正直にいきましょう。
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その日、学校に行こうとしたヒルダは、魔界から宅配便で送られてきた宅配物を受け取り、そのまま学校に持ってきてしまった。
受け取った小さな箱の中には、オモチャの銃が入っていた。
見た目は、引き金を引くと音だけが鳴るようなカラフルな銃だ。
魔界玩具“子どもの気持ちを知ろう!”
使い方は簡単。
気持ちを知りたい対象者に向けて撃てばいいだけ。
しかし、以前にも魔界玩具で酷い目に遭ってきた。
その教訓を活かし、ヒルダは屋上で実験を試みることにした。
「だからってオレを実験台に選ぶなっ!!」
登校早々、屋上に拉致られた神崎。
体にはいつかのベルトが巻かれ、動けない。
ちなみに協力者はアランドロンだ。
「そう言うな。くじの結果、おまえになっただけだ」
「アッバウトな決め方だな!」
「坊っちゃまのための実験台に選ばれたこと、誇っていいぞ」
(そのドヤ顔に踵落とし決めてぇ…)
「死ぬことはたぶんないから安心しろ」
「「たぶん」で100%の安心を得ろと!?」
「ごちゃごちゃ言うな」
「待て! せめて実験台にも心の準備をさせ…!」
バーンッ
「撃たれたぁぁぁぁ!!」
なんの躊躇もなく額に撃ちこまれてしまった。
「案ずるな。痛みはないはずだ」
「バカヤロッ、なくてもショックで死ぬ奴だっているんだぞ!」
変化はすぐに起こった。
神崎は突然腹に痛みを覚え、「痛てててて!!」と暴れた。
「逃げねえからこのベルト外せ!!」
ヒルダは傘から剣を抜き、一振るいで神崎を縛るベルトを切った。
解放された神崎は腹を抱え、「うーうー」と呻き続ける。
腹の中でなにかが暴れているようだ。
「…切り開いてみるか?」
「待て!!」
その時、神崎の腹から光りのようなものが出てきて、それは宙でうねうねと形状を作り、やがて小さな人の形となって地に着地した。
現れたのは、5歳くらいの小さな神崎だった。ちゃんと服は着ている。
「オレ…!?」
腹の痛みは消えていた。
「ふむ。“子どもの気持ちを知ろう!”で撃たれた者から、子ども姿の分身が出現するのか」
「子どもの気持ちっていうか、その前に母親の気持ちを知った気がする」
5歳くらいのチビ崎はちょろちょろと屋上を動き回り、屋上の出入口まで走る。
「おい、チビオレ、どこ行く気だ」
その時、ちょうど出入口の扉が開いた。
入ってきたのは、姫川だ。
いつまで経っても教室に姿を現さない神崎を捜しに来た様子だ。
「神崎…と男鹿ヨメ?」
姫川は屋上にいるヒルダと神崎に気付き、右足にしがみついてきたチビ崎を見下ろした。
「……………」
黙ったままチビ崎を抱きあげ、じっとその顔を見つめる。
それから「ふぅ」と息をつき、ギロリと神崎を睨みつけた。
「神崎、てめぇ…、オレに隠れて男鹿ヨメと!!」
「言うと思った!! けど違ぇよ!!」
「……じゃあ…、オレとおまえの!!? でかした神崎!!」
「おいあの馬鹿も撃て。実験台は多い方がいいだろ」
「ふむ。そうだな」
バーンッ
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