04:弱さの晒し者
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*飛段
目の端に、##NAME2##の戦いが映った。
コウモリを呼びだし、敵を混乱させている。
「スゲー、あいつ、あんなこともできるのか」
振り返って「ヒュ~」と口笛を吹く。
その隙を突いて目の前に数人の敵が迫ってきた。
「どこを見てる!?」
「もらったぁ!」
敵が直接クナイをグサグサとオレに刺してきた。
腹、右横腹、左胸、右脇。
普通の人間なら死んでる。
普通ならな。
「…ハァー、痛ってーなァ」
死なないオレを見て敵は仰天する。
動きを完全に止めた。
「こいつ、生きてるぞ!?」
「馬鹿な!!」
「誰がバカだコラ」
敵と出くわすたびにその顔を何度見てきたことか。
オレは背後の殺気に気付く。
前を見たまま、声をかけた。
「角都ゥ、オレの儀式用、ひとり残しとけよ」
「面倒な奴だ」
なにか言い返してやろうかと振り返ったら、肩越しに角都の背中から2匹出てきたのが見えた。
圧害と頭刻苦だ。
印を組む角都。
「“火遁・頭刻苦”、“風遁・圧害”!」
火と風のコンボ技だ。
炎の竜巻がオレごと敵を吹っ飛ばす。
巻き込まれた周りの木々も粉砕された。
1発ですべて終わった。
それなら最初から使えってんだ。
外套に付着した土を払い、立ち上がって辺りを見回した。
「ぐ…っ」
山道の右端にまだ息のある奴がいる。
オレの儀式用だ。
苦しそうに呻いているそいつの右頬に鎌の刃先を突きたて、傷をつける。
鎌の刃先に付着したそいつの血を舐めとり、懐から取り出した伸縮式の杭で自分の右てのひらを貫き、足下に血を滴らせて足を使ってジャシン様のマークを描いた。
体はすでに変色している。
マークの真ん中に立ち、杭で自分の心臓を貫く。
「ぐ…っあぁ…っ」
そいつは胸を押さえてビクビクと痙攣した。
やがて、動かなくなる。
オレは仰向けに倒れ、祈りを捧げる。
「さっさと済ませろ」
角都が近づいてきた。
角都の横には圧害と頭刻苦がいる。
「ジャマすんなよ!」
急かす角都に苛立ちを覚えて怒鳴った。
「祈りを知らねえ無神ろ……」
言葉を途中で切ったのは、角都の背後の##NAME2##を見たからだ。
頬を赤く染め、少し離れた角都の後ろ姿を穴が空くくらいじっと見つめていた。
目を逸らしたかと思えばチラチラと見ている。
え、ちょ…、マジ本気?
そうなのか?
いやいや…。
オレは混乱した。
##NAME2##が…、角都を…?
角都を先頭に、狭い山道を進む。
隣の##NAME2##を何度も見たが、以前と変わらず普通だ。
今は疲れているのが表情から伝わってくる。
戦いが終わってから、オレはずっと考え込んでいた。
##NAME2##が角都をなァ…。
まあ、##NAME2##はああだけど女だし。
けど、年の差が…、あ……。
若く見えるが、2人ともかなりの年上だ。
おかしくねえよ!
##NAME2##の方が年上だけど、角都と年近いじゃねえかァ!
しかも、2人とも美形だ。
不釣り合いはない。
祭りの時もいいカンジだったしなァ。
りんご飴をプレゼントした角都、嬉しそうに「ありがとう、角都」と礼を言った##NAME2##。
……なんだこのラブフラグ。
考えただけで恥ずかしい。
そこでオレははっとした。
別にィ、あいつらが好き合おうが付き合おうがオレには関係ねえじゃん。
角都はいい男だし、##NAME2##はいい女(?)だし。
気にする必要は…。
「ぐむっ」
その時、ドン、と顔になにかぶつかった。
角都の背中だ。
「どこか痛むのか?」
「へ?」
立ち止まった角都に肩越しに聞かれ、首を傾げる。
間抜けな顔になったかもしれない。
「なんで無口なんだよ。気味悪ィな;」
隣の##NAME2##がオレの顔を覗きこんだ。
「テメーらのことで考えてたんだよォ!!」なんて言えるわけがない。
それはとりあえず内心で叫んでおく。
とにかく、この場は誤魔化さないと。
「え…と…、いやァ、##NAME2##のああいう術系初めて見たからよォ。アレなんだ? 口寄せかァ?」
よし!
上手いぜ、オレェ!
##NAME2##は「ああ、アレか…」と言って続ける。
「“音寄せ”って言ってな、普通の人間には聞こえない特殊な音波を出して野性のコウモリを呼ぶんだ。他の動物を催眠状態にもできる」
角都も興味があったのか、黙って聞いている。
「へぇ。他になんか術あんのかァ?」
前の##NAME2##だったら教えてくれなかっただろう。
警戒持たれてたっぽいし。
「…そうだな……」
考える仕草をしたあと、右手の親指を噛み切った。
その血を肩のコウモリの刺青に塗りつける。
「“闇染”」
「「!」」
##NAME2##の姿が半透明になり、やがて消えた。
「##NAME2##!?」
「気配も完全に消えたな」
角都がそう呟いたとき、突然背後から首をつかまれた。
「!」
振り返ると、##NAME2##の姿がそこにあった。
「こんなふうに、攻撃を仕掛けると術が解ける。“夢魔”出しても解ける。逃亡用の術なんだ、これは」
声に苛立ちがこもってる。
便利な術なのに、好きじゃないのかもしれない。
「五大性質変化はなにが使える?」
今度は角都が質問した。
それだけでも、オレはいちいち気にしてしまう。
##NAME2##はきょとんとした顔をして黙っている。
「これ以上言いたくなければいい」
そう言って、角都はまた進み始めた。
##NAME2##は「?」の顔のままついていく。
オレだったら、「言わないと殺す」とか言うくせによォ…。
なんか、苛々する。
.
目の端に、##NAME2##の戦いが映った。
コウモリを呼びだし、敵を混乱させている。
「スゲー、あいつ、あんなこともできるのか」
振り返って「ヒュ~」と口笛を吹く。
その隙を突いて目の前に数人の敵が迫ってきた。
「どこを見てる!?」
「もらったぁ!」
敵が直接クナイをグサグサとオレに刺してきた。
腹、右横腹、左胸、右脇。
普通の人間なら死んでる。
普通ならな。
「…ハァー、痛ってーなァ」
死なないオレを見て敵は仰天する。
動きを完全に止めた。
「こいつ、生きてるぞ!?」
「馬鹿な!!」
「誰がバカだコラ」
敵と出くわすたびにその顔を何度見てきたことか。
オレは背後の殺気に気付く。
前を見たまま、声をかけた。
「角都ゥ、オレの儀式用、ひとり残しとけよ」
「面倒な奴だ」
なにか言い返してやろうかと振り返ったら、肩越しに角都の背中から2匹出てきたのが見えた。
圧害と頭刻苦だ。
印を組む角都。
「“火遁・頭刻苦”、“風遁・圧害”!」
火と風のコンボ技だ。
炎の竜巻がオレごと敵を吹っ飛ばす。
巻き込まれた周りの木々も粉砕された。
1発ですべて終わった。
それなら最初から使えってんだ。
外套に付着した土を払い、立ち上がって辺りを見回した。
「ぐ…っ」
山道の右端にまだ息のある奴がいる。
オレの儀式用だ。
苦しそうに呻いているそいつの右頬に鎌の刃先を突きたて、傷をつける。
鎌の刃先に付着したそいつの血を舐めとり、懐から取り出した伸縮式の杭で自分の右てのひらを貫き、足下に血を滴らせて足を使ってジャシン様のマークを描いた。
体はすでに変色している。
マークの真ん中に立ち、杭で自分の心臓を貫く。
「ぐ…っあぁ…っ」
そいつは胸を押さえてビクビクと痙攣した。
やがて、動かなくなる。
オレは仰向けに倒れ、祈りを捧げる。
「さっさと済ませろ」
角都が近づいてきた。
角都の横には圧害と頭刻苦がいる。
「ジャマすんなよ!」
急かす角都に苛立ちを覚えて怒鳴った。
「祈りを知らねえ無神ろ……」
言葉を途中で切ったのは、角都の背後の##NAME2##を見たからだ。
頬を赤く染め、少し離れた角都の後ろ姿を穴が空くくらいじっと見つめていた。
目を逸らしたかと思えばチラチラと見ている。
え、ちょ…、マジ本気?
そうなのか?
いやいや…。
オレは混乱した。
##NAME2##が…、角都を…?
角都を先頭に、狭い山道を進む。
隣の##NAME2##を何度も見たが、以前と変わらず普通だ。
今は疲れているのが表情から伝わってくる。
戦いが終わってから、オレはずっと考え込んでいた。
##NAME2##が角都をなァ…。
まあ、##NAME2##はああだけど女だし。
けど、年の差が…、あ……。
若く見えるが、2人ともかなりの年上だ。
おかしくねえよ!
##NAME2##の方が年上だけど、角都と年近いじゃねえかァ!
しかも、2人とも美形だ。
不釣り合いはない。
祭りの時もいいカンジだったしなァ。
りんご飴をプレゼントした角都、嬉しそうに「ありがとう、角都」と礼を言った##NAME2##。
……なんだこのラブフラグ。
考えただけで恥ずかしい。
そこでオレははっとした。
別にィ、あいつらが好き合おうが付き合おうがオレには関係ねえじゃん。
角都はいい男だし、##NAME2##はいい女(?)だし。
気にする必要は…。
「ぐむっ」
その時、ドン、と顔になにかぶつかった。
角都の背中だ。
「どこか痛むのか?」
「へ?」
立ち止まった角都に肩越しに聞かれ、首を傾げる。
間抜けな顔になったかもしれない。
「なんで無口なんだよ。気味悪ィな;」
隣の##NAME2##がオレの顔を覗きこんだ。
「テメーらのことで考えてたんだよォ!!」なんて言えるわけがない。
それはとりあえず内心で叫んでおく。
とにかく、この場は誤魔化さないと。
「え…と…、いやァ、##NAME2##のああいう術系初めて見たからよォ。アレなんだ? 口寄せかァ?」
よし!
上手いぜ、オレェ!
##NAME2##は「ああ、アレか…」と言って続ける。
「“音寄せ”って言ってな、普通の人間には聞こえない特殊な音波を出して野性のコウモリを呼ぶんだ。他の動物を催眠状態にもできる」
角都も興味があったのか、黙って聞いている。
「へぇ。他になんか術あんのかァ?」
前の##NAME2##だったら教えてくれなかっただろう。
警戒持たれてたっぽいし。
「…そうだな……」
考える仕草をしたあと、右手の親指を噛み切った。
その血を肩のコウモリの刺青に塗りつける。
「“闇染”」
「「!」」
##NAME2##の姿が半透明になり、やがて消えた。
「##NAME2##!?」
「気配も完全に消えたな」
角都がそう呟いたとき、突然背後から首をつかまれた。
「!」
振り返ると、##NAME2##の姿がそこにあった。
「こんなふうに、攻撃を仕掛けると術が解ける。“夢魔”出しても解ける。逃亡用の術なんだ、これは」
声に苛立ちがこもってる。
便利な術なのに、好きじゃないのかもしれない。
「五大性質変化はなにが使える?」
今度は角都が質問した。
それだけでも、オレはいちいち気にしてしまう。
##NAME2##はきょとんとした顔をして黙っている。
「これ以上言いたくなければいい」
そう言って、角都はまた進み始めた。
##NAME2##は「?」の顔のままついていく。
オレだったら、「言わないと殺す」とか言うくせによォ…。
なんか、苛々する。
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