暮らし始めた2人は?
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残業も終わり、家に帰った頃には午前3時をまわっていた。
疲弊しきった姫川は「ただいまー」と玄関を上がり、真っ直ぐにダイニングへと向かい、真っ暗なダイニングに明かりをつけた。
「!」
そこには、ソファーで仰向けに眠っている神崎がいた。
「神崎…」
明かりが眩しいのか、神崎は「ん…」と唸り、眉をひそめた。
姫川はドア付近の壁のスイッチを押して電気を消してから、神崎にゆっくりと近づいてその顔をのぞきこむ。
「起こしたか?」
「ん…」
「待っててくれた?」
「んー…」
「悪かったな」
「んぅ」
目を閉じたまま返事を返す神崎。
まだ脳の半分も起きてないのだろう。
タオルケットも被らずに寝ていたので、姫川はその体をお姫様だっこで神崎の自室に運ぼうと手を伸ばしたが、その右手を、急に神崎がつかんだ。
「!」
神崎は目をつぶったまま、だるそうに上半身を起こしてソファーから降りると、姫川の右手を引っ張りながらフラフラとダイニングを出る。
軽く振ればほどけそうな手だったが、払う理由もなく、姫川は神崎の歩調に合わせてついていった。
やってきたのは神崎の部屋の前。
たどりついたのはいいが、神崎の左手がドアノブを探していたので、姫川は前に出てドアを開けてあげると、フラフラと夢遊病のように再び歩き出し、ベッドの前に到着し、同時に姫川の手を放す。
「……おやす、みっ?」
そのまま神崎が自分のベッドで寝るかと思いきや、両手で正面を押され、姫川は仰向けにベッドに倒れた。
何事かと体を起こす前に、神崎は姫川の上に倒れこんでくる。
「ちょ、かんざ…っ」
動揺する姫川に構わず、神崎はちゃんといるか温もりや匂いで確認し、安心したように息をついて安堵の笑みを浮かべ、その胸に頬をつけた。
「おかえり。オレの抱き枕…」
「―――っ!!」
神崎がのっている状態で、両手で顔を覆い悶える姫川。
やがて、静かな寝息が聞こえてきた。
次に起きた時には、この状況をどう見るのか。
仕事の疲れも、風呂に浸かるより効率的にどこかへ吹っ飛んでしまい、姫川は自分の上にある温もりと匂いと重みによって眠気を催し、そのままゆっくりと誘われていった。
(たまに遅く帰るのも悪くねえな…。オレの神崎マジ天使)
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