小さくても生意気、でも愛しい。
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ヨーグルッチまみれになるわ、笑い者にされるわ、女子がなんかちょっかいだしてくるわ。
授業中は佐渡原がやたらとこっちを見てくるし。
「城山、急いでスーパー行って牛乳買ってこい」
「はい」
城山は迷いのない返事を返し、すぐに教室を出て行く。
「って、城ちゃんホントに行っちゃうの!?」
まだ学校は終わってねえが、構うものか。
「そんな急がなくてもいいだろ。なにが気に食わねえんだ。妖精みたいでカワイイのに…」
「てめーらがそうやっていじり倒してくるからだろが!! そもそも、てめーが学校休ませてりゃこんな目に遭わずに済んだんだよ!! このキモ川!!」
「下川みたいに言うな!! あんまりナメた口きいてっと、元に戻してやんねーぞ!!」
姫川は手を伸ばしたが、オレはジャンプでそれをかわし、そいつの手の甲にしがみついて噛んでやった。
「痛ててててっ!!」
アリだって、噛んだらめちゃくちゃ痛てぇんだぞ。
姫川は空いている左手でオレを払おうとしたが、オレはぴょいとかわして今度は腹を噛んでやった。
「このっ、神崎ィ!」
「ノミみたい…」
古市がなにか呟いたので、今度は古市に飛び付いてその肩を噛んでやった。
「痛っ!!」
「古市、そいつ捕まえろ!」
姫川が手を伸ばし、オレは古市の肩からジャンプしてそれをかわす。
空を掻いた姫川の手はそのまま古市の肩に直撃し、机ごと一緒に倒れる。
「馬鹿共がー」
オレがその様子を笑ってやると、身を起こした姫川は怒りの形相でオレに向かってきた。
オレは急いで教室の外へと出る。
「捕まえてみろやボケェ!」
サイズが小さいおかげで手すりを滑り下りるのも容易。
今更だが、なんか楽しくなってきたぞ。
チッ●とデー●の気分だ。
「待て神崎ー!!」
向かい側の渡り廊下まで走ってきた。
姫川はまだ階段を駆け下りている。
「とろくせー奴だな!」
肩越しに様子を見たとき、目の前になにかがぶつかって尻餅をついた。
「いてっ、なん…だ…?」
目の前には、白い大きなネコが座っていた。
丸い目がオレを見下ろす。
「に…、にゃあ…」
硬直したオレは冷や汗をかきながら、親しげに声をかけてみる。
ここでふざけても、「チュー」と言ってはいけない。
「…にゃっ」
ネコはオレの後ろに回り込み、
「ギャ――――!!!」
背中部分を咥えて校舎裏へと走り出した。
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