12:鬼の目覚め
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*角都
罠を突破しながら進んでいくと、通路の空間が広くなっていることに気付いた。
ふと、先程から感じていた気配に立ち止まる。
「…出てきたらどうだ?」
背後の地面から何者かが這い出るのを感じた。
振り返ると、その顔には見覚えがあった。
日ノ輪にいた者だ。
「簡単には殺らせてくれないか…。腐れ面倒臭い」
ヒシギ、と言ったか。
「あとを尾けてきたか」
「オレ達が一歩遅かっただけだ」
ヒシギは鞭を取り出し、地面を叩いた。
「起きろ、腐れ野郎共」
地面から、永眠りを覚まされた腐りかけの死体や骨が呻きながら出現する。
オレを囲み、ヒシギの指示を待った。
「…その鞭…、死人を操る術の文字が書かれてあるのか…」
「そう。オレのチャクラを鞭に流し、音を鳴らすことで腐れ死人共は目覚める」
それが発動条件か。
「おまえを殺し、その死体をいただいて有効に使わせてもらう」
「オレの体はやれんが、貴様の心臓をいただくとしよう」
袖をめくり、縫い目の間から地怨虞を出す。
鞭を構えるヒシギの口角が少しだけつり上がった。
「…おまえも元・囚人か。同類だな」
手首の刺青を見たのだろう。
「昔の話だ。貴様如きと一緒にするな」
同時にヒシギは鞭を鳴らして死人共に命令を下す。
「その肉食い千切ってやりな」
死人共は一斉にオレに飛びかかってくる。
オレは真上に飛び、チャクラを練って天井に足をつけた。
死人ではもはや忍のマネごともできない。
呻きながら必死にオレに手を伸ばしている。
思考が飛段より単純すぎる。
オレは外套を腰まで脱ぎ下ろし、偽暗と頭刻苦を出した。
「! あいつか」
ヒシギが警戒を見せ、懐から巻物を取り出した。
オレは印を結び、偽暗と頭刻苦を発動させる。
「雷遁・偽暗。火遁・頭刻苦!」
稲妻と火炎が死人共を灰にし、ヒシギに襲いかかる。
ヒシギは巻物を開いて印を結び、鞭で巻物を叩いた。
稲妻と火炎が直撃する寸前に巻物から現れたのは、
「!?」
大量の人間の骨だった。
それが盾となり、ヒシギを守った。
ドン!!
轟音とともに骨はバラバラに砕けた。
「おまえ相手にはコレを使わないとな…」
ヒシギは懐から同じ巻物を4本取り出し、先程同じように紐を解いて開き、地面に置いて印を結んだあと鞭で叩いた。
すると、大量の骨が飛び出し、ヒシギの姿を隠すほど高く積まれた。
なにをする気になのかと様子を窺っていると、ヒシギは再び地面に鞭を鳴らす。
「“骸怨皇帝”」
骨の山は小刻みに震え、形を成していく。
「これは…」
頭刻苦と偽暗が放った攻撃で熱を持つ地面に着地したオレはそれを見上げた。
骨の集合体は、巨大な人骨となってオレを見下ろす。
巨人がそのまま骨になったようだ。
通路が体のサイズに合わないため、四つん這いの状態だ。
立ち上がれば20mは軽く超えるだろう。
その背中に乗ったヒシギはオレを見下ろしたあと、頭蓋骨の中へと入っていった。
それと同時に、巨大な手がオレを叩き潰そうと迫る。
オレは素早く印を組み、偽暗を発動させた。
しかし、手のひらの半分以下を破壊しただけで止まることはなかった。
大きく飛び退いたが、逃げ遅れた偽暗はその手の下敷きになり、つかまった。
「まずは1匹」
グシャッ!!
「ぐっ…!!」
巨大な骨の中にいるヒシギの声が聞こえたかと思うと、偽暗は握りつぶされ、オレの胸に死の痛みが走る。
その場に片膝をつき、呼吸を整えた。
「今やオレの体は無敵に近い。蟻となったおまえはどうする?」
嘲笑を含んだ笑い声が聞こえた。
「フン…。なにもしないと思うか?」
.
罠を突破しながら進んでいくと、通路の空間が広くなっていることに気付いた。
ふと、先程から感じていた気配に立ち止まる。
「…出てきたらどうだ?」
背後の地面から何者かが這い出るのを感じた。
振り返ると、その顔には見覚えがあった。
日ノ輪にいた者だ。
「簡単には殺らせてくれないか…。腐れ面倒臭い」
ヒシギ、と言ったか。
「あとを尾けてきたか」
「オレ達が一歩遅かっただけだ」
ヒシギは鞭を取り出し、地面を叩いた。
「起きろ、腐れ野郎共」
地面から、永眠りを覚まされた腐りかけの死体や骨が呻きながら出現する。
オレを囲み、ヒシギの指示を待った。
「…その鞭…、死人を操る術の文字が書かれてあるのか…」
「そう。オレのチャクラを鞭に流し、音を鳴らすことで腐れ死人共は目覚める」
それが発動条件か。
「おまえを殺し、その死体をいただいて有効に使わせてもらう」
「オレの体はやれんが、貴様の心臓をいただくとしよう」
袖をめくり、縫い目の間から地怨虞を出す。
鞭を構えるヒシギの口角が少しだけつり上がった。
「…おまえも元・囚人か。同類だな」
手首の刺青を見たのだろう。
「昔の話だ。貴様如きと一緒にするな」
同時にヒシギは鞭を鳴らして死人共に命令を下す。
「その肉食い千切ってやりな」
死人共は一斉にオレに飛びかかってくる。
オレは真上に飛び、チャクラを練って天井に足をつけた。
死人ではもはや忍のマネごともできない。
呻きながら必死にオレに手を伸ばしている。
思考が飛段より単純すぎる。
オレは外套を腰まで脱ぎ下ろし、偽暗と頭刻苦を出した。
「! あいつか」
ヒシギが警戒を見せ、懐から巻物を取り出した。
オレは印を結び、偽暗と頭刻苦を発動させる。
「雷遁・偽暗。火遁・頭刻苦!」
稲妻と火炎が死人共を灰にし、ヒシギに襲いかかる。
ヒシギは巻物を開いて印を結び、鞭で巻物を叩いた。
稲妻と火炎が直撃する寸前に巻物から現れたのは、
「!?」
大量の人間の骨だった。
それが盾となり、ヒシギを守った。
ドン!!
轟音とともに骨はバラバラに砕けた。
「おまえ相手にはコレを使わないとな…」
ヒシギは懐から同じ巻物を4本取り出し、先程同じように紐を解いて開き、地面に置いて印を結んだあと鞭で叩いた。
すると、大量の骨が飛び出し、ヒシギの姿を隠すほど高く積まれた。
なにをする気になのかと様子を窺っていると、ヒシギは再び地面に鞭を鳴らす。
「“骸怨皇帝”」
骨の山は小刻みに震え、形を成していく。
「これは…」
頭刻苦と偽暗が放った攻撃で熱を持つ地面に着地したオレはそれを見上げた。
骨の集合体は、巨大な人骨となってオレを見下ろす。
巨人がそのまま骨になったようだ。
通路が体のサイズに合わないため、四つん這いの状態だ。
立ち上がれば20mは軽く超えるだろう。
その背中に乗ったヒシギはオレを見下ろしたあと、頭蓋骨の中へと入っていった。
それと同時に、巨大な手がオレを叩き潰そうと迫る。
オレは素早く印を組み、偽暗を発動させた。
しかし、手のひらの半分以下を破壊しただけで止まることはなかった。
大きく飛び退いたが、逃げ遅れた偽暗はその手の下敷きになり、つかまった。
「まずは1匹」
グシャッ!!
「ぐっ…!!」
巨大な骨の中にいるヒシギの声が聞こえたかと思うと、偽暗は握りつぶされ、オレの胸に死の痛みが走る。
その場に片膝をつき、呼吸を整えた。
「今やオレの体は無敵に近い。蟻となったおまえはどうする?」
嘲笑を含んだ笑い声が聞こえた。
「フン…。なにもしないと思うか?」
.