悪党共を、救出します。
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姫川のケータイを使って神崎とコンタクトをとったラミアは、神崎に迎えに来てもらい、無事にアジトへと到着した。
リビングで男鹿に何があったかを伝え、その場に膝をついて泣き出す。
「私のせいで…、古市達が…っ、殺されちゃう…っ!!」
そんなラミアの背中を、邦枝はしゃがんで優しく擦る。
生死は不明のままだ。
ソファーに腰掛けローテーブルに足を投げ出しながらラミアの言葉に耳を傾けていた男鹿は、立ち上がってケータイを取り出し、とある人物にかける。
その間に神崎達は準備に取り掛かった。
「何人で行く?」
相沢に問われ、神崎は城山に武器を取ってくるよう指示してから答える。
「オレの班と、東条班…。男鹿を含めて7人でいいだろ。邦枝、ラミ公は任せた」
「ええ」
「バカな奴らだよねー、ボスの唯一のストッパー、自ら取っちゃうなんてさぁ」
夏目は電話中の男鹿の背中を見る。
他のメンバーから見ても、殺気立つ空気に包まれているのを感じとれた。
*****
その頃、魔境に存在する廃倉庫にケータイの着信音が響き渡った。
倉庫内の中には9台の大型トラックが停まってある。
その内の1台の運転席に、その人物は乗っていた。
「シノブ…」
助手席に座っていたゴスロリの少女が、運転席で雑誌を顔の上にのせて休息をとっていた男を起こす。
「ん…? どうしたルシファー」
「イシヤマ…」
「……………」
男は顔を覆っていた雑誌をとり、ケータイを受け取った。
「なんだ、男鹿」
“鷹宮、頼み事がある”
藪から棒に、と男―――鷹宮は口角を上げる。
「久しぶりに連絡とってきたかと思えばソレか。こっちは一仕事終えて休憩中なんだが?」
“悪いな。こっちは仲間の命がかかってんだ。時間もない”
「ほう…? 誰の命がかかってるって?」
“古市と、新人の姫川だ”
(姫川……)
男鹿のファミリーに新たに入った仲間だということを思い出す。
「詳しく話せ」
男鹿は電話越しに、古市と姫川が、ラミアを狙う正体不明の組織に連れ去られたかもしれないことを簡潔に話した。
その間に鷹宮はルシファーとともに車を降り、コンテナの後ろへと移動する。
「つまり、そいつらの足取りを追えってことだろ?」
“出来ねえか?”
「ケンカ売ってるのか? 相手は表から事をやらかしてるわけだろ? 大体の時間と場所がわかってれば数分で『ファルコン』で突き止めてやるよ」
“そうこねぇとな…”
「同盟者でも、オレらダテンファミリーを頼るなら、高くつくぞ」
コンテナを開けると、大量のモニターがあった。
ドアを開けると同時に電源が入る仕組みになり、あらゆる場所の映像が映し出される。
コンテナに入るとインカムを装着し、他のコンテナにいるメンバーに呼びかけた。
「男鹿から依頼があった。今から言う場所と時間から特定の車を見つけてアジトまで辿れ」
詳細を話すと、早速部下の鈴村から連絡があった。
“こちら2号車。鷹宮、見つけたよ”
その映像が鷹宮のもとへ送られる。
デパートの屋上の監視カメラからだ。
ハッキングしたものである。
他の車の陰でわかりにくいが、古市と姫川が気絶させられて車に押し込まれ連れ去られる瞬間を捉えている。
「男鹿、安心しろ。仲間は生け捕りにされたようだ」
古市と姫川の安否を伝えると、次々と切り取られたものが繋がるように他の監視カメラの映像がモニターに映し出された。
コンビニ、ビル、駐車場、街灯など。
魔境と違い、表の街は監視カメラで溢れている。
「…!」
賑やかな街から大きく外れたところで見失う。
魔境に近づいたところで一般のカメラもなくなったのだろう。
「切り替えろ」
鷹宮の一言でまたモニターに続きが映し出された。
ここから先は、鷹宮があらかじめ設置していた小型カメラが追跡してくれる。
「……あの辺りか」
アジトに到着した瞬間まではとらえることはできなかったが、位置は大方把握できた。
「男鹿、場所は…―――」
追跡を終えるまで、5分とかからなかった。
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