07:裏切られた囚人
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換金所に立ち寄って金を手に入れ、町の宿に泊まったのはよかった。
だが、部屋の真ん中に敷かれた布団で眠っているヨルは一向に目を覚まさない。
その傍らでは、風呂上がりの飛段が顔を覗きこんだり呼びかけたり頬をつねったりしている。
風呂から上がった角都を見て、飛段は言った。
「角都ゥ、ヨルが死んだままだ」
「……わかっている」
着替えた角都は飛段の隣に腰を下ろし、ヨルの顔を窺った。
安らかな顔だが本当に死んでいるわけではない。
心臓は一分間に数回動き、たまに呼吸も繰り返している。
いわゆる仮死状態だ。
角都にはわかっていた。
(原因はおそらくアレだろう…)
「……荒療治だが…、飛段、ヨルを運ぶぞ」
「どこにィ?」
「うるさい。ついて来ればわかる」
飛段はヨルを担ぎ、角都のあとをついてくる。
後ろを見れば必ず2人がついてきた。
以前のように、独りになりたくてもなれやしない。
飛段に任せておけばよかった、とあとになってから気づいた。
雪山のことといい、中身が子どもの2人に世話を焼かされるとは、あの時の角都も、あの子どもも、思わなかっただろう。
.To be continued