暮らし始めた2人は?
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仕事の帰りに立ち寄ったレンタルビデオショップで姫川は“送り人”を借りてきて、夕飯を食べたあと電気を消し、リビングで神崎とソファーに座りながら一緒に大画面で見ていた。
後半に差しかかってきたころ、ふと神崎は画面を見つめながら姫川に尋ねる。
「オレが死んだらさ、棺桶になに入れてくれる?」
「……………」
姫川はしばし沈黙し、同じく画面を見つめながら口を開き、淡々と答える。
「ヨーグルッチは必須だよな」
「当然だろ。入れ忘れたら枕元に立つからな」
「おう。1000個詰め込んでやる」
傍から見たら滑稽な葬式だ。
2度と目を覚まさない神崎の周りに引きつめられた大好物だったヨーグルッチ。
城山はきっと号泣することだろう。
夏目は「最期まで面白い人だったね、神崎君」と城山を慰めながら涙をこらえるだろう。
家族や慕っていた人間も、泣くだろう。
「それと、オレも入れないとな」
神崎の目が姫川を一瞥し、画面に戻る。
「……一緒に灰になる気か?」
「当然だろ。死んでも一緒にいてやるよ」
「…そ…、そういうときは、オレの分まで生きるとか…言うもんだろ…」
「ムリ。それで長生きできなかったらてめーに申し訳ねえだろ。だったらいっそ一緒に逝ってやるよ」
「……………」
物語も終盤。
神崎の瞳に映る画面がにじんで見えた。
「オレに死んでほしくなかったら、オレより長生きしろよ、神崎」
「……なんて脅しをしやがる…。お互い様だろ…」
エンディングロールが流れた頃に、いつの間にかギュッと手をつないでいたことに気付いた。
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