37:カラスが鳴くから
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*ヨル
「ヨル、早くしろ。賞金首が逃げるぞ」
さっき別の奴を仕留めたところなのに、忙しない奴だな。
「ヨル~、いいもん持ってきたぜェ」
背中からチラッと見えてるぞ。リンゴ飴隠してるだろ。
「ヨル…、ヨル!」
その声に引っ張られ、思い出が目の前から消えていく。
「いつまで寝てんだ?」
目を開けると、オレの右肩を踏みつけるクロハがいた。
クロハは「はんっ」と口癖を漏らし、「よくこんな場所で眠れるな」と呆れたように言う。
オレは辺りを見回した。
雨の中、どこを見ても、村人の死体が転がっている。
オレが殺した奴の死体も。
しかも、オレが堂々と眠っていたのはカラスがたかり始めた死体の山だった。
その山に背をもたせかけて眠っていたのだから、クロハが呆れるのも無理はない。
オレは眉間を指でつまんだ。
「寝不足なんだよ…」
さっきみたいな夢見るのが嫌だから、あまり眠りたくないんだ。
オレは一体、なにをしているのだろう。
唐突にそんな疑問が脳裏をよぎる。
見上げると、やや強めに降る雨がオレの顔に直撃し、顔にべっとりと付着した返り血を洗い流してくれる。
「……………」
ふと、手についた血を舐めた。
美味しい。
だけど、虚しい。
.
「ヨル、早くしろ。賞金首が逃げるぞ」
さっき別の奴を仕留めたところなのに、忙しない奴だな。
「ヨル~、いいもん持ってきたぜェ」
背中からチラッと見えてるぞ。リンゴ飴隠してるだろ。
「ヨル…、ヨル!」
その声に引っ張られ、思い出が目の前から消えていく。
「いつまで寝てんだ?」
目を開けると、オレの右肩を踏みつけるクロハがいた。
クロハは「はんっ」と口癖を漏らし、「よくこんな場所で眠れるな」と呆れたように言う。
オレは辺りを見回した。
雨の中、どこを見ても、村人の死体が転がっている。
オレが殺した奴の死体も。
しかも、オレが堂々と眠っていたのはカラスがたかり始めた死体の山だった。
その山に背をもたせかけて眠っていたのだから、クロハが呆れるのも無理はない。
オレは眉間を指でつまんだ。
「寝不足なんだよ…」
さっきみたいな夢見るのが嫌だから、あまり眠りたくないんだ。
オレは一体、なにをしているのだろう。
唐突にそんな疑問が脳裏をよぎる。
見上げると、やや強めに降る雨がオレの顔に直撃し、顔にべっとりと付着した返り血を洗い流してくれる。
「……………」
ふと、手についた血を舐めた。
美味しい。
だけど、虚しい。
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