正直にいきましょう。
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「…誰だこのガキ」
神崎の膝の上に座っているのは、誰にでも可愛がられそうな美形の子どもだった。
「オレだよ」
散々腹の痛みに悶えていた姫川は言った。
女の子と間違えそうな顔立ちだ。
「5歳の姫川か…」
ちなみに姫川本人には、腹でもがき苦しんでいる時にすべて説明した。
半袖半ズボンという活発そうな服を着ているチビ崎に対し、チビ川は半ズボンにサスペンダーという坊っちゃんらしい服装だ。
チビ崎と比べ、チビ川の方が若干背が低い。
「…この頃のオレの方がてめぇより背が高いのか。…なに食べてそんなデカくなったんだか」
「おまえはそのくらいがカワイイぞ。それ以上デカくなるなよ」
そう言ったのはチビ川だった。
「あ、喋った。つうか、おまえに言われてもなぁ…」
「……………」
この時姫川は違和感を感じた。
チビ川は神崎に抱きつき、胸に顔を埋める。
「神崎を常にこうやって抱きしめていたい。公衆の面前でもギュッと抱きしめていたい。神崎が恥ずかしがるからこそずっと抱きしめていたい。抵抗してオレの腕の中でモゾモゾ動くのとかカワイすぎっ。オレも骨折れるくらい抱きしめられたい。ぶっちゃけ折っていいからっ」
「……………」
神崎は刺激を与えないように、軽くチビ川の肩を押して自分の腹から離す。
「……こいつやっぱりおまえだわ」
「ああ…、そうだな…」
なにか確信を得たのか、姫川は目の前でずっと具合を窺っていたチビ崎を抱きあげ、ギュッと抱きしめた。
「んで、ちっさいオレでてめーはなにやってんだ」
「見ての通り、ぎゅーしてるだけだ」
「やめろ気持ち悪ィ、見てて目の毒…」
「やめろ気分悪ィ! てめーはオレだけ抱きしめてりゃいいんだよ!」
そう叫んだのは、チビ崎だった。
「は……」
神崎は言葉を失った。
その様子を見た姫川は、動揺する神崎を見ながら今度はチビ崎の頭を撫でてみる。
「なにして…」
「オレも撫でられたい!」
撫でられているにも関わらず、またチビ崎が言い放つ。
「…男鹿ヨメ、このチビ達はまさかオレ達の本音を喋ってるのか?」
「その通りだ」
「じゃあさっきのはやっぱり…」
神崎は真っ赤な顔で首を横に振り、全力で否定する。
「違う違う違う!! 全然違うから!! さっきのがオレの本音!? あり得ねぇから!! 絶対!! あり得ねぇからっ!!」
「落ち着け、神崎」
姫川はチビ崎を置いて神崎のもとに歩み寄り、しゃがんで目線を合わせ、その肩に手を置き、優しい言葉をかけた。
「そうだな、おまえがあんなことを思ってるわけがない。オレが一番わかってるから」
「ひ…、姫川…」
「よしっ、このまま調子に乗って神崎から普段聞けない本音を色々聞きだしてやるぜ。くくく…」
「オレに触るなっ!!」
悪魔の笑みを浮かべたチビ川の言葉に、神崎は肩に置かれた姫川の手を払った。
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