた」
声をかけられた飛段は、膝の上で眠っていた月代から顔を上げた。
先に目に映ったのは日ノ輪の外套だ。
現れたのは、両目を包帯で巻いた男の顔だった。ミツバだ。
真上から風を切る音が聞こえ、飛段は月代を片手に抱えてその場からすぐに離れた。
「!」
真上から降ってきた大量のクナイは、飛段と月代が先程まで座っていたベンチを木端微塵へと変える。
「月代、渡せ」
「日ノ輪の…」
飛段は見世物小屋の出来事を思い出す。
一度、そのショーでその能力を見たことがある。
クナイや剣を空中で自由自在に操っていた。
ミツバが右手を合図のように振り上げると、地面に突き刺さったクナイがカタカタと動きだし、宙に浮いた。
ミツバが振り上げた右手を振り落とすと、大量のクナイが飛段に矢のように迫る。
「うらあああああ!!」
飛段は背中に携えた三連鎌を手に取り、左手だけで振り回し、迫るクナイのほとんどを叩き落とした。
落とし損ねた数本のクナイは手の甲、腹、肩に突き刺さる。
「ママ!」
目覚めた月代は怪我を負った飛段を見て叫んだ。
飛段は月代をその場に下ろし、「待ってろ」と言って三連鎌を両手で振り回しながらミツバへと突進した。
ミツバは逃げる素振りを見せず、ただじっとそこに立っている。
余裕と言いたげに浮かべている笑みを気になった飛段だが、地面を蹴ってジャンプし、三連鎌をミツバ目掛けて振り下ろした。
「死ねェェ!!」
ミツバが手を伸ばしたと同時に、飛段は動きを止めた。
止めたかったから止めたわけではない。三連鎌が何かに縛られたかのように動きを止めたのだ。
あと数センチで大刃の刃先がミツバの脳天に直撃するところだったというのに。
「!?」
「ムリ。おまえ、傷一つつけられない」
ミツバが腕を横に払うと、三連鎌は飛段の後ろへとひとりでに飛んだ。
「うお!?」
飛段の体はそれに引っ張られ、地面に転がった。
「ぐ…っ」
仰向けに倒れた時、
「!」
ド!!
宙を浮く三連鎌が、見えない手に勢いよく振り下ろされ、飛段の腹に突き刺さった。
「げほっ」
逆流する血を吐き出し、ミツバを睨みつける。
「ヤロー…」
「死なない。おまえ、やっぱ不死身」
「ママ!!」
ミツバが両腕を振り上げると、地面に突き刺さったクナイどころか、飛段の三連鎌、懐に入っていた杭が飛び出し、ミツバの真上に集まっていく。
他にも、公園内にあるブランコやすべり台や鉄棒なども。
「全ての凶器、オレの味方。だからおまえ、オレ殺せない」
ミツバにはどんな凶器も通用しない。
そう理解したとき、飛段はふと自分の鼻先に落ちているものに気付き、凝視した。
(あ? コレって…)
頭の中で何かが引っかかったと同時に、ミツバの両腕が振り下ろされ、その真上に集まった凶器の塊が一斉に飛段に向かって降り注いできた。
「ママァ!!」
包帯が破れる音が聞こえた。
月代が封印術を解いたのだろう。
「ヒル、おまえ傷つけるな言われた。けど、できればの話」
ミツバは月代に体を向け、右手を横に振るった。
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