正直にいきましょう。
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察した姫川は急いでチビ崎を抱え、神崎に背中を向けて庇う。
チビ川も姫川の背中の前に立ち、両手を上げて神崎をなだめようとする。
「このコに罪はねえだろっ!!」
「どけ姫川! これ以上ペラペラ喋られてたまるかっ!!」
「ムキになるなって。恥ずかしい気持ちはわかるが…」
「いいからどけよ!」
「姫川が好きなことは、全部オレの口から言いたいんだ! なのに、勝手にベラベラ喋りやがって…」
悔しげな口調で言ってるのはチビ崎だ。
再び神崎の顔がカッと熱くなり、ふるふると震える。
「か…、神崎…」
肩越しに振り返る姫川に、神崎はプイと顔を逸らした。
姫川は立ち上がり、神崎と向かい合う。
「神崎…、言いたいことがあるなら…てめぇの口で言ってみろよ…。…てめぇが言わないから、チビが勝手に言っちまうんだろ…」
姫川はチビ川と目を合わせ、チビ崎にアゴを向けると、チビ川はチビ崎のもとに駆け寄り、その口に両手を押さえた。
「今、どうしてほしいわけ?」
神崎は目を泳がせたあと、真っ赤な顔のまま姫川を睨みつける。
「……その…っ、だ…、抱きしめ…ろよ…」
「はいはい」
小さく笑って言われるままに姫川は、神崎を優しく抱きしめた。
「それで?」
「え……と…、頭…撫でろ?」
「はいはい」
右手を神崎の頭の上に移動させ、優しく撫でる。
「他には?」
「…っ! ……キ……スを……」
「はーい」
そして、軽く触れるだけのキスをした。
「……もっと求めてくれねぇの?」
「…………あとで」
「カワイイ奴だな、ホント」
数分後、ヒルダが戻ってきた。
「取説を持ってきてやったというのに…、肝心のチビ達はどうした? …そして、そいつも一体どうした?」
神崎は恥ずかしさのあまり、姫川と背中合わせの状態で三角座りになって両膝に顔を埋めていた。
姫川は「こいつは気にしないでやって」と手を上機嫌な様子で手をヒラヒラとさせ、チビ達の行方を伝える。
「オレ達より一足先に駆け落ちした」
「駆け落ち?」
「あと、思ったんだけど、あのオモチャ、赤ん坊に使う気か?」
「そうだが? これで坊っちゃまも普段なにをお求めになさっているか教えてくださるはず…!」
「まだ「アー」や「ダ」しか喋れないのにか?」
「…!!」
ヒルダは取扱説明書をもう1度見る。
“対象者:言葉が喋れる3歳以上”
「――――!!!」
ヒルダは黙ったままアクババに乗ってどこかへ行ってしまった。
姫川は苦笑しながらそれを見送る。
「意外とドジっ子だな。…まあ、おまえの気持ち知れただけで良しとするか…。…このままサボってオレの家来る?」
「……………うん。…パンツ…返せよ…」
膝に顔を埋めたまま頷き、神崎はくぐもった声で言った。
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