30:猫と鬼ごっこ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*飛段
ヨルが陽動している間、里のほぼ外れにある古びた高い建物に目をつけていたオレと角都は西と東に二手に分かれた。
角都は堂々と出入口から、オレは建物の垂直の壁を駆けあがっていく。
中には他の忍が数人かいるようだ。
屋上へとのぼりきる前に窓から聞こえた女の声にオレは足を止める。
「今度は侵入者だと!?」
「はい! 今度は暁と思わしき輩が…」
忍が報告してるのは角都のことだな。
「他の者はほとんど本部へ出払っていて、我々だけでは…! 相手は単独ですが、暁はそれぞれツーマンセルで行動しています。他の仲間はおそらく陽動役かと…」
「私も出て行こうとしたこのタイミングで…、まさか…」
そう、その「まさか」だ。
オレはニヤリと笑い、窓を蹴破って床に着地した。
出るとしたら、このタイミングだろうが。
「!?」
忍の格好をした女と、その目の前にいる忍2人がこっちに驚いた顔を向けた。
「暁だと!?」
「ご名答ー。やっぱりここにいたのか、二尾のネーチャン」
二尾の女ははっとした顔をしたあと、他の忍と固まり、警戒心剥き出しにオレを睨みつける。
オレは背中の三連鎌の柄を手に取り、刃先を向けた。
「ハズレと言ったら、オレ達だけがスリーマンセルってことだけだな。ヨルは陽動、オレと角都はてめーの捕獲役だ」
その時、扉が突き破られた。床に転がったのは忍の死体だ。
二尾の女とその他は今度はそっちに振り向く。
扉がなくなった出入口から角都が部屋に足を踏み入れる。
もう追いついてきやがった。
角都の硬化した右手には忍の血が付着していた。
「大人しく捕獲されてもらおうか」
角都がそう言いだしたとき、二尾の女の傍にいた忍2人がひとりずつオレと角都に向かってきた。
クナイが振るわれ、オレは三連鎌の刃で、角都は硬化した右腕で防ぐ。
「ユギト様!」
「早くお逃げください!」
ヨルがいたら、こいつらも生かしてそうだな。
そんなことを考えながら、オレは躊躇なく三連鎌でクナイを弾き、目の前の忍の正面に刃を突き立てた。
角都も目の前の忍の横っ面を殴り、壁の向こうへと吹っ飛ばした。
死んだかな。
オレとヨルはそういうの何回も経験済みだから。
二尾の女は―――ユギトは悔しそうに歯軋りし、なにかを地面に叩きつけた。
それはカッと光り、眩しい光が部屋を包んだ。
「あ!」
「閃光弾か」
オレと角都が一瞬目を瞑った隙に廊下に逃げられてしまった。
「おいおい、逃げられちまったじゃねーか」
「逃がさん」
「これ、逃がしたらヨルがうるせーぞ」
.
ヨルが陽動している間、里のほぼ外れにある古びた高い建物に目をつけていたオレと角都は西と東に二手に分かれた。
角都は堂々と出入口から、オレは建物の垂直の壁を駆けあがっていく。
中には他の忍が数人かいるようだ。
屋上へとのぼりきる前に窓から聞こえた女の声にオレは足を止める。
「今度は侵入者だと!?」
「はい! 今度は暁と思わしき輩が…」
忍が報告してるのは角都のことだな。
「他の者はほとんど本部へ出払っていて、我々だけでは…! 相手は単独ですが、暁はそれぞれツーマンセルで行動しています。他の仲間はおそらく陽動役かと…」
「私も出て行こうとしたこのタイミングで…、まさか…」
そう、その「まさか」だ。
オレはニヤリと笑い、窓を蹴破って床に着地した。
出るとしたら、このタイミングだろうが。
「!?」
忍の格好をした女と、その目の前にいる忍2人がこっちに驚いた顔を向けた。
「暁だと!?」
「ご名答ー。やっぱりここにいたのか、二尾のネーチャン」
二尾の女ははっとした顔をしたあと、他の忍と固まり、警戒心剥き出しにオレを睨みつける。
オレは背中の三連鎌の柄を手に取り、刃先を向けた。
「ハズレと言ったら、オレ達だけがスリーマンセルってことだけだな。ヨルは陽動、オレと角都はてめーの捕獲役だ」
その時、扉が突き破られた。床に転がったのは忍の死体だ。
二尾の女とその他は今度はそっちに振り向く。
扉がなくなった出入口から角都が部屋に足を踏み入れる。
もう追いついてきやがった。
角都の硬化した右手には忍の血が付着していた。
「大人しく捕獲されてもらおうか」
角都がそう言いだしたとき、二尾の女の傍にいた忍2人がひとりずつオレと角都に向かってきた。
クナイが振るわれ、オレは三連鎌の刃で、角都は硬化した右腕で防ぐ。
「ユギト様!」
「早くお逃げください!」
ヨルがいたら、こいつらも生かしてそうだな。
そんなことを考えながら、オレは躊躇なく三連鎌でクナイを弾き、目の前の忍の正面に刃を突き立てた。
角都も目の前の忍の横っ面を殴り、壁の向こうへと吹っ飛ばした。
死んだかな。
オレとヨルはそういうの何回も経験済みだから。
二尾の女は―――ユギトは悔しそうに歯軋りし、なにかを地面に叩きつけた。
それはカッと光り、眩しい光が部屋を包んだ。
「あ!」
「閃光弾か」
オレと角都が一瞬目を瞑った隙に廊下に逃げられてしまった。
「おいおい、逃げられちまったじゃねーか」
「逃がさん」
「これ、逃がしたらヨルがうるせーぞ」
.