痩せたければ動きましょう。
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風呂上がり、腰にタオルを巻いたまま、神崎は目の前の体重計を見下ろした。
のる前に、濡れた髪をよく拭いてドライヤーで髪を乾かし、数グラムの余分な水分を飛ばす。
再び体重計と向かい合う神崎。
一息つき、いざ、右足をゆっくりとのせ、同じ速度で左足ものせ、針がさした数字を見る。
「……………」
腰に巻いたタオルも外した。
「……………」
ピアス、口と耳のチェーンも外す。
「……………」
ヒゲも剃ろうとしたところで、姫川が扉を開けた。
「おい、いつまで入って…、うわっ! なに血迷ってんのっ!?」
カミソリでヒゲを剃ろうとした神崎を止めにかかる。
「ええい、放せ姫川!」
「それ以上ポリシーを取るな! ヒゲは取り返しに時間かかんだろ!」
カミソリを取りあげられ、姫川に見られる前に体重計から下りた神崎は、明らかに落胆したような重いため息をついた。
「…神崎?」
神崎は首を傾げる姫川を見る。
風呂に入るのを待っていたのか、半裸だ。
今更だが、その腹は腹筋で割れている。
ガタイも自分より良い。
今はそれが異常に腹立たしかった。
ゴッ
「おぶっ!」
いきなり腹にコブシを入れられ、姫川は腹を抱えて前のめりになる。
「て…め…、いきなり…、なにを…」
「ムカつく」
正直な気持ちを口にした神崎は、パンツを穿いたあと、寝巻を手に脱衣所から出る。
「神崎?」
「今日はひとりで寝るから。前みたいに絶対夜這いとかしてくんなよ。したら実家に帰らせてもらうからな」
肩越しに唸るように言ったあと、扉を閉めた。
扉を見つめ、姫川は再び首を傾げる。
「オレ…、なにかしたっけ?」
今日1日を振り返ってみるが、神崎の機嫌を損ねるようなことは一言も言っていないし、やってもない。
行ってきますとただいまのチューをしたくらいだ。
どちらもツンデレな顔だった。
あんな拒絶な顔じゃなかった。
姫川は神崎がのっていた体重計を見つめる。
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