06:見捨てない目
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*ヨル
「また大きく空けたものだな。内部から始めた方がよさそうだ」
飛段の腹の傷を見た角都はさっそく中から縫合を始める。
オレはそれを見ないように目を逸らした。
「イテテテ…」
痛がる飛段の縫合をしながら、角都は飛段の傷口を見つめながらオレに言う。
「ヨル、オレの血を飲め」
「けど…、角都は飛段と違って…」
致死量を飲めば危険だ。
「オレの血を少し、飛段の血を少し飲めば気が落ち着くだろう」
理性が切れる前にすぐに飛段の血を吸えば、致死量を飲まなくて済む。
「……やりすぎたら、構わず殴り飛ばしてくれ」
我慢が限界だったオレは角都の背後に近づき、その左二の腕に牙を立てた。
理性と戦いながら慎重にその血を啜り、すぐに離して飛段の首筋に牙を立てる。
「痛って!」
縫合中に悪いな。
角都と飛段の血は同じだ。
2人の共通点は、不死…。
血をゆっくりと啜り、崖に落ちる前の飛段との会話を思い出しながら考え、ある答えに行きついた。
まさか…、この2人…!
2人の血が混ざったからだろうか、2つの記憶が蘇りかけると同時に、あの睡魔に襲われた。
逆らえず、その場に倒れる。
「ヨル!? おい!」
飛段の声が遠のいていく。
もう少しだ…。
もう少しで…。
記憶の扉が開かれる。
『貴様のような奴が“生きる”意味を説くな、殺すぞ』
『神からも存在否定されるなら、“死ぬ”しかねーだろォ』
やっぱり…、おまえらなのか。
.To be continued
「また大きく空けたものだな。内部から始めた方がよさそうだ」
飛段の腹の傷を見た角都はさっそく中から縫合を始める。
オレはそれを見ないように目を逸らした。
「イテテテ…」
痛がる飛段の縫合をしながら、角都は飛段の傷口を見つめながらオレに言う。
「ヨル、オレの血を飲め」
「けど…、角都は飛段と違って…」
致死量を飲めば危険だ。
「オレの血を少し、飛段の血を少し飲めば気が落ち着くだろう」
理性が切れる前にすぐに飛段の血を吸えば、致死量を飲まなくて済む。
「……やりすぎたら、構わず殴り飛ばしてくれ」
我慢が限界だったオレは角都の背後に近づき、その左二の腕に牙を立てた。
理性と戦いながら慎重にその血を啜り、すぐに離して飛段の首筋に牙を立てる。
「痛って!」
縫合中に悪いな。
角都と飛段の血は同じだ。
2人の共通点は、不死…。
血をゆっくりと啜り、崖に落ちる前の飛段との会話を思い出しながら考え、ある答えに行きついた。
まさか…、この2人…!
2人の血が混ざったからだろうか、2つの記憶が蘇りかけると同時に、あの睡魔に襲われた。
逆らえず、その場に倒れる。
「ヨル!? おい!」
飛段の声が遠のいていく。
もう少しだ…。
もう少しで…。
記憶の扉が開かれる。
『貴様のような奴が“生きる”意味を説くな、殺すぞ』
『神からも存在否定されるなら、“死ぬ”しかねーだろォ』
やっぱり…、おまえらなのか。
.To be continued