04:弱さの晒し者
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*角都
##NAME2##は言いたくなかったわけではない。
知らなかった。
「できるかァ!!;」
目前の垂直な崖を前に声を上げた。
「ハァ!? こんなんチャクラ使えば一発だろ!;」
「……チャクラ?」
「なにそれおいしいの?」という顔だ。
ボケてるわけではない。
それを見てオレは頭を抱えたくなった。
「……まさかとは思うが、貴様、チャクラが使えないのか?」
「???」
本当になにも知らないらしい。
「おいおい、マジで言ってんのか!?;」
飛段も信じがたい目で##NAME2##を凝視する。
オレは見本を見せてやる。
印を組み、足にチャクラを溜めて崖を歩く。
「!!」
それを見た##NAME2##は驚いた顔をした。
「チャクラを足に練れば、木の上を歩くことも、水の上を歩くこともできる。貴様、忍でなくても戦闘術で教えられなかったのか。オレより長く生きていながら…」
「……はい…。忍者がそうやってるのは見たことありましたけど…、チャクラとか、具体的なことはまったく知りませんでした(汗)」
実力の差を見せつけられて敬語になる。
今まで、敵を知らずに戦っていたのと同じだ。
逆に驚かされる。
「アカデミーのガキ以下ってことか」
「飛段以下ということだ」
##NAME2##と飛段が同時にこちらを睨みつける。
「なんでオレ以下!!?」
「そこまで言われる覚えはねえ!!」
「テメーも過剰反応すんなコラァ!!」
オレがコブシを鳴らすと、2人は同時に黙り込んだ。
五大性質も知らないわけだな。
「はぁ…」
「はぁ…」
飛段もため息をついた。
「飛段にため息つかれた…;」
それ以上の屈辱はないだろう。
##NAME2##は露骨にショックを受けた。
「…時間の無駄だ。特別に担いでやる」
##NAME2##に手を伸ばしたとき、
「オレが担ぐ!!」
「……なに?」
オレの手首をつかんだ飛段が必死な顔で言いだした。
「オレが担ぐゥ!!」
こんな必死な飛段は見たことがない。
こちらは楽ができて別にいいのだが。
「…遅れるなよ」
オレがそう言う前に、飛段はとっとと##NAME2##を担いで崖を駆け下りていた。
崖下から「飛段―――! 速い―――!!;」と##NAME2##の叫びが聞こえる。
「なんなんだ」
黙ったり、誤魔化すように言ったり、苛々したり、必死になったり。
戦いのあと、飛段の様子がおかしい。
*****
それからしばらく進んだあと、日も沈み、更地で野宿をすることにした。
枯れ木に火をつけたとき、背後にゼツが現れた。
「頼まれてたもの持ってきたよ」
「オマエ、コンナモノドウスル気ダ?」
ゼツが取り出した巻物を受け取り、##NAME2##に投げ渡す。
「……“忍術初段の書?”」
世の中のことは知らずとも文字は読めるらしい。
「アカデミーで習う術が記された巻物だ」
「太いな…。長いし…;」
紐を解き、その長さにげんなりしている。
「貴様の実力はアカデミークラスだ。それで勉強し、使えそうな術を覚えろ。チャクラの云々はそれからだ」
才能があるかどうかは、術の覚えの早さと扱いで決める。
「角都が教えればいいのに」
白いゼツがそう言った。
「クク…ッ。お厳しい角都が先生になったらヨルが死ぬってェ」
飛段の言うとおりだ。
オレは教師に向いていない。
オレの「厳しい」は度を越しているからな。
ゼツが帰ったあとも、巻物を読んでいる##NAME2##は「ええ」だの「うわ」だの「ムリ」だの言っている。
「次は甘やかすと思うな」
オレがそう言うと、##NAME2##は黙々と巻物を読んでいく。
巻物を見ながら印を組み、「分身の術」と呟いた。
しかし、2人になることはなかった。
すると唐突に、巻物を読みながらオレ達に話しかける。
「忍者学校(アカデミー)ってさぁ…、角都と飛段も通ってたのか」
「ああ」
オレは干し肉を焼きながら答えた。
「卒業したのか? つーか、飛段、卒業できたのか?」
「いちいち失礼だな、おい」
生焼けの干し肉を頬張りながら飛段は##NAME2##を睨みつける。
「卒業すれば、忍の額当てが手に入る」
そう言ってオレは自分の額を指先でコツコツと叩いた。
##NAME2##は視線だけ上げてそれを一瞥し、再び視線を巻物へと戻す。
「傷はわざとか?」
額当てのマークにつけた一線の傷のことを言っているのだろう。
「抜け忍の証だ。故郷を捨てた証…」
この額当てに傷をつけた日を、忘れはしない。
「……そっか…。変化! …クソ…」
また失敗だ。
##NAME2##の姿は変わらない。
ふと、アカデミーで勉強していた頃の自分を思い出した。
なんのために忍者になろうとしたのか。
今となっては、思い出すのも苦々しい。
.
##NAME2##は言いたくなかったわけではない。
知らなかった。
「できるかァ!!;」
目前の垂直な崖を前に声を上げた。
「ハァ!? こんなんチャクラ使えば一発だろ!;」
「……チャクラ?」
「なにそれおいしいの?」という顔だ。
ボケてるわけではない。
それを見てオレは頭を抱えたくなった。
「……まさかとは思うが、貴様、チャクラが使えないのか?」
「???」
本当になにも知らないらしい。
「おいおい、マジで言ってんのか!?;」
飛段も信じがたい目で##NAME2##を凝視する。
オレは見本を見せてやる。
印を組み、足にチャクラを溜めて崖を歩く。
「!!」
それを見た##NAME2##は驚いた顔をした。
「チャクラを足に練れば、木の上を歩くことも、水の上を歩くこともできる。貴様、忍でなくても戦闘術で教えられなかったのか。オレより長く生きていながら…」
「……はい…。忍者がそうやってるのは見たことありましたけど…、チャクラとか、具体的なことはまったく知りませんでした(汗)」
実力の差を見せつけられて敬語になる。
今まで、敵を知らずに戦っていたのと同じだ。
逆に驚かされる。
「アカデミーのガキ以下ってことか」
「飛段以下ということだ」
##NAME2##と飛段が同時にこちらを睨みつける。
「なんでオレ以下!!?」
「そこまで言われる覚えはねえ!!」
「テメーも過剰反応すんなコラァ!!」
オレがコブシを鳴らすと、2人は同時に黙り込んだ。
五大性質も知らないわけだな。
「はぁ…」
「はぁ…」
飛段もため息をついた。
「飛段にため息つかれた…;」
それ以上の屈辱はないだろう。
##NAME2##は露骨にショックを受けた。
「…時間の無駄だ。特別に担いでやる」
##NAME2##に手を伸ばしたとき、
「オレが担ぐ!!」
「……なに?」
オレの手首をつかんだ飛段が必死な顔で言いだした。
「オレが担ぐゥ!!」
こんな必死な飛段は見たことがない。
こちらは楽ができて別にいいのだが。
「…遅れるなよ」
オレがそう言う前に、飛段はとっとと##NAME2##を担いで崖を駆け下りていた。
崖下から「飛段―――! 速い―――!!;」と##NAME2##の叫びが聞こえる。
「なんなんだ」
黙ったり、誤魔化すように言ったり、苛々したり、必死になったり。
戦いのあと、飛段の様子がおかしい。
*****
それからしばらく進んだあと、日も沈み、更地で野宿をすることにした。
枯れ木に火をつけたとき、背後にゼツが現れた。
「頼まれてたもの持ってきたよ」
「オマエ、コンナモノドウスル気ダ?」
ゼツが取り出した巻物を受け取り、##NAME2##に投げ渡す。
「……“忍術初段の書?”」
世の中のことは知らずとも文字は読めるらしい。
「アカデミーで習う術が記された巻物だ」
「太いな…。長いし…;」
紐を解き、その長さにげんなりしている。
「貴様の実力はアカデミークラスだ。それで勉強し、使えそうな術を覚えろ。チャクラの云々はそれからだ」
才能があるかどうかは、術の覚えの早さと扱いで決める。
「角都が教えればいいのに」
白いゼツがそう言った。
「クク…ッ。お厳しい角都が先生になったらヨルが死ぬってェ」
飛段の言うとおりだ。
オレは教師に向いていない。
オレの「厳しい」は度を越しているからな。
ゼツが帰ったあとも、巻物を読んでいる##NAME2##は「ええ」だの「うわ」だの「ムリ」だの言っている。
「次は甘やかすと思うな」
オレがそう言うと、##NAME2##は黙々と巻物を読んでいく。
巻物を見ながら印を組み、「分身の術」と呟いた。
しかし、2人になることはなかった。
すると唐突に、巻物を読みながらオレ達に話しかける。
「忍者学校(アカデミー)ってさぁ…、角都と飛段も通ってたのか」
「ああ」
オレは干し肉を焼きながら答えた。
「卒業したのか? つーか、飛段、卒業できたのか?」
「いちいち失礼だな、おい」
生焼けの干し肉を頬張りながら飛段は##NAME2##を睨みつける。
「卒業すれば、忍の額当てが手に入る」
そう言ってオレは自分の額を指先でコツコツと叩いた。
##NAME2##は視線だけ上げてそれを一瞥し、再び視線を巻物へと戻す。
「傷はわざとか?」
額当てのマークにつけた一線の傷のことを言っているのだろう。
「抜け忍の証だ。故郷を捨てた証…」
この額当てに傷をつけた日を、忘れはしない。
「……そっか…。変化! …クソ…」
また失敗だ。
##NAME2##の姿は変わらない。
ふと、アカデミーで勉強していた頃の自分を思い出した。
なんのために忍者になろうとしたのか。
今となっては、思い出すのも苦々しい。
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