痩せたければ動きましょう。
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きっかけは、今日の昼過ぎ、姫川が仕事に出ている間に、城山と一緒に家に遊びに来た夏目の一言だった。
『神崎君、太ったよね?』
最初、神崎は夏目の言葉が理解できなかった。
テレビゲームの格闘対戦中だったので、てっきり負けを誘っているのかと思ったが、終わったあと、夏目が「えい☆」と人差し指で神崎の腹をつついた。
ぷにん。
そんな効果音が聞こえるくらい、夏目の人差し指の先が埋まった。
瞬間、神崎に焦りが生まれた。
夏目と城山に背を向け、裾をめくって自分の腹を見る。
腹筋の割れが薄くなっている気がする。
わずかだが、指でつまめてしまう。
その時、想像してしまった。
「胸じゃなくて腹が膨らんだって? じゃあ騎上位とかムリだな」と冷笑し、「NO!」と両手でバツを作る姫川を。
晩御飯はいつも食べている食事の3分の1。
姫川に勘付かれてしまう前に、先に食べた。
風呂でも、できるだけ余分な脂肪を落とそうと、テレビで見た半身浴までした。
それでも体重は1キロも落ちていない。
好物のヨーグルッチまでガマンしたのに。
翌朝、姫川は自力で起きてダイニングへと向かった。
そこには、いつも朝食を用意してくれている神崎の姿がない。
代わりに、ラップに包まれた朝食と、1枚の紙がテーブルに置かれていた。
“ちょっと散歩してくる”
「……………」
姫川は寝惚けた顔で壁にかけられた時計を見る。
7:15
「……あいつ、いつ散歩に行ったんだ?」
朝食の目玉焼きとスクランブルエッグはすっかり冷めていた。
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