とある野良猫と飼い猫。
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飼い主が出かけ、食事を終えたオレは銀色の毛並を舐めて整え、窓際に飛び乗った。
開け放たれた窓から涼しい風が入り込み、天気もせっかくの快晴だが、オレは外に出ようとは思わない。
こうやって窓際で日向ぼっこをするのが、生まれた時からの習慣だ。
その2階の部屋の窓から町の景色を眺める。
もうこの新しい景色にも慣れてきたところだ。
「にゃー」
下の小さな庭を見ると、またあの薄汚い野良猫が植物の垣根から入ってくるのが見えた。
頬に傷のある目付きの悪いトラネコだ。
そいつはその場に座り、こちらを見上げる。
口には死にかけのネズミを咥えていた。
顔はムカつくほど自慢げなドヤ顔だ。
「見ろ、姫川っ。大物がとれたぜ! てめーにこれっくらいデケーのが捕れるか?」
オレは呆れてため息をつき、言ってやる。
「……神崎、まずオレは狩りなんて物騒なことはしねーし。…大体ネズミってどんなバイ菌持ってるか…。よくそんなモンが食えるな」
「バカヤロウ、ネズミ捕りなんて野良猫の基本だ! とれなくなったら終わりなんだよっ」
この間も、スズメを捕まえてきて同じようなことを言っていた気がする。
「野良っていうのはなぁ」と何回も聞かされたことをまた言いだし、オレは明後日の方向を見て生返事を返しながら聞いてるフリをした。
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