14:引き摺り込まれる
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ヒルの手の中には、2つの小さなカプセルと折りたたんだ紙が握られていた。
どちらも、中には銀色の液体が入ってある。
1つはアサの真血、もう1つはユウの真血だ。
*****
1時間前、アサは医療などに使われる血液採取用のカプセルを取り出し、そのカプセルの先についてある針で己の手首を刺し、真血を採取してヒルに渡した。
そのあと、もう1つのカラのカプセルをユウに渡す。
「ユウ、おヌシも真血を採れ」
ユウは露骨に嫌な顔をした。
「ええっ、ボクも!?」
「当たり前じゃろ。嫌なら、ワシが採ってやろうか?」
渡したカプセルを返せと差し出された手に、ユウは激しく首を横に振った。
「やっぱやる! 自分でやる!」
ユウはカプセルの針をアサと同じように、手首に刺して真血を採取し、ヒルに渡す。
「ワシらは行く。それを使って封印を解除するかどうかはおヌシの勝手じゃ。ユウ、おヌシも来い」
アサはこちらに背を向け、出入り口に向かった。
ユウは不満の声を上げる。
「えー。ヒルと行動しちゃダメ?」
勝手に決められては困る。
ヒルはまだユウを許したわけでも信用したわけでもない。
アサは立ち止まり、肩越しに言う。
「おヌシらは喧嘩中じゃろ。ヒルも納得していない」
まったくもってその通りだ。
ユウはこちらを一瞥したあと、アサのあとを追う。
2人はそのまま出入り口の先の闇の中へと消えた。
*****
「……………」
そして現在、手の中にある2つのカプセルを見つめながらずっと考え込んでいた。
(なぜあの女は、月代を使って自分が殺されることを考えない?)
アサは口調が年寄りなだけに、知識は4人の朱族の中では豊富だ。
始末屋時代の時も、奴の立てた作戦を頼りに行動をしていた。
仲間内で揉め事がない限り失敗したことはない。
何事に置いても冷静沈着で、知識と力を発揮していた。
ヒルは、アサより自分の方が勝っていると思うほど自惚れてはいない。
「…わかりましたよ」
(今は、あなたの考えの下で動いてあげようじゃないですか…)
アサとユウが出入り口を睨みつけたまま、「スペード、ミツバ」と名を呼んだ。
すぐ背後に2人が現れる。
「なに?」
ミツバに問われ、答える。
「“日ノ輪”のショーの時間です」
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